たいへんよくもえました【8月前半のSNS炎上ニュース】

8月前半はややこしめの炎上模様

みなさんこんにちは。炎上ウォッチャーのせこむです。

前々から繰り返しているように、「世相が大変だと炎上も起こりづらい」が持論のワタクシです。そういう意味では、先月くらいからまたあちこちで火の手を観測できている昨今は多少は「平和」なのでしょうか。いや猛暑とか政治と宗教をめぐるあれこれだとかコロナの第七波とか、全然気が休まらないのはわかってますけどね。

さっそく近辺の炎上案件をご紹介しましょう。今回は“ややこしめ”の炎上が多いのが特徴でしょうか。いつものように★は独断と偏見の炎上度合い、★5つが満点です。

① 大物ツイフェミのシュナムル氏、プロフィール等が虚偽だったのでは疑惑でアカウント削除へ ★★★★
参考▶Togetter
② 外国人参政権をめぐり吉祥寺の米屋がTwitter発言で炎上、抗議行動に賛否
★★★★
参考▶News cafe
③ 『水曜日のダウンタウン』の放送内容に吃音協会が抗議、しかし出演芸人本人からの言及に逆に批判される事態に
★★★
参考▶スポーツニッポン
④ 大阪王将でナメクジやゴキブリが発生しているという元従業員の告発で大騒ぎ
★★★
参考▶ねとらぼ

今回の「たいへんよくもえました」

今回ピックアップするのは①虚偽のプロフィールです。知らない人、というかSNS上での騒動について興味がない人からすると「何なのそれ」という言葉や登場人物が非常に多いので、周辺解説多めで行きます。

SNS、主にツイッター上ではこれまでフェミニストを自認する人たちと、主に二次元の表現文化を愛する「オタク」の人たちの揉め事というのが多々起こってきました。「表現の自由」を叫ぶオタクたちに対し、「子どもたちへの影響を考えてほしい」「女性への性的搾取だ」と主張するフェミニストたち。特にTwitter上で過激な発言をする人たちは、アカデミズムでそれらを研究する人たちとはまた別に「ツイフェミ」と呼ばれることに。一方表現の自由を盾に無茶な論旨を展開するオタクたちは「表現の自由戦士」と呼ばれ、この「ツイフェミVS表現の自由戦士」は炎上観測界隈としては中東情勢並みの火薬庫だったりします。そんな界隈があるのかは知りませんが。

これまで、この連載でも度々取り上げましたね。

「月曜日のたわわ」騒動や
参考▶たいへんよくもえました【22年5月前半】版少しだけの言及ですが「温泉むすめ」騒動なんかもこのたぐいです。
参考▶たいへんよくもえました【21年12月前半】版

この話の主役は、「ツイフェミ」としてある意味有名人だった「シュナムル」氏です。
簡単に経緯をまとめます。

シュナムル氏はフェミニストの立場としてたびたびネット上で発言。
・京大出身
・イギリス人の妻とかわいい娘がいる
というプロフィールで、家族に関する投稿も度々行っていた。フォロワー数は約3万人。

フォロワー数の多さやその発言力の強さもあり、たびたびその発言が議論を巻き起こしてきたシュナムル氏。だんだんとその発言や経歴等に疑問を持つ人達が現れる。ちらほらと「検証」がされていくものの、決定的な証拠がないためシュナムル氏は(時折取り繕うような行動は見せるものの)通常営業。
読者もまだまだ半信半疑で読んでいた人が多かった模様。


検証者の1人である「暇な空白」氏の元に7月28日、シュナムル氏がアップした画像のオリジナル画像を上げているSNS、つまりシュナムル氏の「家族」らしき人のアカウントを発見したというタレコミが入る。そのSNSを確認したところ、内容からシュナムル氏が投稿していた画像は虚偽であることが判明。

暇な空白氏が確認のためそのアカウントにアポイントを取ったところ、シュナムル氏のアカウントが削除される。その後、シュナムル氏には妻はおらず、同居している弟家族のプロフィールを自分のものとして詐称していたのではという疑惑が生じるも、真偽は不明なまま。

いろいろと詳細は割愛していますが、興味を持った方は最初に貼ったまとめと、この「暇な空白チャンネル」をご覧いただければ経緯はわかるかと思います。事実は小説よりも奇なりとはいいますが、ちょっとした推理小説なみの展開。

