春まっさかりですね。
無間地獄と思われた確定申告も期末処理も終わり、桜が舞う4月。入学、入社、新生活。芽吹く生命の息吹。海と大地が恵む旬の食べ物は、イチゴ。アスパラガス。毛ガニなど。
そんな季節にぴったりの記事をお届けしよう。
ケムール的、さわやかで新鮮な気分を味わえる商品を紹介だ!
はじまりの季節
ここで説明しよう。
実は、ケムールは株式会社ライテックのオウンドメディアである!
いかにもとがった連載ばかりしているが、れっきとした企業のオウンドメディアなのだ!
だから普段は「カオスなおもしろ読み物メディア」という顔をしているが…
当然っ!スポンサーのライテックが新商品を出したらめっちゃ力を入れて紹介するのだっ!
ということで、今回はドン!
EcoZero新フレーバー発売!!
EcoZeroとは何か?
ご存じないケムール読者もいることだろう。”EcoZero=エコゼロ”を。
※これがエコゼロだ(リニューアル前)
EcoZeroは、ライテックが発売しているニコチン0mgの加熱式茶葉スティックだ。
おなじみIQOSなどの加熱式タバコデバイスに差し込んで喫う「たばこスティック」の材料を、たばこ葉ではなく高品質な茶葉に替えたものだといえばわかりやすいだろうか。
お茶の葉を加熱することで香りを立ちのぼらせ、清涼感あふれる蒸気を吸い込む。さらにメンソールやフルーツの香りが展開されている商品なのだ。
たばこ葉を使用していないので、ニコチンはゼロ。もちろん受動喫煙もゼロだ。もともと愛煙家の方々のほかにも、禁煙・節煙のおともにする方、非喫煙者や家族の前ではEcoZeroに変えて配慮する人など、さまざまな層に人気がある。
EcoZeroを挿入できるのは、市販の加熱ブレード/ピンタイプの加熱式デバイス。いつもの紙巻きタバコも良いけれど、ちょっと新しい味わいを楽しんでみたい人にもオススメの商品である。
2022年3月までのEcoZeroラインナップ
そのEcoZeroがはじめて発売されたのは2020年9月。
約1年半が経ったこの春、フレーバーとパッケージを思いっきりリニューアルしたのだ!
2022年3月までのレギュラーフレーバー
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NEW!!
フレーバーは4種展開に。なかでも「トワイライトピーチ」は旧ラインナップにはなかった新しいフレーバーだ。
パッケージもこのとおり一新。
パッケージは、大事だ。
商品のイメージを伝えるだけでなく、目にする消費者の気分を変え、手に取ったあとの使い心地まで左右する。読者の皆さんも覚えているはずだ。名作パッケージデザインの長い長い闘いを!
グリコの「ビスコ」はメインキャラクターのビスコ坊やが5代目!(出典:Precious.jp(プレシャス))
戦前スタートの「カルピス」。その変わりようは凄まじい
愛煙家の記憶に残る「マイルドセブン」。そして「メビウス」へ…。
と、このように時代とともにパッケージは変わってきた。
商品のリニューアルはとても重要。そして変えるのは勇気がいることなんですよ。
そこで今回は、EcoZeroリニューアルを、パッケージデザインの視点を入れつつ掘ってみたい。
かなりガラッと変えているので気になるのだ。
さっそく新パッケージのデザイナーさんを直撃し、存分に話を聞いた!
デザイナー:柳澤駿(やなぎさわ・しゅん) 氏(左) 鳥山翔太(とりやま・しょうた) 氏
伝統工芸の技術や金型を用いた工業デザイン、パッケージデザインからブランディングまで幅広く手掛ける。TOKYO MIDTOWN AWARD、KOKUYO DESIGN AWARD等受賞多数。
「体験」をデザインする2人のデザイナー
CUMOはグラフィック・プロダクトの両方に定評があるデザイナー、鳥山さんと柳澤さん2人のユニットだ。
ちょっと手がけたデザインをみてみよう。
ブリスターパックが患部のカタチをしていて、見るだけで用途がわかる飲み薬。薬を外出用に1シートだけポーチに入れているとき、薬品名だけ読んでも何の薬だかわからない(日本語で書いてくれよ…)というのはよくあることだが、これなら迷わない。ありそうでなかったし、役に立つデザインだ。普通に欲しい。
他にはこんなものも。
職人のワザが詰まっており、かっこいいだけでなく、なんと競技で使用できる性能を持つスケボー。
このようにCUMOさんは伝統工芸の職人さんとコラボするなど、和の技術をモダンでひねりのきいたデザインに仕上げるのが上手い。
ちなみに編集部のイチオシ商品はこれ。
―― この船のカタチの器、かわいいですね。
CUMO 柳澤さん 富山県高岡市の金属の鋳造、着色の職人の方々と一緒に制作したお香立てです。中にお香を入れると、お香が燃えて短くなるにつれて4つの煙突から出るケムリが移っていくという仕掛けですね。
―― (ボーっとお香のケムリを眺めながら)上品ですなあ…どうして今回、EcoZeroのリニューアルに関わることになったんですか。
柳澤さん 私たちの以前の仕事を見ていただいたライテックさんのマーケティング担当者の方からお声がけいただいて、コンペに参加して選んでいただいたという流れですね。
―― タバコや喫煙商品のデザインははじめて?
