シーシャは身体に害がある?含まれる有害物質の種類と特徴も紹介

近年、シーシャはまったりとくつろぐ「チル」を味わいたい人々の間で人気を集めています。シーシャバーやシーシャカフェなどを街中でよく見かけることもあるでしょう。しかし、シーシャはタバコではないのか、身体に害はないのかなど、興味はあるが不安もあるという人もいます。

今回は、シーシャに害があるのかを含まれる成分ごとに解説していきます。シーシャに関するよくある質問にも回答していくため、シーシャに興味を持っている方はぜひ参考にしてください。

シーシャの仕組み


シーシャは、「水パイプ」と呼ばれる専用の喫煙具を使って吸います。タバコの葉を火皿に乗せ、炭で加熱することで、煙が専用の管を通過して水にくぐり冷やされます。この水で冷やされた煙を吸って楽しむのがシーシャです。
煙は冷やされるとまろやかな味わいになるため、リラックスしたり、くつろいだりしたい気分にぴったりといわれているのです。ニコチンが水を潜る事により水がニコチンを吸収し、フィルター代わりにもなっているのです。

【ケムール編集部よりコメント】シーシャの呼び名について

シーシャ。水タバコ。水パイプ。
これらは同じ意味で使われることが多いが、実際には形式が数種類ある。
「シーシャ」はフレーバーがついた「糖蜜」に漬け込んだタバコ葉を使う。それを火皿の上に置いた「炭」で加熱し煙を出す仕組みだ。つまり直接タバコ葉に火が点いているという状態ではなく、見た目には「炭の熱で蒸らしている」という感覚が近い。
しかし「水タバコ」「水パイプ」には「シーシャ」だけでなく、「紙巻きたばこ」「タバコ葉」に着火した煙を水にくぐらせるタイプもあるのだ。


▲これがタバコに直接着火する用途の「水パイプ」だ。上部にあるキャップのようなパーツに紙巻タバコを差したり、タバコ葉を詰めて火をつける(画像出典:喫煙具屋 メーカー名:フカシロ)

タイプにより、健康への影響もじゃっかん異なるだろう。今回の記事で紹介する「シーシャ」は、炭で加熱する(燃やす/蒸らす)タイプを紹介していくぞ。

 

シーシャは、煙に多彩なフレーバーを追加できる魅力があります。シーシャで使われるタバコの葉にはさまざまなフレーバーがついています。たとえば、鼻に抜ける刺激的な味わい、フルーティーでさわやかな味わい、苦みのある大人な味わいなど、香りや味は多種多様です。自分の好みの味を探してみるのもシーシャの醍醐味といえるでしょう。

シーシャに害はあるのか


シーシャは水タバコとも呼ばれます。タバコのワードが含まれており、実際にタバコの葉を使用しているため、身体に悪いのではないかと心配になる人もいるでしょう。こちらでは、シーシャは身体に悪影響を与えるのか解説します。シーシャに興味を持っている方で、健康にも気を使っている人は、ぜひ参考にしてください。

シーシャに含まれるニコチンやタールに害がある

シーシャには、紙タバコ同様にニコチンやタールが含まれています。ニコチンやタールは体に悪影響を与える成分のため、それを含むシーシャもまったく害がないとはいえません。また、シーシャは紙タバコよりも長い時間吸い続ける場合が多い傾向です。

そのため、一酸化炭素を取り込む量が紙タバコよりも多くなるおそれがあります。身体の中の一酸化炭素濃度が高くなると、酸欠になりやすく、場合によっては一酸化炭素中毒を引き起こします。過去には、急性一酸化炭素中毒により救急車で搬送されたケースもあるため注意が必要です。

シーシャは紙巻きタバコよりも有害物質が少ない

シーシャは、燃焼したタバコの葉の煙を一度水に通します。この水が、紙タバコのフィルターのような役割を持っています。水により有害物質の一部が取り除かれると考えられており、実際に摂取するニコチンやタールの量は、紙タバコよりも少なくなると考えられるでしょう。

また、シーシャのスタンダードな吸い方は、口腔喫煙です。肺に入れるのが一般的な紙タバコよりも、身体に有害物質が入りにくいといわれています。シーシャが口腔喫煙メインなのは、紙タバコよりも喫煙時間が長くなりがちで、ヤニクラを起こしやすいためです。シーシャを長く吸う際は、定期的に新鮮な空気を吸うよう意識しましょう。

