タバコを吸うと肌荒れが起きるのはなぜ?原因と対処法を解説

タバコを吸っている人に起きやすいトラブルの1つが肌荒れです。長年の愛煙家の中には、乾燥肌やゴワつき、シミ、シワといった肌トラブルに悩まされている方も多いでしょう。なぜ喫煙は肌に悪影響を与えてしまうのでしょうか?ここではタバコを吸うと肌荒れが起きる原因や、健康な肌を保つための対策をご紹介します。

タバコを吸う人の顔って、何だか老けていませんか?

タバコを吸う人は、吸わない人に比べて「老け顔」になる傾向にあります。これはタバコによる肌荒れの結果なのですが、「そんなことはない。個人差の問題だろう」と考える方もいるかもしれません。そこでまずは、タバコが肌にどれだけ大きな影響を与えているのかを知っておきましょう。

喫煙者の顔は「スモーカーズフェイス」になる

長年タバコを吸っている人の顔は、「スモーカーズフェイス」という特徴的な容貌になります。知識のある人が見れば、「ああ、この人は多分タバコを吸っているな」とわかってしまうほどです。個人差はありますが、概ね以下のような症状が現れます。 ・肌のハリがなくなり、シミ・シワ・くすみが目立つ ・上まぶたが下がり、下まぶた(目袋)がたるむ ・目の下にくまができ、まぶたに色素が沈着して黒っぽく見える ・深いほうれい線が刻まれる ・上唇にシワができる ・あごがたるむ ・毛穴が開く(特に鼻横) ・唇や歯肉が黒ずむ ・ニキビや脂性肌、乾燥肌などの肌トラブルが増える ・血色が悪く、頬がこけ、やつれて病的に見える 想像すれば、まさに「ザ・老け顔」であることがおわかりいただけるでしょう。同年代の非喫煙者と比較すれば老けて見えるのは間違いありませんし、病気を疑われるかもしれません。老け顔を「遺伝だから」とあきらめていた方も、実はタバコが原因ということは十分考えられます。

アメリカの双子の調査で恐るべき結果が……

タバコが外見に与える影響については、さまざまな研究が行われてきました。有名なのは、アメリカのオハイオ州で行われた調査です。この調査では186組の双子を対象に、生活習慣の違いと容貌の違いを比較しました。一卵性双生児なら遺伝子はまったく同じですから、生活習慣が外見に与える影響をより正確に判断できるというわけです。 そして、「片方が喫煙者・もう片方が非喫煙者」という双子を調査した結果、喫煙をしている方が老け顔になりやすいことがわかりました。少なくとも5年の喫煙歴があると、遺伝子が同じ双子ですら、容貌に大きな差が生まれたのです。もちろん、喫煙歴が長ければ長いほど、その差はより大きくなります。まさしくタバコは、人の顔を変えてしまうわけです。

肌荒れだけでなく病気にもなる

タバコを吸うと肌荒れが起き、老け顔になるとわかっても「それくらいは仕方がない」と考える方もいるでしょう。しかし、タバコが肌に与える影響は肌荒れにとどまりません。アトピー性皮膚炎を悪化させたり、皮膚がんや口腔内がんにつながったりと、より深刻な皮膚疾患をもたらすことも多いのです。 また、手足に水虫のようなひどい湿疹ができる掌蹄膿疱症(しょうせきのうほうしょう)も、約85%もの患者が喫煙者で、タバコとの因果関係が非常に強いことがわかっています。これらの病気は人生にも大きな影響を与えかねないため、十分に注意しなければなりません。

タバコが肌荒れを引き起こす理由

タバコがこれほど多くの肌トラブルを引き起こすのは、タバコに大量の有害物質が含まれているからです。では、具体的にどのような作用で肌荒れが起きるのでしょうか?主なものを見ていきましょう。

新陳代謝の阻害

タバコの主成分であるニコチンには血管を収縮させる作用があるため、タバコを吸うと血行が悪化します。また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素(不完全燃焼によって発生)を吸い込むと、血液中のヘモグロビンと結びついて酸素の運搬能力を低下させます。つまり喫煙者の体は、慢性的な血行不良+酸欠状態に陥っているわけです。 こうなると、全身の細胞に酸素や栄養を届けるのが難しくなり、皮膚の新陳代謝が悪化します。その結果、シミ・シワ・くすみ・乾燥肌といった、多くの肌トラブルが引き起こされるのです。加えて、血行不良により血色も悪くなってしまいます。