CUMO 鳥山さん まったくはじめてです。イチから市場を調べていくことになりましたが、
EcoZeroとその競合商品をデザインの視点で見ていくと面白くて。ほとんどの「茶葉スティック」はシンプルなパッケージデザインで統一されていて、フレーバーの違いは「色」で表現するという方向性ばかりだったんですよ。
柳澤さん だから、色だけで区別すると、ほしい銘柄の商品と類似した競合商品を間違えて手に取ってしまう可能性がありました。
―― ああ、それ、特に茶葉スティックみたいな、新しいタイプの商品だとあるあるですね。
柳沢さん そこで、他社とは明確な違いを出すデザインを提案したんです。最初は、現行のデザインと、もうひとつ案をご提出しています。
鳥山さん メンソールやハードメンソールなど爽快感が強いフレーバーは派手に飛沫が飛び散るグラフィックを配して、その他の要素は極力シンプルにする事で、吸った際のリフレッシュ感を強調するパッケージ案です。
―― おお、現行のデザインと全然違う。「しゃっきり」と「まったり」って感じですね。採用されなかった「しゃっきり」案もかっこいい。
柳澤さん 現行のデザインと別案はイメージは真逆とも言えますが、2案で共通しているのは「使用感」を視覚化しているところです。実は、ほとんどの茶葉スティックは「ニコチンがゼロである」という成分の特色を前面に打ち出しているんですが、今回のEcoZeroだけは違うアプローチをとっています。
―― そういわれてみると、EcoZeroの商品名にも「ゼロ」って入ってますが、パッケージは「ニコチンゼロ」押しじゃないですね。
柳澤さん ライテックさんと打ち合わせしていくなかで、EcoZeroは「味」に強くこだわって作られているところが見えてきました。さらに、喫煙者へのインタビューで「ニコチンゼロ」という訴求ポイントはそれほど大きく購入意欲が刺激される要素ではない事もわかってきたんです。
そこで、EcoZeroがユーザーに与える「体験」をわかりやすく伝えられるパッケージはどうだろうと考えました。その結果、採用していただいたのが今回の新デザインです。
チルに攻めるデザイン
―― デザインって、そういう風に考えていくんだな…たしかに同じ種類の他社商品と並べると異色ですね。雰囲気はいかにもチルな感じだけど、ある意味では常識はずれな、「攻めたデザイン」だったのか。
柳澤さん そうですね。私たちは2人とも非喫煙者なんです。だからタバコのパッケージの常識のようなものを、いい意味で無視してデザインできたのかもしれません。
鳥山さん でも業界の前例が無いデザインコンセプトだから、もう全く引っかからないか、可能性を見出してもらえるかの0か100の賭けだったよね。
柳澤さん そうだね。
採用いただいてからのプロジェクト進行は、担当者さんと二人三脚のように、打ち合わせ頻度も密に行わせていただいたのも思い出です。強力な競合品がいるなかで売り場にどう置くかなど、パッケージデザインだけではなく販売戦略やフレーバーの名前も案を出させてもらえたので、ありふれたものにならずEcoZero独自のブランドイメージができあがったと思います。
―― フレーバーの名前も一緒に決めたんですか?