参考▶暇な空白チャンネル(Youtube)

かつ、これは本当かどうかはわかりませんが、もしもこのシュナムル氏が想定していたような立場に置かれた人だった場合、いろいろと考えてしまう人が多いのではないでしょうか。実際シュナムル氏のアカウント削除後、彼のたどってきた人生と自分のことを重ね合わせて呟く人たちが多数見られたのも印象的でした。

普通に考えれば「ネット上の有名人が経歴詐称していて、バレてアカウントを消した」だけの話なのですが、なぜこんなにも話題になるのでしょうか?
ちなみにこれまでも、Twitter上の有名アカウントが実は架空のものであった案件は多数存在しています。近年記憶に残るのはこの「闇おむつ」氏の件。プライベート等も記述し、非常に生々しい「生活感」を出したアカウントが架空のものだったと独白され突然削除されたときは、そのつぶやきを愛好していたフォロワーを中心に大騒ぎとなったものでした。

高知のやさぐれお姉さん保育士アカウント「闇おむつ」さんがツイートは全部創作と明かし消えた件
参考▶Togetter

しかしこういうのは、別に金銭を要求するような詐欺を働いていたわけでもなく、「嘘を嘘として見抜く」ネット上での振る舞い方をわかっていれば別に「そうだったのか!」で済む話。ではシュナムル氏がどうしてここまで追い込まれ話題となるのか、それはシュナムル氏が、これまで多数起こったネット上での「炎上」に関わっていたからです。

まず彼が一躍有名になったのは、書店に並んだライトノベルの表紙に関するこのつぶやきでした。

「きょう書店で娘が心底嫌そうな顔で「お父さん、これ気持ち悪い…」と指さした光景。自分の属する性別の体が性的に異様に誇張されて描かれ、ひたすら性的消費の道具として扱われる気持ち悪さは想像できるし、それを子供の眼前に公然と並べる抑圧はほとんど暴力だよなと改めて思う。」
2018年9月8日の@chounamoulの呟きより

アカウントは削除されているため、参考▶こちらのリンク先で画像は確認を。

このツイートは、ネット上で非常に話題となり、議論を巻き起こしました。それまでもいわゆる児童向けの書籍の表紙が「ラノベ化」しているという話はたびたび起こってきていましたが、このつぶやきは「実在の子供から気持ち悪いという感想が出ている=いくらネット上で表現の自由を叫んだところで、実際に子供に“被害”が及んでいるではないか」という風に捉えられたのです。「公共の場」で「萌え絵」を掲示することに関してゾーニングを解決法とする人たちに、このツイートはある意味「お墨付き」を与えることになってしまいます。書店での成人向け書籍の販売に関して色々と規制が厳しくなって居たという事情もこの議論に拍車をかけました。

以降、シュナムル氏はさまざまな「表現規制問題」に関わる炎上案件で発言を繰り返してきました。宇崎ちゃん騒動、温泉むすめ騒動……その殆どが「ツイフェミ」的な立場での発言です。フォロワー数と比例する発言力の強さに加え、「実際に娘がいる父親としての立場」が彼の発言力に説得力を与えたことは紛れもない事実だと思われます。

つまり、彼のツイフェミとしての武器は、彼自身の発言だけでなく、彼の「プロフィール」だったのです。それがすべて虚偽であり、しかも無断で他人の物をアップロードしていた疑惑がある(しかも「娘」に至っては盗撮の可能性が大)。それは燃えますよね。

教訓:その人は「本当に味方か」?

ネット上での議論や炎上騒動を観測したり、加わるのが好きな人も多いかと思います(お前が言うなという話ですが)。しかしここで気をつけなければいけないのは、その発言の根拠だったり、自分の「持論」を補強してくれている人がはたして「実在しているのか」、もしくは「本当に味方かどうか」をきちんと見極めないといけないということです。皆さん、「TwitterをはじめとしたSNSアカウント」を、イコール「個人の人格」だと勘違いしていませんか? リアル知人ならともかく、あなたが普段やり取りしているそのアカウントが「本当にそう思っているか」なんて誰も証明してくれないのに?

というわけで、そういうところを改めて肝に銘じておかないと足元を掬われるよなあ……と炎上にいっちょかみしたくなる人間としても自戒した次第です。
あと、他人の写真を使ったなりすましはダメ、ゼッタイ。

文・せこむ

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