Mr.都市伝説 関暁夫 ”あなた次第”の時代の人生論&”タバコの都市伝説”!|直撃取材「#たばこのことば」

愛煙家の方々がけむりを通して見えたもの・考えたことを伺う直撃取材です。今回の愛煙家は、Mr.都市伝説・関暁夫氏です。

Mr.都市伝説・ケムールに降臨!

来たよーーー!
Mr.都市伝説・関暁夫 氏、登場です。
言わずと知れた、本当かウソかわからないまことしやかな言説=「都市伝説」ブームの中心人物である。
世界中の研究者・思想家・史跡に取材して集めた未来予想を披露するTV番組『ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説』の放映日には、まさに熱狂的な反響が巻き起こる。
Youtube登録者数は40万人を超え、2023年1月の武道館ライブのチケットは即完売。オンライン視聴者が殺到した。会員制コミュニティ「情熱クラブ」も運営する。
そして個人としては、いまはVAPEをたしなむ、もと超・愛煙家!ということでダメ元で突撃したところ、独占インタビューに成功してしまった。

なぜ、都市伝説を語りはじめたのか?
いま「都市伝説」を通してどう社会を見ているのか。
タバコに隠された都市伝説とは?
そして、未来の愛煙家はどうなる…??

名言「信じるか信じないかはあなた次第」は、”関暁夫”と”都市伝説”を一言で表す代名詞であるだけでなく、現代人が混乱した情報に囲まれながら「自己責任の時代」をサバイブするための重要なキーワードだ。

というわけで、関さんの「都市伝説」的視点の秘密を求めてーーついにケムールのカメラが「セキルバーグカフェ」まで来ちゃったって話!

Kemur PICK UP【Ⅰ】:タバコの名前に隠されたメッセージ

Mr.関 昔の『マルボロ』と『クール』のパッケージ、懐かしいね。この名前には面白い都市伝説があるんだよ。
銘柄の綴りを分解すると、メッセージが現れるわけ。
『Marlboro』は”Man Always Remember Love Because Of Romance Over”(=男は本当の愛を見つけるために、いつも恋をする)になる。
一方で『KOOL』は…”Kiss Only One Lady”(=キスは一人の女性とするもんだぜ)。”Keep Only One Love” (=一つの恋を貫き通す)でもある。
だから”浮気のマルボロ””一途のクール”なんだよね。
俺はセブンスターを喫って男の美学を積んだけど、女性を大事にしないといけない、と思ってKOOLに変えたことがあるよ(笑)。

愛煙家としての”関暁夫”

ーー関さんのタバコ歴は?

Mr.関 タバコはさあ、喫いすぎたんだよ。最初はセブンスターだったんだけど、1日2箱とか喫っちゃうの。そしたらもう…喉がバクハツして。仕方なく1ミリにした。
1ミリのタバコなんて…ってバカにしてたけど、充分美味いんだよな(笑)。それでもやっぱり喉がつらくなってきてさ。メンソールに切り替えてみたけどダメで、しゃべりにも影響が出てきたときに、IQOSが発売されたわけ。
IQOSも、最初は「イモみたいな匂い」とか言われて嫌われてたじゃん? でも使ってみると慣れてくるもの。そうすると、紙巻タバコのほうが気になってくるんだよ。
タバコの煙って消えないんだよな、当たり前だけど(笑)。周りに迷惑かけてただろうなー…って思ったよ。
いまはノンニコチンのVAPEにしてるよ。一服するのは好きなんだよね。煙を吐くことが好きなんだよな。

ーー そういえば、ひろゆきさんも「火をつけたり、煙を吐くのが好き」って言ってましたよ。

ひろゆき ”タバコを存続させる方法”をゆるく発明してみましたw |直撃取材「#たばこのことば」

Mr.関 俺たちって、常に緊張状態にいるわけだよな。だから呼吸を整えてラクになりたいんだと思うよ。深呼吸だけでもいいけどね。

ーー タバコ自体も進化しましたよね。

Mr.関 加熱式タバコとかVAPEとか、機械と融合したタバコが普及してきたよな。最初は「電子タバコなんか、煙草じゃないよ」と言っていたのに、意識をアップデートした人が社会に溢れたら、今度は紙巻き煙草を喫っていた人が、肩身の狭い思いで喫ってるわけだろ。それが現実だよ。
でも逆に言うと付加価値がつく部分でもある。紙巻きタバコが喫える店が重宝されたりもするよね。
現代人は、持たされている時間のスピードがとてつもなく早いだろ。そんななかで一服するのもいいじゃない。
たばこをゆっくり喫いながら未来を考える…ウイスキーを飲みながら、とかさ。

