炎上と平和
ネット炎上ウォッチャーのせこむです。
世界がどんどん大変なことになっています。
2週間でこんなにも世の中は変わるのですね……。ロシア・ウクライナ情勢はまさに歴史上類を見ない「ネット情報戦」が繰り広げられているため、SNSとの付き合い方を少し慎重にしている人も多いでしょう。
そのためでしょうか、日本でここ最近起こっている炎上は少し「小物」感がいなめないところ。
いやいいんです、平和が一番です。
「ネットが盛んに燃えるのは、世の中が平和な証拠」
これ、覚えておきましょう。燃えた当事者はたまったものじゃないと思いますが。
前々回取り上げた「古塔つみトレパク騒動」(▶2月前半の炎上ニュース)がまだまだ延焼を見せている感がありますが、そんな中2月後半〜3月上旬の主な炎上をピックアップ。もちろん、ウクライナ情勢に関する発言で燃えたものなどは省いています。いつものように🔥の数は独断と偏見の炎上度合いバロメーターで、5つ炎が満点です。
2022年2月後半〜3月前半の主な炎上
① 乃木坂46史上最速でセンター抜擢メンバーに「パパ活」疑惑、活動自粛へ 🔥🔥🔥🔥
参考:文春オンライン▶「SNSで知り合い、1時間3000円で……」乃木坂46史上最速でセンター抜擢の中西アルノ(18)の“パパ活疑惑”を当事者が赤裸々に語る② ザ・ノンフィクションの山奥ニート生活に過剰演出か 🔥🔥🔥
参考:週刊女性PRIME▶『ザ・ノンフィクション』娘の養育費をネット募集した“山奥ニート”に批判殺到も、裏にある「過剰演出」疑惑③ 大原櫻子さんの男性関係がyoutubeで暴露され所属事務所が否定へ 🔥🔥🔥
参考:サイゾーウーマン▶大原櫻子、YouTubeでの暴露にTwitterで反論も「削除したほうがいい」の声! 業界内でも波紋④ 株式会社ノースサンド人事が「給与で会社を選ぶ人とは働きたくない」発言で炎上 🔥🔥🔥🔥
参考:ITmediaビジネス▶「給与で会社を選ぶ人とは働きたくない」 人事担当の投稿が物議 “実名アカウント”の炎上リスク浮き彫りに
① 乃木坂46パパ活疑惑は、乃木坂46の新センターとして鳴り物入りでお披露目された中西アルノさんに「個人撮影モデル」の過去があることが判明。それが純粋なモデル活動ではなく「パパ活ではないか」と週刊文春で過去の写真とともにスクープされたため大炎上、結果的に活動自粛に追い込まれたという話です。
その界隈に詳しくない人には「?」かもしれませんが、写真を趣味とする人と個人的にモデル活動をしたい人たちがSNS上で繋がる文化があるのです。はたしてこれが「パパ活」なのか否か? などいろいろ思うところはありますが、これでここまで追い込まれるのか……というのは個人的には少し後味が悪いなあと。
② 山奥ニート生活は、放送前から話題になっていたのでチェックはしていました。本格的な反論が当事者から出てきているようですが、最近『ザ・ノンフィクション』がらみの炎上ってよく見かけるような気がします。いろいろとこれは原因が複合的な気もするのでまたの機会にでも。
参考▶フジ『ザ・ノンフィクション』やらせ騒動、過去の“炎上回”にも疑惑…暴露された裏側
③ 大原櫻子さんの件は、いわゆる「暴露系Youtuber」の新星として颯爽と現れたアパレル会社元社長・東谷義和氏のネタですね。この件に関しては大原櫻子側の事務所がツイッターで公然と反論することで逆にネタが広まってしまうのではという地獄が垣間見えました。この人はあともう少し世間を賑わせてくれる気がします。それにしても、こういう人が活動できているのって逆に芸能界が「健全」になったんだなあ……と思うのは自分だけでしょうか。ある日突然更新されなくなったら「やっぱりそういうことだよねー」と思うんでしょうけど。
今回の「たいへんよくもえました」
