〒″〒″の映画沼~『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』”すみっこ” と ”まんなか”の深い沼~

皆さんにとって子供向けアニメといえば?

勇気をくれるアンパンマン?

安定のドラえもん?

私は特に『クレヨンしんちゃん』が大好きでした!出てくる登場人物全員が個性爆発してて、ストーリーも分かりやすくて、下ネタもなんかスカッとするし。
あ、あとカートゥーンアニメも! だいたいどの登場人物もみんな早口でまくしたてるような喋り方なのが好き(笑)!
「ムーミン」の毒のある世界観も良いよね……そうそう、前回の「映画沼」ではムーミン原作者のトーベ・ヤンソンの伝記映画「TOVE」をレビューしてますのでこちらもどうぞ~!

って、なんの話だっけ😳

こんにちは👵🏾💖🌈🙏🏾✨〒″〒″です❣️❣️

〒”〒”(デデ)
ギャルイラストレーター/YouTuber。8月12日生まれ。
イラストレーター・漫画家としての活動と並行し、ギャルスタイルとサイバーファッションを融合させた”サイバーギャル”としても活動している。YouTubeではメイクチュートリアル他、自身で施すロングギャルネイルが人気。元体重約70kgの隠キャ喪女。世間のギャルに対する「汚い」や「マナーが悪そう」などのマイナスイメージを払拭することが目標。ギャル界のHIKAKINを目指している。※文字に書く場合は、ギャル文字の『〒″〒″』表記が正しい。

今回の「映画沼」ではガチのキッズアニメをご紹介してみます。
それも、パンチのあるキャラクターが並ぶ子供向けタイトルのなかで、決して目立たず、主張せず、“すみっこ”にひっそりと佇んでいるのが人気の秘密……そんな異色の作品です。

「デデの映画沼」第三回は『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』🦕🌕🌈✨💖

(C)2021 日本すみっコぐらし協会映画部

みなさんも知ってますよね、「すみっコぐらし」。タイトルがはじまったのは2012年で、来年で10周年!けっこう歴史があります。

私ももちろん知ってましたが、グッズとかは買っていなかったんです。キャラデザがいわゆる「ゆるかわいい」系で、カートゥーン系が好きな私にはちょっとね……と、斜めに構えていたところがあったんですよね。

すみっコ? 表に出てきなっ👊🏾💥

って感じで✋🏾👵🏾💖

それがなんで今回観ることになったのか?
11月公開映画を見ていて、概要でぶったまげたのですよ。
か、監督が大森貴弘さん!? 脚本は吉田玲子さん……だと?!??

大森監督は、あの『夏目友人帳』『デュラララ!!』を、吉田さんは『聲の形』や、『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の脚本を担当されてる方。アニメにそこまで詳しくない私でも、聞いたことのある作品ばかりです。

なにこれ、こだわり強そう…気になる…!!
この人達が関わった子供向けアニメ映画って、一体どうなるの?🤔

ってことで、やってきてしまいました、新宿ピカデリーへ。

おお、もう入口から「すみっコ」バージョンに!!
さすが超人気タイトル…..圧倒されつつ、ちびっコたちに混ざって鑑賞しました❣️❣️


「すみっこ」は穏やかな世界

ファンの方には言うまでもないと思いますが、私みたいな「すみっコ」ビギナーの方のために、ちょっと「すみっコぐらし」の世界観について私なりに説明しますね。

出典:サンエックス(公式youtubeチャンネル)

主人公は「すみっこ」を好む、ちょっと内気でネガティブなキャラクターたちです。
寒がりで人見知りな「しろくま」、恐竜であることを隠している「とかげ」、脂身ばっかりだから食べ残されてしまった「とんかつ」のはしっこの部分、タピオカミルクティーの底に残った「たぴおか」などなど、それぞれハンデを抱えたキャラたち(ほかにもいっぱいいる)が、部屋でもお店でも、いろんな「すみっこ」の場所に身を寄せ合っています。

あらためて、すごい設定ですよね…でも。

そこは「まんなか」ではないけれど、違いを持ったキャラが、お互いを邪魔しあうことのないおだやかな世界なんです。

さて、今回の映画は2作目。
テーマはキャッチフレーズにもあるとおり、「夢ってなぁに?」ということ。

出典:アスミック・エース(公式youtubeチャンネル)