シーシャに含まれる有害物質1.ニコチン


ニコチンは、毒物として指定されている化学物質です。アルカロイドの一種で、神経毒性の強い猛毒とされています。強い依存性があり、主にタバコの葉に含まれているのが特徴です。喫煙すると煙から体内に取り込まれます。ニコチンを継続摂取すると依存してしまい、身体がニコチンを欲してタバコをやめるのが難しくなってしまうでしょう。

ニコチン依存症は、麻薬と同じくらい危険であるといわれています。ニコチンが切れるとイライラやストレスが出現し、それを抑えるためにニコチンを摂取しようとタバコを吸い続けてしまいます。

ニコチンによる身体への影響について

ニコチンが体内に取り込まれると、血液を通して全身へ急速に広がります。また、強い血管収縮作用があるため、毛細血管が収縮して血圧が上昇。ニコチンが中枢神経にあるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に結合すると、報酬系と呼ばれる神経回路に作用してドーパミンが放出され、快感をもたらします。

そのため、タバコを吸うとリラックスできる、ストレスを解消できると身体が錯覚してしまうのです。また、ニコチンはすぐに体内からなくなってしまうため、ドーパミンが放出されなくなりイライラが発生。また、リラックスするためにニコチンを欲してタバコを吸う依存が引き起こされてしまいます。

また、ニコチンには中毒性があります。子どもが誤ってタバコの葉を食べてしまうと、中毒を起こし、最悪の場合は死に至る危険性もあるため注意が必要です。

シーシャによるニコチン摂取について

シーシャは、タバコの葉を使用するためニコチンが含まれています。紙タバコでは、1本あたり0.1mg~1.4mgほど含まれています。シーシャのフレーバーに含まれるニコチン量に関しては、販売時に商品情報として掲載されていない場合が多いようです。

また、シーシャではニコチンの沸点よりも低い温度で温めるため、タバコの葉に含まれているニコチンがすべて放出されるとは限りません。そのため、シーシャのフレーバーに含まれる正確なニコチン量は、計測が難しいといえるでしょう。しかし、タバコの葉を使用している以上、ニコチンがまったくないとはいえません。

シーシャに含まれる有害物質2.タール


タールとは、ヤニとも呼ばれており、タバコの煙の中に含まれる一酸化炭素やガス状の成分を除いた、残りの成分を差しています。不完全燃焼によって発生する燃焼副生成物が多く含まれており、その中には有害物質や発がん性物質も多数あります。

タールに含まれている主な発がん性物質は、芳香族アミン類、ベンゾピレン、タバコ特異的ニトロソアミン類などです。タールには、ガンを引き起こす可能性のある物質がおよそ70種類含まれているといわれています。

また、タールは歯や壁につくと黄色や茶色に変色させたり、肺を黒くさせたりする作用もあります。

タールによる身体への影響について

タールは発がん性物質を多く含んでおり、体内に取り込まれるとすぐ血液に乗って全身に運ばれます。発がん性物質は、ガンを誘発する、発生率を増加させるなどさまざまな作用によりガンを引き起こす物質です。発がん性物質により遺伝子が傷つくと、ガンを発生させる原因になると考えられるでしょう。

シーシャによるタール摂取について

紙タバコのタール含有量は、1mg~10mg程度が一般的です。一方、シーシャのフレーバーには、タール量の記載がありません。そのため、明確な数値はわかりませんが、タールの摂取量は紙タバコよりも低いとの研究報告もあるようです。しかし、タバコの葉を使用している以上、タールは含まれていると考えて利用しましょう。

シーシャに含まれる有害物質2.一酸化炭素


一酸化炭素とは、酸素が不足している状態で不完全燃焼を起こすと発生する気体です。一酸化炭素は、酸素よりヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。血液中のヘモグロビンは、外から取り込まれた酸素と結びつき、血管を通って全身に酸素を送る役割があります。しかし、一酸化炭素の割合が多くなると、ヘモグロビンは酸素ではなく一酸化炭素と結びついてしまうため、血液の酸素運搬能力が低下してしまうでしょう。

一酸化炭素による身体への影響について

多くの一酸化炭素が体内に取り込まれると、血液の酸素運搬能力が低下して、酸欠状態に陥ります。これが一酸化炭素中毒です。ヘモグロビンと結びついた一酸化炭素の半減期は、3~4時間ほどといわれています。そのため、頻繁にタバコを吸う人は、常に酸欠状態といえるでしょう。酸欠状態が続くと赤血球増加を引き起こす可能性があり、動脈硬化を促進させるとも考えられます。

なお、一酸化炭素中毒になると、軽傷の場合は頭痛や吐き気、眠気などが引き起こされます。重症になると錯乱や意識消失などが起こり、最悪の場合は死に至るほど危険な症状です。