新年度も近いことですし、今回のメイン炎上は④給与で会社を選ぶ人とは働きたくない件にしたいと思います。ITコンサルティングなどを手掛ける、株式会社ノースサンドという会社の人事担当社員が1月31日に呟いたこのツイートが、非常に話題となりました。
わー。どこからツッコんでいいのやらわからない発言です。
世の中のIT系や「意識高い」ビジネスマンの方々はこの発言を「うんうん、そうだよねー」とスルーされるのでしょうか。なんだよそのディストピア、と思いますが。
ちなみにツイッターでは、「多くの人の反感を買ったり異論・反論を集めそうなツイートの場合、RTの数よりも引用RTが多い」という傾向が見られます。これテストに出るところですから覚えておきましょうね。「ツイッターの教科書」に載せたいようなツイートです。そんなものがあるならば、ですが。
就活生から感謝の炎
当然の如く、リプでも引用RTでもフルボッコの大火災です。
リプライ・引用RTは5000件に迫った
一番笑ったのはこの方のコメントですね。
炎上界のスター・田端信太郎氏からの一撃
むしろいつもはご本人の発言が「炎上している」側な気がするんですが、随分とまっとうなご意見。さすがに次の日、本人が釈明&補足のツイートを投下します。
当然のごとく山ほど反論が来ます。当たり前です。ちなみにこの釈明ツイートも引用RTが多いこと。
芯の強さを感じさせる
話題になりだしたのは2月上旬なのですが(参考記事も配信は2月4日です)、2月半ば〜後半にかけても繰り返しRTが伸びており、長期でダラダラ炎上という様相を見せています。2月18日には会社自体が「Great Place To Work® Institute Japanが主催する日本における『働きがいのある会社』ランキングに5年連続で選出された」というニュースが出たことにより、より「何か悪い冗談では?」感が強まってしまったのも原因のようです。
参考▶株式会社ノースサンド「働きがいのある会社」ランキング選出に関するお知らせ
教訓:燃える「人事」の歴史
「SNS担当者は会社の顔。選ぶときは慎重にね!」
これで終わる話ではあるんですが、これまでのネット炎上を見ているといわゆる「広報アカウント」以上に「人事の発言」は炎上することが多い気がします。実はこのノースサンドのすぐ前にもSansanという会社の人事部社員の呟きが炎上、すぐさまツイ消しとなっていました。
参考▶まとめダネ!
このくらいで……という気もちょっとしますが、たしかに就活生の気持ちを考えると不適切ですね。東日本大震災とのとき、トンボ鉛筆の人事担当者が就活生に向けて非道なメールを送った事件(あえてこれは「事件」と言わせていただきます)に比べたらまだマシな部類ではありますが。
参考:エントピ▶「トンボ鉛筆事件」とは?人事担当の現在(2021)は?
このように人事担当者の炎上発言は時折観測できるのです。「他人を選別する」という立場が人の判断力をどこか狂わせてしまうのでしょうか。今やSNSや就活サイトであっという間に情報が広まるこの世の中だというのに……。
しかしこの株式会社ノースサンドの人事担当者さん、高く評価できるところもあるなと自分は思っています。それは「ツイ消し」をしていないところ。2022年3月8日現在、このツイートは恐ろしいことに、まだネット上に存在しています。いやむしろ「すごい」を通り越して怖くないか。
……ということは。会社としてはこのツイートの「真意」、要は「給与面などではなく、会社の理念等に一番に共鳴してくれる人に集まって欲しい」というようなメッセージを最重要視して、あえて残しているのでしょう。そこが汲み取れる人だけ集まって欲しい、と。
確かに就職のミスマッチを防ぐためには、ある意味いい手法なのかもしれません。でもそれは人材採用というより「カルト宗教の信者を集める手法」なような気もします。
だ、だいじょうぶかな……と会社と人事担当者さんの将来が他人事ながら少し心配になってしまう、そんな炎上事件でした。