”2006年”の都市伝説

ーー 「都市伝説」に興味を持ったきっかけは。

Mr.関 2000年代の初めのころだね。「ルミネ・ザ・よしもと」の楽屋で、千原ジュニアさんに「兄さん、この話知ってますか?」と話したのがきっかけだったんだよ。それを兄さんが番組の企画に持って行ってくれて『やりすぎ都市伝説』というタイトルがついたんだよね。

ーー じゃあ「都市伝説という芸をやろう」と考えたわけではないんですか。

Mr.関 ぜんぜん違うよ(笑)。あとからそういう名前がついたわけで、自分で「都市伝説」といったことはないし、いまだに「都市伝説」を話しているつもりもないから。

ーー そうなんだ…。

Mr.関 俺がしゃべっているのは、ずっとフリートークだよ。いろいろな聞いた話、面白いうわさ話。ウソの話でも人づてに伝わると真実味を帯びてくる。逆に本当の話でもなぜかウソっぽく聞こえることもある。そういう両極端がある話だけど、火のないところに煙は立ちませんよ、と。「何でも否定していたら世の中は見えない」ってこと。

ーー 「信じるか信じないかはあなた次第」という決めゼリフは、いつから使いはじめたんですか。

Mr.関 2006年だね。その年に「都市伝説」の第一弾の本(『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説』竹書房)を出していただいたときに「信じるか信じないかはあなた次第」という言葉を使った。
個の責任の象徴のような言葉だよね。ごまんとある情報の中で、自分が信じるものを決めなくちゃいけない。答えを持っているようで持っていない、全体に従うだけの人に向けて自分の常識とされるものは何なのかを、自分で考えてみろというつもりだったんだよ。
最初から反響は大きかったよ。でも都市伝説がトレンドになるにつれ、めちゃくちゃバカにされたんだよね。
2006年って、まだ一家に一台パソコンがなかったんだよ。mixiが数年前に出てきて、ネットカフェでチャットに参加して、やっと自分たちでブログを持つか持たないかという時代だった。

『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説』竹書房

Mr.関 でもその後、環境が一変したでしょ。2010年頃から、インターネットがどんどん普及して誰もが主張できる社会になった。一方的に情報を受け取るだけじゃないかわりに、個人がテレビ局やタレントと同じようなストレスを抱えるようになったよね。全部が自己責任。まさに「あなた次第です」という時代。
いまや、コロナ禍があり、ロシアとウクライナの戦争に巻き込まれ、南海トラフの地震も起きないほうがおかしいという状況。自分で自分を守らないとどうしようもない時代になった。民間人が宇宙に行って…宇宙人がいるか・いないかという議論すらナンセンスだろ? いつのまにか現実が「都市伝説」を超えてしまったんだよね。
”あなた次第”という意味を今はみんな納得しているだろうけど、2006年にはほとんどわかってくれる人はいなかったから…実に懐かしいと思うよ。

Kemur PICK UP【Ⅱ】:”マルボロ”のパッケージの秘密

フィリップ・モリスの代表的な銘柄「Marlboro」には、なんと「白人至上主義」のメッセージが隠されていると言われている。パッケージデザインが変わりつづけても、現在もずっと残っている「赤いマーク」を横倒しにすると浮かび上がる「K」の文字。この「K」マークが箱の表面・裏面・底面の3か所に配されており、「白人のみが神に選ばれた人種だ」と主張する団体「KKK=クー・クラックス・クラン」を意味するというのだ。

KKK=クー・クラックス・クラン 画像出典:カラパイア


なんと、フィリップ・モリス社のロゴマークにも、独特なシルエットの白装束を着た、KKK構成員のシルエットが隠れている!

世界的な有名タバコブランド「マルボロ」が密かに発する「黒人排除」のメッセージ。

ところがーー…もうひとつの見方もある。

Marlboroのロゴを逆向きにひっくり返すと、奇妙な文字列が現れるのだ。

「ojoqljew」と読める。
この意味不明な文字列の末尾「jew」は「Jewesh」、ユダヤ教・ユダヤ人を指す言葉だ。ではjewの前にある「ojoql(オジョクル)」とは? 実は、とある秘密結社が使う「排斥」を意味する暗号だという噂がある。
ユダヤ人に向けた「o・j・o・q・l(オジョクル)」の意味はーー
outcast jail or quarter leaching(アウトキャスト・ジェイル・オア・クオーター・リーチング)
追放せよ・投獄せよ・でなければ・四つに裂いてしまえ・寄生虫どもを
だという。

そして、逆向きにした「Marlboro」ロゴの半分を隠すと現れる、2人の人間の足

左側の人物が、不自然に浮き上がった右側の人物を見ている。まるで死刑台で首を吊っているかのように…。
左側の人物は言うまでもなく「白人」。首を吊った人物は「黒人」なのか「ユダヤ人」なのか…?
アメリカが抱える人種差別の闇を象徴するような都市伝説なのである。