あらすじ
舞台は、すみっコたちが暮らす町。
とある秋の日、すみっコたちはキャンプに出かけます。
空を見上げると、いつもより大きく青く輝く月が。
「5年に1度の青い大満月の夜。魔法使いたちが町へやってきて、夢を叶えてくれる」
そんな伝説のとおり、すみっコたちの町に魔法使いの5人きょうだいが舞い下りてきました!
次々と魔法がかけられ、まるで町中がパーティー会場のように賑やかに。
やがて楽しい夜に終わりが近づき、月へ帰っていく魔法使いたち。そこにはなぜか…たぴおかの姿が!?
魔法使いのすえっコ、“ふぁいぶ”と間違えて連れていかれてしまって…?

観終わって、発見がたくさんありました。
では、ゆるキャラ苦手な〒″〒″が見た「すみッコぐらし」の魅力をみっつにわけて紹介していきますよ~~~!!!


⚠️以下、ちょっとしたネタバレあり⚠️


①キャラの可愛さを伝えるアニメ演出🎬

まず初めに、問題のキャラデザなのですが……
応援上映だったら間違いなく発狂してたぐらいかわいかった…‼️‼️‼️😭😭😭🙏🏾💖🌈
着ぐるみパジャマがあったらフツーに欲しい😭💖💖

自分でも驚くほどの手のひら返しっぷりです。

というのも、この映画、アニメーションがなかなかすごいんですよ。動いてる姿が、あんなにキャラをかわいく見せるとは。
「すみっコ」たちはもともと全キャラがおっとりしていて、超絶アクションするタイプではありません。しかも、彼らはほぼ無表情。だから映画のなかでもゆーっくり動くんですが、だからこそ3DCGでつくられたキャラの丸っこさとか柔らかさが伝わります。
それから、すみっコたちはしゃべりません。イノッチさんと本上まなみさんがとても落ち着いたナレーションで話を進めていくスタイル(耳が心地いい)。
そんななかで、たまーにキャラクターのセリフが頭上からポワンって文字で出たりするんですけど、その表現もまたかわいくて😍💓💓
このちょっとした工夫が、私にはかなりの革命に思えました✨✨
サイレント映画なんかは、登場人物の感情を読み取る力を見る側に求められるから、私みたいなアホには向いていなくて…完全なサイレント映画だったらエクステむしってたかもしれません✋🏾👵🏾💦💦

控えめだけど、動き・声・音。「すみっコぐらし」の世界観を守りながら、ストレスのない映画にしていくために細部にこだわっているのがわかりました。


②「無個性」に憧れる「個性的」なキャラクター

二番目はこの映画のテーマ「夢」について。
すみっコ達にはそれぞれ夢がありまして…🤔💭

「しろくま」は寒いのが苦手で、いつか暖かい島で暮らすのが夢。
「ぺんぎん?」は自分が本当にぺんぎんなのか自信がないから、いつか本当の自分を見つけるのが夢。
「とんかつ」はいつか誰かに食べてもらうのが夢。
「ねこ」は体型を気にしていて、スマートになるのが夢。
「とかげ」は本当は恐竜の生き残りだけど、周りには秘密。おかあさんと一緒に暮らすのが夢。

どれも素敵で、切実な夢だけど、決して大それた願いではありません。
言ってしまえば「普通」になりたいっていう憧れですよね。

一般的な子供向けアニメキャラクターは、個性をフル活用して世界観をつくっていくものじゃないでしょうか?
カートゥーンアニメだったら、
「とかげ」が「ハハ!恐竜ジョークだよ!!おっと🤭💦」とバカでかい声で口を滑らせ、
「とんかつ」も「はじっこに生まれたおかげでバカな人間どもに食べられないで済んだよ!イヒヒ」ぐらい言ってると思います。
でも、すみっコたちは、違うんです。
みんなそれぞれ“他とは違う”個性を与えられていて、キャラクターとして確立しているのに、それを主張しようとしません。
「無個性」になりたい「個性的」な主人公たち。
みんな違うけど、性格は似たもの同士。ひっそりとしたすみっこが一番落ち着く、声を上げない少数派の集まり(すみっコたちにSNSをやらせたら真っ先に鍵垢にしそう…)。こんなにシャイで日本人的で、ネガティブともとれる作品が今まであったでしょうか。
そんな彼らにとって「夢」ってなんなの? (そして、「普通」ってなに?)
ストーリーはけっこう複雑で深い、「沼」なテーマを扱っていきます。


