今月の「魔女シャグ」は?
一般的な紙巻きたばこよりコスパがいいだけでなく、シャグ・巻紙・フィルター、さらにスパイス・ハーブ・オイルなどをプラスして自分だけのオリジナルブレンドを作れる「手巻きタバコ=シャグ」。その奥深い魅力を「おまじない」と「調合」のエキスパートである魔女さんのブレンドで探究する「シャグ・カクテル」連載です。
案内役は”現代魔女”の弥富マハさん。
現代魔女術実践家
生きものから食べものへ 育み刈り取り繋ぐ者として「食」を通して母なる大地との循環を伝える者。
大阪道頓堀の川沿いにある隠れ家Restaurant&BAR 魔女の厨房CAULDRONのオーナー兼シェフ
辺境国を旅する事と異国の飯と煙草が好きな人。
中世、「魔女狩り」によって絶えたかに思われた「魔女=WITCH」の力強い精神を現代に受け継ぐ人々。その活動は占いや儀式といったスピリチュアルな営みだけでなく、エコロジーなどの社会的発信、チャリティ活動、ファッション・料理まで多岐にわたる。なお、「WITCH」に性別は関係ない。
9月、秋雨と台風の季節。 様々な実りに感謝する、食欲の秋でもあります。
あわただしかった夏のおわり、やっと一息つけるという人も多いのでは。
「儀式」+「手巻きタバコのオリジナルブレンド」で一服しましょう。
では、今月も魔女が調合した秘密のシャグ・カクテルをどうぞ。
実りの秋の儀式
今年の夏も暑いなー….とか思ってたら、もう晩夏も過ぎてるじゃない⁉️
梅雨らしい梅雨もなく、毎日のクソ暑い陽射しにも負けず、有り難い事に連日ご予約で埋まる「魔女の厨房コルドロン」のキッチンに立ちつづけた夏。
仕事が終わって自分で巻いたシャグに火を灯せば、フィルターに挿して炙ったメンソールの結晶の量をしくじり気管が凍てつく夏(笑)。…そんな季節ももう終わり。秋の足音が近づいてくる昨今、みなさんはいかがお過ごしですか?
さて、9月の「魔女シャグ」も、儀式とシャグブレンドのご紹介を。
今回の儀式は..
「Mabon」(=マボン・メイボン祭)
Mabonとは年に8回ある季節のお祭りの1つ。「秋分」の祝祭です。
昼と夜の長さが再び等しくなる時を迎え、日に日に短くなる太陽の光をおしみ、感謝する日。夏の太陽の強い陽射しの下、すくすくと育った恵みは作物だけではなく、野山の木の実や動物にも豊かな恩恵を授けてくれます。
これからどんどん夜が長くなり、少しずつ過ごしやすくなりますね。
晩夏は雷雨になる事が多いのですが、東南アジアを含め日本もお米の国、稲と雷にまつわるお話しがあります。
みなさん、雷はお好きですか。空から放たれた閃光は『稲光』。雷って綺麗なんですよね。
雷が嫌いな人も少なくないですが(都市部に住むと落雷で停電すると詰む)「稲妻」とも呼ばれるこの自然現象は、私達が毎日食べているお米になる『稲』に深い関わりを持つと昔の人は考えていました。
雷は『稲妻』とも呼ばれますが、この雷が鳴り『稲妻』が落ちる事で稲に実が入る事から雷を『稲の妻』・『稲妻』と呼ぶと私は幼少期に近所の農家の老人から聞かされていたんですよね。
私はいまでも雷が鳴ると今でもテラスに出ては雷雨の空をじっと見上げてしまいます笑。淡い紫がかった白く輝く雷光が真っ暗な空を引き裂き雷鳴が轟く。そして私たちに日々の糧をもたらしてくれるのです。近畿某所の稲田を晩夏に見る機会がありましたが、一面に稲穂が垂れていました。
この実りの季節。Mabonから年の最後に向かって数ヶ月は、魔女にとっては特別な「ハーブの収穫期」。
月の満ち欠けを元に刈り取ったハーブは、本来の効能にとどまらない魔女術的な側面での役割があります。
刈り取ったハーブを儀式やお守り、チンキやオイル、ハーブティーなどに生かしていく。月の満ち欠けと私達魔女がライフサイクルとして年8回ある季節の移り変わりと収穫を祝う祭典のサバトや、満月の日の「エスバト」と呼ばれる小さな儀式の日に、魔女の暦の元に刈り取られたハーブは特別な力を持ちます。
月と林檎
人間も動植物も、みんな太陽と月の子供。
天体のリズムは私達人間だけでなく、植物や動物、潮の満ち引きにさえも影響を与えます。
古代より種蒔や収穫期の指針としても利用される「月」。葉を収穫するには満ちた月の時に、根を収穫するには月が欠けた時に。
そうして収穫されたハーブは、魔女たちにとって太陽や月の力が付与されたものとして特別な力を持つと考えられています。
スワッグと呼ばれる小さな束を作ったり、リースを作って飾る事もありますが、私は干したハーブを喫煙用にも使ったりします。