変化を受け入れる方法としての「都市伝説」

ーー 国内外に取材し、考えが違うだけでなく言葉も通じない研究者や指導者などと話すこともあります。インタビューの秘訣は。

Mr.関 「その人が信じているものは尊重する」ということだね。そのうえで、自分の心に残ったものだけを伝えていく。心で感じたことしか残らないし、書けないよ。

ーー 相手の価値観を否定したい気持ちも出るのでは。

Mr.関 否定してはいけない。だってそもそも、自分が知らないことだらけだろ? 世の中の答えをすべて知っているやつなんて存在するわけないんだから。生涯わからない。
だから学びながらも、都度感じていることをシャウトすることしかできないんだよ。
ものごとを「聞く」ところから、人間は進化する。そして自分の中に存在しないことが「面白い」と感じるわけだろ。なんで十数年も続けているのか聞かれるけど、新しいことを知る喜びだよな。
それを繰り返して寛容になり、対応能力がついてくる。受け入れる時に色んな感情と戦うじゃん。その感情から知識がつくられるんだよな。だから強固になるわけ。
「ニューワールドオーダー」。新しい世界秩序とは、ってね。秩序は時代の変化とともにある、変化に対応しなくちゃ。
日本とは違って、よその国は幼少のころからその教育をやってるんだよな。

ーー いままで行った国で印象に残っているところは?

Mr.関 どこの国も他にないものを持っているから、一概にどこが好きな国とは言えないけど…メキシコとかね。太陽の国、マヤ文明。エネルギーが強い国だよね。マフィアやギャングがいて治安が悪いがゆえに、市民も真剣に生きているよな。

ーー 暮らしてみたいと思いますか?

Mr.関 いや、暮らしたいけど、実際は大変だろ(笑)。日本でいけしゃあしゃあと生きているけど、外国じゃ無理だよ。番組でいろんな国に行くと、他の国の人から見れば俺はひとりの日本人。礼儀をもってお邪魔するだけだね。

ーー いまの日本はどう見えますか。

Mr.関 前代未聞にヤバいと思うね。インターネットの普及でやっと国外の情報もわかるようになってきたものの、メディアに囲まれて洗脳されてきた時代が長いから変化に対応できない。国際社会にも遅れてしまっているよな。ビジネスでも日本はスムーズに話が進まない。まだハンコ文化が残っているような利権の塊なんだから、当然だと思うよ。
人々も6.3.3.4制度の教育の結果、エスカレーターで社会人になって、イチから学ぶことを知らない。一番大事な実績づくりから逃げて、プライドばかり高い。大事なのは「pride(自尊心)」じゃなくて「proud(誇りに思う)」ことなのに、日本は「pride」のほうばかり守っているだろ。
それでも…この国で生まれた自分自身を受け入れないとな。自分の国を愛することができない人は、他の国も理解できない。文化や伝統を共有できなければ、相手の国に自分たちの国が何ができるか考えられないから。
でも、その「受け入れる」ことがどれだけ大変か。最大の敵は自分の弱さとプライドなんだよ。とんがっているものには誰も触らない。丸くなるためにはプライドを自分で折らないと。

Mr.関の原点

ーー そうしたスタンスを身に着けられたのは、関さんがお笑いの世界にいたからですか。

Mr.関 いや、それは違うかな。お笑いというより…転校が一番デカかったね。

ーー 転校ですか。

Mr.関 うん、14歳の時。親の離婚がきっかけで中学校を転校したんだよ。俺は母親についていったんだけど。
転校すると、自分を一からやり直さなくちゃいけない環境に置かれるわけだよな。なかなかなじめなくてさ、今思うと苦しかった。

ーー しかも自分のせいではないですからね…。

Mr.関 だけど両親のせいにしても何もはじまらないからな。親が別れたからって、いつまでそんなこと言ってんの、チン毛が生えた中学生でしょ? ということだろ。
過去のしがらみにとらわれていたら、新しい環境では理解すらしてもらえない、というのが現実だよな。

ーー 「受け入れる」という話でいうと、そのときが原点ですか。

Mr.関 そうだね。幼少時代に自分を一回殺すというのは、国境を超えるに等しい経験だった。自分を受け入れてもらうには折れるしかない。
そのうちに新しい絆ができて、点が線になり、面になり、立体になっていく。人とのつながりが実績に繋がる…全部そうだよ。
いま世界中を取材させてもらっているけど、それも同じかもしれないな。世界規模で転校をしていく感じだよ。

Kemur PICK UP【Ⅲ】:”CAMEL”に隠された秘密

有名なタバコ「キャメル」には、サブリミナル(刷り込み)的なメッセージが仕込まれているという。トレードマークであるラクダの前足を、良く見ると…裸体の男が横向きで立ってる画が隠されているのだ。