③夢を失った『どまんなかぐらし』の違和感

みっつめは、私の中で特に印象に残っているシーン。
ある事をきっかけに、すみッコが「夢」を取り上げられちゃうんです。
夢がないと、みんな自分のコンプレックスそのまま、堂々と振る舞いはじめるんですね。
つまり『どまんなかぐらし』になっちゃうんです😳💦💦
このシーンがすごかった………

しろくまは真っ青になりながら暑いフリ、
ぺんぎんは今の自分に自信満々、
とんかつは自分は生ゴミだといじけ、
ねこはひたすらモッパン(爆食い)………

キャラクターの個性が分かりやすく混沌としてる感じ、すごく違和感。画面が超うるさいんだけど🤣🤣🤣
ここでやっと、すみっコたちはひそかな”夢”を持っているから「すみっコぐらし」が成り立っていたんだと気付かされます。
「すみっこ」ってなんだろう?一体どういうこと?
と疑問を抱かずにはいられませんでした。

正直、ムーミンから全ての毒を抜いた感じなんでしょ? 程度に思っていましたが(すみません🙇)、めちゃくちゃ考えさせられる作品でした…。


わたしたちの「すみっこ」

自由の国の方からしたら、
「何故隠したがる? 願望を叶えたいなら、まずはマイノリティであることを主張すべきだ!」
なんて意見をいただいてしまうかもなのですが、黙ってすみっこにいてもいいじゃないですか。少し特別に産まれてしまっただけなのに、無理矢理「まんなか」に立たせる事の方が不自然なのかもしれません。
すみっコたちは、「とかげ」のように自分の境遇を話せていない子もいますが、お互いにハンデを抱え、だからこそ分かち合い、同じ部屋のすみに集まります。「ここがおちつく」同士、ぴったりと。

特別な彼らにとって”すみっこ”は、普通でいさせてくれる居場所なのかな?と私は思いました。そんな場所が誰にでも見つかりますように。子どもにも、大人にも。

最後に、わたしの「すみっこ」の話。
私はyoutubeをはじめて、1年半になります。「ギャル界のHIKAKINを目指す!」とか言ってますけど、こんな時代にギャルをやるっていうのは、ぜんぜん「まんなか」じゃないし、覚悟がいるし、けっこう闘争的な気持ちがあるんですよね。(もともと私は隠キャだし)、ほとんどひとりでギャルメイクやネイルの動画をつくってきたのですが….最近、はじめてファンの方とお会いする機会があったんですよ
きっかけは、池袋で開催された「マゼルナキケン展」と、「原宿カワイイ展」というグループ展。

会場に行ってみると、私をたずねてきてくれた方は意外にも60人以上いて。
自分を応援してくれる人って、マジで存在してるんだ….! って思いました。

そのなかには、
ギャルとは無縁そうなOLさんみたいな方。
コンカフェで働いてそうな、今時の学生さん。
現役のギャル世代の方から当時の貴重なお話をきいて驚いたり。
最年少は人気のぬいぐるみ「ty(タイ)」の水色の目をしたパンダちゃんを持ってきた幼稚園ぐらいの子でした🐼❣️❣️
私のメイクを参考にしていただいて、妹か!ってくらい、めっちゃそっくりな人もいる。
ある女の方は、「不眠症だけど、〒”〒”の動画を流していると寝れる」って言ってくれて。そんな効果があるなんて😳😳😳‼️

狙ったところに届かなかったとしても、思わぬところで誰かに(ときには想像もつかない方法で)役に立っていたんだなー…と。
自分は「すみっこ」で、好き勝手にやりたいことを模索しながらここまでやってきた、と思ってました。でも、私の「すみっこ」は、ほかの誰かの場所になっていたのかもしれないって。

表に出てきなっ👊🏾💥 とか吠えたけど。すみっこ、まんなかと同じくらい大事だな。
みなさんも、ひとりひとりの居場所を想いながら観てほしいです。

映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ
原作:サンエックス
監督:大森貴弘 脚本:吉田玲子
ナレーション:井ノ原快彦 本上まなみ
2021年/日本/65分 公式サイト
文&イラスト:デデ
youtube / twitter:@cyber_gyaru / instagram:dededooo

あわせて読みたい

今週のプレゼント