健康増進法の改正で何が変わった?喫煙者が気をつけるべきポイントを解説

2020年4月1日、改正健康増進法が全面施行されました。この改正は、喫煙に対する規制を大幅に強化するもので、喫煙者やお店、企業などへの影響は避けられません。

今後もタバコを楽しむためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。ここでは、健康増進法の改正によって変わったことや、それを受けて喫煙者が気をつけるべきポイントを解説します。

健康増進法って何?


健康増進法は、2003年(平成15年)5月1日に施行された法律です。「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ること」を目的としています(総則より)。

要するに、国民が健康的に生活できるよう、いろいろなルールを定めた法律だと考えていいでしょう。

そして健康増進法は、日本で初めて受動喫煙の防止を規定した法律でもあります。とはいえ以前は、関連する条文が第25条しかなく、「第5章特定給食施設等」の第2節に位置づけられているに過ぎませんでした。内容にも強制力がなく、あくまでも努力義務だったのです。

ところが2020年の改正では、受動喫煙防止に関する内容が第6章として独立。ボリュームも大幅にアップし、第25条から第42条までが関連する条文になったのです。国が受動喫煙防止に力を入れていることがよくわかります。

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なぜ健康増進法が改正されたの?


健康増進法はこれまで何度か改正されていますが、受動喫煙防止に関する大幅な改正は今回が初めてです。なぜこのタイミングで、このような改正をする必要があったのでしょうか。主な理由は以下の3つです。

望まない受動喫煙対策

日本では以前から、望まない受動喫煙が問題になっていました。タバコの健康への影響は無視できず、特に未成年者や病気を持つ方々には配慮しなければなりません

基本的な対策としての分煙・禁煙は、以前はあくまでも「マナー」でしたが、強制力のある「ルール」にするべきだという声が年々強まっています。その結果が今回の改正です。

出典:厚生労働省「受動喫煙対策」

WHOの評価

WHO(世界保健機関)は、各国の受動喫煙対策を一定の基準に基づいて4段階で評価しています。健康増進法改正前の日本は、4段階のうち最低ランクでした。

今回の改正案はこの評価基準を考慮しており、改正によって日本は1ランク上昇しています。他国に比べればまだまだ低いとはいえ、大きな一歩です。

東京オリンピック・パラリンピック

1年延期の末に開催された2020年東京オリンピック・パラリンピックも、健康増進法改正の一因です。国際オリンピック委員会(IOC)は、WHOと共同で「タバコのない五輪」を提唱しています。

加えて、最近の開催国は全面禁煙を目指している国が多いことも、日本としては無視できませんでした。そのため、東京五輪の開催が決定してから、受動喫煙防止の議論が加速したのです。

健康増進法の改正で何が変わったの?


それでは実際のところ、健康増進法の改正によって一体何が変わったのでしょうか?細かな影響は数多くあるのですが、ここでは一般的な喫煙者の方にも関係あるものを中心に、改正で変わったことを見ていきましょう。

多くの施設で屋内が原則禁煙に

最も重要な変更点は、多くの人が利用する施設や旅客運送事業船舶・鉄道、飲食店など、さまざまな施設で屋内が原則禁煙になったことです

さらに、学校、病院、児童施設、行政機関、旅客運送事業自動車・航空機などでは、屋外も含めた敷地内全体が禁煙となりました。

ただし、経営規模の小さな飲食店への経過措置として、「2020年4月1日時点で現存する」「資本金5,000万円以下」「客席面積100㎡以下」の3条件を満たす飲食店は、施設の全部または一部を喫煙可能にできます。

実質的には、55%程度の飲食店は規制の対象外になるとされています。

喫煙室は設置可能

屋内禁煙の施設であっても、条件を満たせば一部に喫煙室を設置できます。また、学校や病院は屋内に喫煙室を設けることはできませんが、必要な措置を取れば屋外になら設置可能です。

大型の商業施設などではもともと分煙が進んでいたため、これまでと特に変わらないケースも多いと思われます。

喫煙室の標識掲示義務化

喫煙室を設置する場合は、指定された標識の掲示が義務付けられました。紛らわしい標識の掲示や標識の汚損は禁止されています。

タバコを吸える場所が見つけやすくなったということですから、喫煙者にとっては朗報といえるでしょう。

20歳未満の喫煙エリア立入禁止

20歳未満の方は、たとえ喫煙が目的でなかったとしても、喫煙可能なエリアへは一切立入禁止になりました。施設の従業員であったとしても入れないため、20歳未満の方や施設の責任者の方はご注意ください。

設備の技術的基準の明確化

喫煙専用室などにおける、空気の流入速度や排気に関する基準が明確化されました。基準を満たしているかどうか確かめるには、専用の機器を用いた測定が必要です。

適当に壁で囲っただけでは「喫煙室」にはなりません。分煙がこれまで以上に徹底されたといえます。

従業員の受動喫煙対策

各施設の管理者は、従業員の受動喫煙を防止するための措置を講じる必要があります。これはあくまでも努力義務ですが、従業員に快適な労働環境を提供するためにも、やはり分煙は徹底するべきでしょう。

財政・税制支援

事業者が喫煙室の設置などの受動喫煙対策を行う場合、財政支援や税額控除を受けられるようになりました。これを利用すれば、皆さんの職場にも喫煙室を設置できるかもしれません。ぜひ検討してみてください。

罰則などの適用

上記の義務に違反すると、罰則として過料(制裁金)が課される可能性があります。たとえば、喫煙禁止の場所で喫煙をした場合の過料は30万円以下です。実際にはその前に指導や命令が入りますから、必ずルールを守るとともに、注意された場合は素直に従いましょう。

喫煙者は今後どうすべき?


ここまで見てきたように、健康増進法の改正によって、喫煙者を取り巻く環境はますます厳しくなりました。このような状況で、喫煙者は今後どうすべきなのでしょうか?周囲に配慮しつつタバコを楽しむためのポイントを確認しておきましょう。

「マナーからルールへ」を理解する

最も重要なのは、厚生労働省の掲げる標語でもある「マナーからルールへ」を理解することです。もはや「できるだけ配慮すればOK」ではなく、「守らないとアウト」の時代になったことを受け入れなければなりません。タバコを愛する者として意識改革に努めましょう。

喫煙可能な場所を調べる

改正前に比べて喫煙可能な場所が減ってしまったため、外出中に「ちょっと一服」と思った時、タバコを吸うための場所が見つからないというケースが増えています。

「喫煙所難民」にならないためにも、街中の喫煙所や喫煙可能なお店などの情報は、積極的に調べておくのがおすすめです。身近にいつの間にかできていることもあるでしょう。

加熱式タバコに切り替える

改正健康増進法で設置が認められている喫煙室には、アイコス(IQOS)などの加熱式タバコのみ吸っていいという特殊な喫煙室もあります。紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替えれば、喫煙可能な場所を探しやすくなるでしょう。

ただ、この喫煙室の設置は経過措置なので、いずれは廃止されるかもしれない点にご注意ください。もっともこれは、あらゆる喫煙室にいえることですが……。

まとめ

健康増進法の改正は、喫煙者にとっては確かに頭の痛い問題です。しかし見方を変えれば、これまで曖昧になっていた分煙問題が一歩前に進んだ証明でもあります。

タバコを吸える場所と吸えない場所が明確になれば、喫煙を巡ってトラブルになることも少なくなるはずです。非喫煙者との共存のためにも、今まで以上にしっかりと棲み分けましょう。

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