さて私達魔女のサバト、秋の収穫祭は9月は21~22日のMabonにあります。
この収穫祭は収穫の労働の後の休息の時間でもあります。
人生の道に関して言えば、 それはあなたが「蒔いたものを刈り取る瞬間」であり、不要になったものを片付けて手放す時が来た事を知らせること。
このMabonの儀式のシンボルは「コルヌコピア」。
豊穣の角は伝統的なシンボルです。祭壇には角の形のパンを供えます。
(今年はMabonはまだ行っていないので、祭壇の写真はありません、ごめんなさい🙇)
この日の祭壇の主役の果実は林檎。
支配惑星は金星。
林檎は旧石器時代というかなり昔から食べられていたといわれ、古代エジプトでは貴重な食べ物だった林檎。
ラムセス3世はナイル川の神、ハピ神に林檎を入れた籠を848個も捧げ、古代スカンジナビアの人々は「イズン」と呼ばれる女神を林檎の守り神としていたくらい。
林檎を手に持つ「イズン」(出典:Wikipedia)
食べると女神と男神に永遠の若さを与えたとされ、林檎は神聖な神々と切っても切れない関係なのです。
また、「アーサー王物語」の舞台として知られるイギリスのどこかにあるとされる伝説の聖なる島『アヴァロン』。致命傷を負ったアーサー王が癒しを求めて渡りその生涯の最後を迎えたとされるこの島は、美しい林檎で名高い楽園であったとされ、名もケルト語で林檎を意味する『ABAL』に由来すると考えられているそうですよ。
そんな林檎を横に切ると現れる五芒星を皆さんは知っていますか?
そして、これが私たち魔女が使うペンタクル。
五芒星の周りの円は生命と自然の永遠の輪/サイクル、そして全体性を表しています。
五芒星は地の要素に対応し、私達魔女は特に五芒星を魔除けとして使います。
じつは私の体にも五芒星のタトゥーがあるんですよ笑
身に付ける以外にも窓やドアから家への入り口を守るために使用したり、人と家の両方を悪いものから守ると信じられている林檎。
Mabonの祭壇を飾るささやかな果物と角の形に焼いたパン、そして収穫祭の主役の果物の林檎を使ったケーキに赤葡萄のワインの祭壇をつくり、
そしてMabonの為にブレンドした特製のシャグを巻いていきましょう。
魔女シャグ調合スタート
もちろんシャグも林檎のフレーバーをベースにしたものを使います。私的にお気に入りのこちら!
今回はブレンドにハーブとスパイスを加えて一味違ったものに仕上げますよ!
隠し味はこれ!
「コルドロン」で提供しているこちらのオリジナルブレンドハーブティー!
ほんのりとした甘さを感じるこのハーブティーはお店でも1番人気。実は出涸らしをシャグに活用できちゃうんです。
心にも身体にも優しいリラックス効果のあるハーブを使用したこちらの出涸らしを使って、CHOICEのダブルアップルのシャグにハーブの喫味を加えます。
シャグに混ぜる為に出涸らしをグラインダーで挽いて細かくしておきましょう。
使用されているのはハーブは…
●スカルキャップ
●パッションフラワー
●リコリス
●クワンソウ
こちらの5種類。
乾燥しているので蜂蜜と水を混ぜたもので加湿🍯。
蜂蜜は以前カンボジアに行った際に購入して以来お気に入りのジャングルハニー。
ハニーハンターと呼ばれる現地の人が採取した蜂蜜は濃い色で、味も複雑な深い風味を持っています。
スプーン1杯の蜂蜜を寝る前に口に含んで唾液でゆっくり溶かしながら飲み込むと喉の粘膜の保護とケアが出来て◎ですよ。
このシャグと蜂蜜とハーブを混ぜ合わせ、ちょっぴりアクセントになるスパイスにピリっとジンジャーをほんのりと。
これはレギュラーで巻いてしっかりと味わいたい…
巻き紙はZIG-ZAGのリコリスで、フィルターはPURE200 REGULARに。
巻き上がったシャグ・カクテル「Mabon」がこちら!
CHOICEのダブルアップルの林檎の香りは控えめに、アクセントのスパイス、蜂蜜は香ばしさもありながら甘くならず、ハーブがほどよい辛さと渋みを漂わせ、大人な奥深い味わいに仕上がりました。
特別な日の煙をくゆらせる、秋の夜長にピッタリの味わい深い手巻きタバコを是非。
【スモーキー】 ☆☆★★
【スパイシー】 ☆☆☆★
【甘さ】☆★★★
【レシピ】
シャグ=CHOICE ダブルアップル
スパイス=ジンジャー
ハーブ=
・マグウォート
・スカルキャップ
・パッションフラワー
・リコリス
・クワンソウ
ペーパー=ZIG-ZAG リコリス
フィルター=PURE200 REGULAR
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