【たばこと映画】喫煙シーンがかっこいい映画8選

今年はコロナ禍もあり、映画産業も致命的なダメージを受けていますが、昨今の『鬼滅の刃』の大旋風のおかげで多少は息を吹き返した様子……。さて、そんな映画ですが、最近ではNetflixやHulu、Amazon Primeなどストリーミングサービスのおかげで自宅で映画を鑑賞するという機会が増えたのではないでしょうか。そこで今回は、喫煙シーンが印象的でかっこいい映画を集めてみましたのでご紹介します!

たばこと映画

映画の喫煙シーンは、登場人物たちが心を落ち着けたり、なにか大きなことを達成したとき、これから大きなことに挑むときなどアクセントとして使われています。最近ではこの禁煙ブームも映画界にも普及し、昔ほど喫煙をするシーンが減ってしまいましたが、昔の映画に憧れてたばこを吸い始めた、そんな方もきっといらっしゃるはず。また、たばこが題材となる作品も多く存在します。

『ファイト・クラブ』(1999年)

『ファイト・クラブ』(1999年)

エドワード・ノートン、ブラッド・ピット主演の名作です。印象的な喫煙シーンは……と聞かれると「全て」です。ブラッド・ピット演じる謎の男タイラー・ダーデンはほぼ全編に渡ってたばこを吸っています。秘密クラブ「ファイト・クラブ」で殴り合いながら吸う、話しながら吸う、どんな時も吸う。いつでもどこでもたばこを吸います。そんな彼に影響されてエドワード・ノートン演じる主人公も次第に喫煙を始めます。なるほど、ブラッド・ピットさん、これは撮影の時、たとえ喫煙者だったとは言え大変だったのでしょうか。大変お疲れさまです。実はこのタイラー・ダーデン、英国映画誌「エンパイア」の「最高の映画キャラクター100人」においてなんと1位に輝く、という金字塔を叩き出しています。これは彼に憧れてたばこを吸い始めた方もいらっしゃることでしょう。たしかに、かっこいいです。

「ファイトクラブへようこそ、第一のルール、クラブのことは口外するな、第二のルール、クラブのことは口外するな、以上」

『レザボア・ドッグス』(1992年)

『レザボア・ドッグス』(1992年)

バイオレンス映画の鬼才・クエンティン・タランティーノが監督・脚本・出演の三役を務めています。タランティーノ映画全般に言えることですが、本編と全く関係ない話をたばこを吸いながら展開するという手法がとられています。今作も印象的な黒ずくめのスーツをまとった男たちもくだらない会話が続きます。男たちの渋さ、かっこよさ、キャラクター性がよく現れているシーンと言えるでしょう。ジョージ・ベイカーのリトル・グリーン・バックも印象的な本作に憧れる方々も多いのでは?タランティーノ映画のバイオレス性とシュールな笑い、その緊張感が彼の作品の魅力の一つと言えます。おすすめです。

『スモーク』(1995年)

『スモーク』(1995年)

その名の通り、ブルックリンの小さなたばこ屋を舞台とした群像劇となっています。様々な特徴的な登場人物たちがこちらも全編を通して登場人物たちはスパスパとたばこを吸います。たばこを買いに来た常連客がひょんなことから過去の凄惨な話をたばこを吸いながら話し、そして何気ない日常が過ぎていく。そんな日常的な話に、ラストシーンに感動的なエピソードが加わるところがにくい演出です。会話のテンポやリズムがとてもよく、演者たちの演技と演出にどっぷりと浸かることができる一本となっています。

『ショーシャンクの空に』(1994年)

『ショーシャンクの空に』(1994年)

「名作といえば……」の定番ですね。無実の罪で投獄された獄中でのストーリーは、映画史に残る様々な名シーンを残しました。私、喫煙者が注目したのはやはり獄中でのたばこを通貨として扱うシーンです。囚人同士は物々交換としてのたばこ、なにかにつけてたばこが通貨のような扱いをしています。そのシーンが少年心の私をくすぐり、「かっこいい」と単純に思えました。ストーリーも様々な困難を乗り越え、感動的なクライマックスへと向かいます。名作にはたばこというアクセントが重要な要素と思える作品の一つです。

『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)

『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)

独特のローテンションのビートにシュールな笑いを盛り込むジム・ジャームッシュ監督の名作です。この作品はなんといって「あの」ウィノナ・ライダーがくわえたばこをしながらタクシー運転手として演じているシーンでしょう。ウィノナ・ライダーといえば、今ではNetflix製作ドラマ『ストレンジャー・シングス』で主人公ウィルの母親役としてすっかり「お母さん」キャラですが(『ストレンジャー・シングス』でもヘビースモーカーです汗)、当時はティム・バートン映画の常連としていわゆる「可愛い路線」を進んでいたはずですが、今作ではタクシー運転手としてスパスパとたばこを燻らせます。その吸いっぷり、が「かっこいい」と思えるほど。ストーリーもジム・ジャームッシュ特有のシュールな展開で肩の力を抜きながら観ることができるのでおすすめです。

『勝手にしやがれ』(1959年)

『勝手にしやがれ』(1959年)

90年代の映画を中心に紹介してきましたが、ここでは少々オールド作品を。1950年代に映画界に旋風を巻き起こしたヌーヴェルヴァーグの代表的な作品といえます。なんと言ってもたばこが似合う男といえば、このジャンポール・ベルモンドではないでしょうか。マルセイユの港町でボガードの映画ポスターと同じポーズをしてたばこをくゆらせる、そんな映画の冒頭を象徴するように、たばこは渋くてかっこいい、そう思える作品となっています。スクリーンの中で多くの映画スターたちがたばこをアクセサリー、嗜好品の一つとして楽しんでいる姿の象徴的なシーンと言えるでしょう。

『コーヒー&シガレッツ』(2003年)

『コーヒー&シガレッツ』(2003年)

「コーヒーとたばこだけでは体に悪いですよ」、劇中の印象的なセリフのように、タイトル通りコーヒーとたばこが物語の中心となります。11のオムニバスストーリーで成り立つ本作は、基本的にコーヒーとたばこを楽しみながら、なんの意味もない会話をする「だけ」の作品となっています。ただそれだけで面白いの?と思うかもしれませんが、ここが監督・脚本であるジム・ジャームッシュの腕のみせどころ、セリフのユーモアさ、会話の間、くだらないジョークなど、演出により飽きさせることはありません。たばことコーヒーを楽しみながら会話をする、最近では喫茶店でできなくなってしまったお店は多いですが、会話のつまみとしてたばこを楽しむという嗜好品としての面白さを再確認できるはずです。

『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)

『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)

舞台は昭和33年(1958年)の東京の下町になります。当時の昭和の人々の心温まる交流が描かれています。この作品だけではないですが、昭和の当時は自宅の居間や道端はもちろん、駅のホームや車中、バス停、映画館など、吸えないところはほぼない、と言えるほど、今では考えられないほどどこでも吸うことができました。劇中でもたばこを吸うシーンが多くあり、今より日常的に文化の一つとして喫煙があったと言えるでしょう。

いかがでしょうか。たばこは映画においてちょっとしたアクセントや演出の一つとして重要な役割を果たしてくれています。特に昔の映画には喫煙シーンも多く顕著にその重要性が現れています。今回ご紹介した作品はどれも名作揃いです。みなさんもぜひ、ご覧になってみてください。