鳥山さん こちらでワードを作らせていただいて練っていきました。たとえば「フレグラントデューブルーベリー」は、最初「朝露ブルーベリー」で。
柳澤さん そうそう。「トワイライトピーチ」は「黄昏ピーチ」だったよね。
―― うーん、今の横文字のネーミングの方が良いな…。
柳澤さん・鳥山さん (笑)
※パッケージには「朝露」や「黄昏」の雰囲気が残っている
―― あっ、ブルーベリーが朝で、ピーチが夕暮れの時間帯なのはそういう経緯もあるんですね。
今回のリニューアルでもっとも印象に残るのは、やはりこのビジュアルです。
鳥山さん 4種のフレーバーはお茶と果物の香りですから、その材料が育つ風景を大きく描いています。フレーバーが与えてくれる体験を直感するためのカギになるので、かなりこだわりましたね。
柳澤さん 「レギュラー」はEcoZeroの味の根幹である上質な茶葉が生まれる茶畑をイメージしたイラストにしています。
「ピーチ」はイタリア湖水地方、スペインの各地、そして桃の名産地である山梨県笛吹市。「ブルーベリー」は フランスの高原や八ヶ岳の草原などの景色をミックスしました。
――「メンソール」は超ストレートに「北極」ですね(笑)。見れば見るほど、こんなに吸ったときの体感を表現しているパッケージもすごいですね。EcoZeroを吸うと一気にリゾート気分みたいな。
柳澤さん そうですね。コンセプトは「至福の一服リゾート」。
吸った瞬間、気持ちだけはどこかのリゾートへ旅に出かけていけるような、優雅なリフレッシュの時間を与えてくれる。気持ちのスイッチを切り替える楽しさと癒しを伝えるパッケージを目指しました。
―― 「至福の一服リゾート」かぁ。たしかに茶葉の香りってすごく落ち着くし、まさにそういう感じですね。スーパー銭湯の場面とかも欲しかったなぁ。癒しと言えば。
鳥山さん いやいや、フレーバーをイメージさせるパッケージですから(笑)。私もドライブしながらの温泉地巡りは大好きですけどね。
それぞれの至福の時間
テープを引き出すとオルゴールが回り、音楽を奏でる文具。道具を使う時間への愛情に溢れている
―― むっちゃストレスがかかってリフレッシュしたくなる時って、日常でてんこ盛りですからね。連載の締め切り前とか(編集部視点)、請求書処理とか、メール一斉送信の瞬間とか、そもそも定時出社がキツいとか…。CUMOさんにもあるでしょ。
鳥山さん デザイナーとしては、やはりアイデアが行き詰まった時ですね(笑)。温泉も好きですが、夜の散歩をしてみるのもオススメですよ。
柳澤さん 私はすごく目が疲れて耐えられない時…ずっとPC作業なので。リフレッシュしたいときは、時間を作ってとにかく田舎道をドライブするんですけど。目的地を決めずに、面白そうなスポットや海や湖などの景色がいいところを適当に見つけて寄る。キャンプで何も考えずに火を見るのも良いですね。時間がとれれば、ですが…。
―― おすすめのリゾートありますか?
柳澤さん 国内だと上高地や軽井沢や八ヶ岳、最高に癒されますね。海外なら、いつかフィンランドやデンマークなどの北欧に行ってみたい、あの美しい森に…。
鳥山さん 私はハワイなどの南国ビーチかなぁ…。国内なら上高地ですね。
―― (上高地、そんなに良いのか…!)おふたりとも自然大好きですね。今回のパッケージイラストにも好みがにじみ出ていそうな。
だんだん納期に追われるデザイナーの旅への渇望が垣間見えてきた
いちばん近くにあるリゾート
―― とはいえFIREしたわけでもないしワーケーションもできない大多数の紳士淑女にとっては、目が疲れたから大自然行っちゃお!とはいきませんからね。だからEcoZeroでひとときでも「至福の一服リゾート」を感じたい。パッケージの脇のほうでくつろいでいる男と一緒ですよ。
※無個性なのが逆にかわいらしい男性
鳥山さん ああ、茶谷薫(ちゃたに・かおる)ですね。
―― えっ名前あるの!?
柳澤さん EcoZeroのメインキャラクターです。
このパッケージではフレーバーをイメージさせるリゾートのイラストを一番目立たせたいのですが、そこにユーザーが感情移入できるように、この茶谷をつくりました。
鳥山さん EcoZeroを吸ったときのリフレッシュ感やリラックスした気分を投影できるよう、なるべくシンプルに特徴を描き込まずデザインしました。見た人が「このフレーバーを吸うとこんな感じになるのか」と直感的に分かるように脇役として描いていますが、大切なキャラクターなんですよ。
・EcoZeroは「至福の一服リゾート」を与えてくれる、上質茶葉を使った加熱式タバコ用スティック
・新フレーバーは「ファインレギュラー」「クールメンソール」「フレグラントデューブルーベリー」「トワイライトピーチ」の4種
・パッケージのイラストは世界中のリゾートをミックスしてEcoZeroのリフレッシュ体験を表現している
・デザイナーCUMOさんのオススメリゾートは上高地
・パッケージの絵の中でくつろいでいる男は「茶谷薫」