愛煙家の方であれば、誰もがその存在を知っているアメリカZIPPO(以下ジッポー)社が展開しているジッポーライター。たばこに火をつける道具……と言ってしまえばそれまでですが、世の中にはジッポーライターを使いたいからたばこを吸うという方も少なからずいます。
なぜこんなにもジッポーライターは、多くの人を魅了するのでしょうか。今回は、そのジッポーライターの魅力に迫っていきます。
ジッポーライターとは?
はじめに、ジッポーライターがどのようなものなのか説明していきます。ジッポーライターは、アメリカZIPPO社が販売しているオイルライターのことです。その始まりは、今から約90年前の1932年まで遡ります。
1932年にジョージ・G・ブレイズデルが発案したことをきっかけに、翌年1933年に製品化されて以来、今なお多くの人々に愛される名オイルライターです。
最初の販売から現在に至るまで「無料生涯保証」を行なっており、一つのモデルを長年に渡って使い続けることができます。自分の人生とともに歩み、使い続けられるのもジッポーライターの魅力といえるでしょう。
約90年続く歴史のなかで、ジッポーライターはさまざまなモデルが世に出ています。愛煙家が使うだけでなく、ジッポーライターを収集目的で集めるコレクターまでいるのです。このようにジッポーライターは、多くの人々に愛されるライターブランドとなっています。
ジッポーライターの魅力は「育てていく」ことにある
上述のように熱狂的なジッポーライター収集家がいる一方で、本来のジッポーライターの良さとしては、風に強く頑丈で繰り返し使える点にあります。万が一調子が悪くなったとしても、「無料生涯保証」があるため、修理できるうちは同じものを使い続けられるのです。
そんなジッポーライターも「物」である以上、使っていれば経年変化が起こります。ジッポーライターは、この経年変化も魅力の一つなのです。日常的に繰り返し使うことで、手の脂分や湿気、摩耗などによって徐々に色味が変化していきます。
最初はピカピカだったボディも、徐々に鈍い輝き方に変化したり絶妙な擦り傷がついたりします。ジッポーライターファンにとっては、この経年変化が何よりもかっこよく、そして魅力的に映るでしょう。使うときの癖、持つ位置などによって自分だけのジッポーライターに育っていくのです。
もちろん定期的なメンテナンスをしたほうがよりかっこよく仕上がるでしょうが、ありのままに使ってジッポーライターがどのように変わっていくのかを楽しむのも魅力の一つといえます。
豊富なデザインで自分好みの見た目が見つかる
経年変化もジッポーライターの魅力の一つですが、何よりその豊富なデザインも世界中の人々を魅了する理由の一つといえるでしょう。自分好みのデザインが見つかったときの感動はひとしお大きいですが、さらにそれが時と共によりかっこよくなっていくことも喜びを感じるでしょう。
ラインがあしらわれたシンプルなものやユニークな装飾が施されたもの、そのほか刻印やプリントによっていろんなデザインが描かれたものもあります。この種類の豊富さも、収集家たちのコレクター魂に火をつける理由です。
またモデルも多種多様で、ベーシックな「レギュラーモデル」、そのレギュラーモデルより1.5倍の厚みがある「アーマーモデル」、反対に幅が狭く厚みが薄い「スリムモデル」など、形状にこだわることもできます。
さらにジッポーライターといえばブラスにエッチングしてメッキ加工したものやプリントを施したものが大半ですが、日本人の持つ繊細な職人技が光るメッキなどの加工技術を加え、本国にはないクオリティのあたかも美術工芸品の域に高めたモデルも用意されています。自分の感性を震わせるジッポーライターを見つけてみてはいかがでしょうか。
見た目だけじゃない。五感で感じるジッポーライターの魅力
ここまでジッポーライターの魅力をお伝えるするうえで「見た目」に関することをお話してきました。しかしジッポーライターの魅力は、何も見た目だけではありません。ジッポーライターの魅力は、五感で感じることができます。
見た目を視覚的な魅力と捉えるなら、蓋を開けるときの「チンッ」という音、そして閉めるときの「カシャン」という音は聴覚的な魅力。あの音が好きという利用者も多いです。
そして火をつけたときのオイルの香りは、嗅覚的な魅力です。あのオイルの香りこそ醍醐味という人もいます。ちなみにジッポーオイルの容器デザインも年代ごとに違っていて、コアなファンのなかには、オイルをコレクションしている人もいるようです。
そんなオイルで火をつけたたばこの味も最高です。普通のガスライターを使うときとはまた違った、オイル独特の味わいを楽しむことができます。オイルの香りが乗ることで、たばこの味が一層濃く深いものに変わります。これは、味覚的な魅力といえるでしょう。
最後に触覚的な魅力でいうと、ジッポーライターの手頃なサイズ感や開閉するときの振動なんかも癖になります。そして重みもちょうどよく、不思議と手に持ちたくなるのです。
自分だけのジッポーライターを育てていこう
今回は、ジッポーライターの魅力をさまざまな角度からお届けしてきました。少しでもジッポーライターを手に取ってみたいと思っていただけたら幸いです。
ジッポーライターには、定期的にメンテナンスをしたりオイルが切れたら継ぎ足したりといった多少の手間がかかります。しかしそうして自分の手で磨いたり使ったりするなかで、少しずつ色褪せてきたり傷ついてきたりするのは、ジッポーライターならではの魅力です。
自分自身が長い時間のなかで成長や変化していくのと同じように、ジッポーライターもまた変化を重ね、共に歴史を積み上げていきます。今からでもジッポーライターを手に取ってみて、数年後どんな姿になるのかを想像すると楽しみになってこないでしょうか?