画家・千葉貴明さん
以前、ご出演頂いた犬飼将隆さんに続き、銀座画廊<美の起原>が主催する“美の起原展”での「とに~賞」受賞者がこの企画に参加してくれることになりました。「現代のバロック絵画」をテーマに活動を続ける新星・千葉貴明さんです。修復士を目指して、イタリア・ローマに留学するも、そこで出会った本場のバロック絵画に衝撃を受け、画家へと転向した千葉さん。そんな異色の経歴を持つ彼が、「とに~賞」という異色の賞を受賞し、その縁からオリジナルライターケースを作るという異色の企画に挑むことに。人生って何があるかわからないものですね。
さて、バロックの時代には当然ライターは存在していません。もちろんライターケースも存在していません。果たして、現代のバロック画家・千葉さんは、どんなライターケースを作り上げたのでしょうか?
千葉貴明 -Chiba Takaaki- – 洋画家。宮城県生まれ。
19歳から本格的に美術の世界に入る。日本の美術学校を経て、2018年修復士を目指しイタリア・ローマに留学。
現地で様々なイタリア芸術にふれる中で特にバロック芸術に魅了され、自らも制作を始める。
2020年学校卒業&帰国後は画家として「現代のバロック絵画」をテーマに個展・グループ展等の活動を精力的に行なっている。
Instagram:@taka_2610
はじまりから完成まで
制作工程動画
おじさんグロテスク装飾ライターケースが完成
これまで観てきた千葉さんの絵画作品は、金髪の美しい女性がモデルになったものが大多数を占めていました。だからと言うわけではないですが、なんとなーく、今回のライターケースもブロンドヘアーの女性がデザインされるのかと予想していました。ZIPPOのセクシーなライターケース的な?
ところが、完成したライターケースに描かれていたのは、まさかのオッサン!そして、その裏側には悪魔!千葉さんがライターケースに施したのは、イタリア留学時代に出会って印象的だった「グロテスク装飾」とのこと。いい意味で予想を裏切られました。10日間かけて制作された力作は、隅から隅までが見どころで、まさに手の中の芸術品です。
ちなみに、「グロテスク」とはいうものの、日本人の僕らが普段使っている意味合いとはちょっと違うようで。全体的には、グロテスクどころか軽やかで華やかな印象すらありました。市販したら、意外と女子ウケしちゃうかも。
完成動画
おまけ
グロテスクの語源にもなった「グロテスク装飾」って何?
そんな話題にはじまり、千葉さんの制作スタイル、画家に転向し始めた頃に模写した巨匠の作品など、お話が興味深くて話題の尽きないインタビューでした。今現役でバロック美術をやっている人なんて、日本でおそらく千葉さん一人、本場ヨーロッパで数えるほどしかいないのではないでしょうか。そういう意味でも貴重なお話満載です。
インタビュー動画
アートテラー・とに~
1983年生まれ。千葉大学法経学部法学科卒。元吉本興業のお笑い芸人。
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」に転向。
現在は、美術館での講演やアートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など幅広く活動している。
著書に『名画たちのホンネ』(三笠書房)、『東京のレトロ美術館』(エクスナレッジ)など。公式ブログ(アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
@artteller | Twitter
@artteller_tony | Instagram