活性酸素の増加

タバコを吸うと、大量の有害物質と戦うために、体内の酸素が「活性酸素」に変化します。活性酸素は免疫機能など多くの役割を果たしていますが、過剰に産生されると正常な細胞にまでダメージを与えてしまい(酸化ストレス)、肌荒れにもつながります。「活性酸素は老化の原因」とよくいわれるのはこのためです。

ビタミンC・ビタミンEの大量消費

タバコの影響で過剰な活性酸素が産生されると、それらから体を守るために、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化物質が大量に消費されます。ビタミンCは皮膚のコラーゲンの合成に、ビタミンEは皮膚のバリア機能の安定化や血行促進に関わる栄養素です。これらが大量に消費されれば、当然ながら皮膚の機能は大きく低下し、肌荒れを招いてしまいます。

ホルモンバランスの乱れ

タバコの影響で血行が悪化すると、卵巣や子宮への血流が低下し、女性ホルモンの分泌量が減少します。また、タバコの成分には肝臓での女性ホルモンの代謝を促進させ、失活を早めてしまうものもあります。その結果、ホルモンバランスが乱れて肌荒れにつながるのです。 さらに、喫煙は交感神経を刺激して男性ホルモンを増加させるので、皮脂が分泌されやすくなって毛穴のつまりや肌のテカリを招きます。女性はそれに加え、やはりホルモンバランスの乱れにつながるので、男性以上に注意が必要です。

タバコによる肌荒れを防ぐための対策

タバコが肌荒れを招くとはいえ、それを防ぐためにタバコをやめてしまうのは、愛煙家にとってはなかなかつらいものです。では、タバコを吸いつつも肌荒れを最小限に抑えるにはどうすればいいのでしょうか?誰でもすぐに始められる基本的な対策を知っておきましょう。

ビタミンC・ビタミンEを摂取する

抗酸化物質であるビタミンCやビタミンEを十分に摂取すれば、活性酸素による肌のダメージを抑えられます。加えて、コラーゲンの合成や皮膚のバリア機能の安定化も期待できるので、これらの栄養を含む食品を積極的に摂取するといいでしょう。 ビタミンCを多く含む食品は、レモンなどの柑橘類やアセロラ、キウイフルーツ、トマト、ブロッコリー、パセリ、パプリカなどです。ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類やうなぎ、青魚、大豆などに豊富に含まれています。これらを毎日たくさん食べるのが難しい場合は、サプリメントで補ってください。

スキンケアをしっかりする

日々のスキンケアを徹底すれば、その分だけ肌のダメージを抑えることができます。紫外線対策や保湿をしっかりと行う、ボディソープや洗顔料は刺激の少ないものを使う、皮膚を刺激しないよう優しく体を洗う……といった基本的な対策ができているかどうかを確認しましょう。

電子タバコに切り替える

蒸発させたリキッド(液体)を吸引する電子タバコ(VAPE)は、紙巻きタバコと違ってタールを含みません。燃焼させないので一酸化炭素も発生しませんし、日本製の電子タバコならニコチンも含まないので、ここまで解説してきたような害はほぼないといえます。一部でも構わないので、紙巻きタバコからの切り替えを検討してみてもいいでしょう。 ただし、電子タバコの成分が体にどのような影響を与えるのかは、未知数の部分も多いのが現状です。紙巻きタバコの成分とは違う作用で肌荒れを引き起こす可能性もあるため、まったく無害とは言い切れない点に注意してください。

まとめ

タバコが肌荒れを引き起こすのは間違いなく、喫煙歴が長い人ほど「スモーカーズフェイス」が進行していきます。タバコを楽しむのであれば、肌トラブルに見舞われやすいことを自覚した上で、スキンケアやビタミンC・Eの摂取に力を入れることが大切です。もちろん周囲の人にも配慮し、副流煙で迷惑をかけないように心がけましょう。

あわせて読みたい