シーシャによる一酸化炭素摂取について

シーシャは、炭を用いてフレーバーを温めます。そのため、不完全燃焼による一酸化炭素の発生は避けられません。また、シーシャは紙タバコよりも1回の喫煙時間が長くなる傾向です。一酸化炭素の摂取量が増えるため、一酸化炭素への注意は紙タバコよりも必要です。

シーシャは、定期的に新鮮な空気を吸うタイミングを作り、急いで吸わずにゆっくり吸って楽しみましょう。

シーシャの受動喫煙の有害性について


紙タバコの場合、副流煙はフィルターを通っていません。そのため、有害物質が高濃度であるとされています。一方、シーシャの副流煙は、喫煙者が吸って吐き出した煙が副流煙に該当します。シーシャの機器の中で水を通っているかつ、喫煙者が一度吸いこんでいる煙のため、副流煙に含まれる有害物質量は、主流煙と同等もしくはそれ以下と考えられるでしょう。

ニコチンフリーシーシャの注意事項

シーシャで利用できるフレーバーには、ニコチンフリーの製品もあります。ニコチンの依存性に不安がある方は、ニコチンフリーのフレーバーを試してみると良いでしょう。ただし、ニコチンフリーであっても、20歳未満は喫煙できません。また、ニコチンフリーでもタバコ葉が不完全燃焼を起こし、一酸化炭素は発生します。そのため、ニコチンフリーであっても一酸化炭素中毒には注意しましょう。

おすすめフレーバー:ALWAZIR

シーシャには、さまざまなタバコ葉が使われています。人気の高い製品に「ALWAZIR」があります。商品の種類と価格は以下のとおりです。

製品名 製品量 製造国 小売定価
ALWAZIR No.2 Lemon&Mint 50g 50.0g ドイツ 1,800円(税込み)
ALWAZIR No.3 Watermelon&Mint 50g 50.0g ドイツ 1,800円(税込み)
ALWAZIR No.5 Grapes&Mint 50g 50.0g ドイツ 1,800円(税込み)
ALWAZIR No.9 Mystery Land 50g 50.0g ドイツ 1,800円(税込み)
ALWAZIR No.10 Tropical 50g 50.0g ドイツ 1,800円(税込み)

さまざまな香りのフレーバーが販売されているため、好みの味を見つけてみてください。

シーシャに関するよくある質問


こちらでは、シーシャに関するよくある質問に答えていきます。シーシャ自体に興味はあっても、どのようなものかがわからずなかなか試せない人もいるでしょう。大量の煙が立ち上るイメージから、良くないものなのではと感じる人もいます。シーシャについての知見を深めると、身近なものに感じられ挑戦しやすくなるでしょう。

シーシャは合法ですか?

日本の法律上、シーシャは合法です。大きな機器やホースを使って煙を吸っている様子から怪しいもののようにも見えてしまいますが、法律上はパイプタバコに準拠しており、小売販売許可を得て営業している場合は問題ありません。海外では、シーシャを禁止している国もあるようです。

なお、シーシャはタバコの一種でニコチンやタールを含んでいるとされているため、喫煙は20歳になってからと定められています。シーシャを提供する店舗では、20歳未満の入場を断るケースもあります。

シーシャにニコチンは含まれていますか?

シーシャはタバコの葉を燃焼させてその煙を吸う製品のため、ニコチンが含まれています。しかし、発生した煙を水の中にくぐらせるため、ニコチンの量は紙タバコよりも少なくなると考えられています。

また、シーシャのフレーバーには、ニコチンフリーと謳っている製品もあるようです。タバコ類似品扱いで、タバコの葉を使用していません。かわりに、フルーツのシロップ漬けや紅茶の茶葉などで味付けがされています。ニコチンやタールの影響が気になる方は、ニコチンフリーのフレーバーをチェックしてみましょう。

まとめ|シーシャにもニコチンやタールが含まれている


今回は、シーシャの仕組みや、含まれる物質の特徴や身体への影響を紹介しました。シーシャは、タバコの葉を使用している点から、ニコチンやタールが少なからず含まれています。そのため、身体にまったく害がないとはいい切れません。また、シーシャは1回の喫煙時間が長い傾向のため、酸欠による一酸化炭素中毒が起きやすい行動といえます。シーシャを試すときは、適度に新鮮な空気を吸うようにしましょう。

タバコ葉の影響が気になる方は、電子タバコの利用も一つの手段です。ニコチンやタールは一切含んでいないため、身体への影響を心配せず、リラックス目的で利用しやすいといえます。