そのほかこのラクダには、女性の横顔と、キスをしている男女の絵も、一見しただけではわからないように描かれているという。潜在意識に性的なイメージを刷り込むことで、商品へ無意識に惹きつけるサブリミナル効果を出しているのだ。
…考えすぎでは? と思うかもしれない。しかし、当時のポスターを見れば、いかにセクシャルなイメージが徹底されていたか、わかるだろう…。

画像出典:artpal.com

都市伝説的・ライフハック

ーー 『やりすぎ都市伝説』で披露される関さんの都市伝説にはかなり広いジャンルが含まれますが、なかでも特にタイムリーなのは、AI(人工知能)と人間の関係です。

Mr.関 AIによる管理と選別のことだよね。すでにAIに監視され、評価されてますよ、と。そして「弾かれる」人が出てくるという話。

ーー 人間の生活を便利にするためのテクノロジーが、人間を淘汰するという発想はどこから生まれてきたと思いますか。

Mr.関 この記事を読む人がどれだけいるかわからないけど、読んだ後にはきっとスマホの画面に、関連する情報や広告が配信されるよ。いま、この取材で話していることも、手元に置いているスマホを通して記録されているでしょ。
…わかるよね?
要するに、スマホの電源を切っているようで切れてないんだ。AIで全人類に保護観察がついているようなもの。アプリやサービスを通して、コントロールする側とされる側に別れてしまうんだよ。

Mr.関 実際、管理は人間よりもAIのほうが有能なわけだろ。人間が管理しようとするから既得権益も生まれるわけだけど、AIはフラットじゃん。
それだけじゃない。労働力としても、人間に投資をしなくなっている。ファミレスの料理だってロボットが運んでくる時代だぜ。企業だって文句も言わない、メンテナンスも保証もきくロボットに投資するでしょ。
だから、ある種人間の時代は終わったの。そこを受け入れなさい、と。

ーー いきなり絶望的な気持ちなんですけど。

Mr.関 じゃあ人間はどうするかって話になるよね。俺が都市伝説を通して言いたいのは「これからの生き方」の話なんだよ。
全部の労働がロボットに切り替わったら、人間はどこで働けばいいの?
AIが何でも教えてくれるなら、子供はお父さん・お母さんから何を学ぶの? ただ、ご飯を食べさせてくれる飼育係なの?
子供が泣いたらiPadでYoutubeを見せておく親もいるわけだろ。でもそれって、悪い言い方だけど育児放棄だぞ。家族の絆もなくなる。それを回復させるのもこれからの課題になるからな。
労働をロボットがするようになれば、北欧のベーシックインカムと全く同じではないけど、それに近い「働かなくてもいい仕組み」ができるかもしれない。それも否定しないよ。でも、そのときは自分の管理は自分でしなくちゃいけない、マジで自己責任の時代になる。だからこそ、今から自分がどんな世界にしたいのかを主張していかないといけないんだよな。

AIに愛されるには

ーー 何から変えていけば?

Mr.関 テクノロジーとの関係でいうと、まず考えを変えなくちゃいけないのは、人間が上、AIが下、もうそういう状況じゃないですよってこと。もちろん人間の上にロボットがいちゃいけない。だけど、ロボットの上に人間がいてもいけないと思うよ。
人工知能は、もう生活の一部だろ。空気・水・風・雲…そういう「自然」と同じものだよ。だからどう向き合うかというと、自然と調和するように、AIと調和すればいいんだよ。

ーー AIと調和…?

Mr.関 AIに愛されるか・愛されないか、ってこと。愛されない人はAIに弾かれていく。
メタバース空間がわかりやすい例だけど、これからは世界がデジタルと同化していくよね。その世界を管理するのはAIになる。じゃあ何をもって判断するのか。
メタバースでは国境がなくなるんだろ? 宗教も超えて、同時通訳で言語の壁もなくなる。みんながアバターで活動するようになれば、目からくる偏見もなくなる。
そのときに可視化されるのは…人間の精神性だよ。
これからAIが評価して選別するのは、その人の精神的な価値だからな。そのために無意識のデータはすでに蓄積されているよね。

ーー たしかに、通話内容やSNSの投稿を集めまくれば、その人の人格が評価できるような気がします。でも、そのデータをもとに、AIで選別する意味は何ですか。

Mr.関 だって、アナログ空間とデジタル空間が同化して、実社会になるんだよ。アバターを使って事件を起こすかもしれないだろ? ゲームで使うアバターじゃない、実社会で使うようなアバターは免許が必要になるかもしれない。アバターを操縦する職業ができたりしてさ。選ばれた人以外は入れない=弾かれてしまうメタバース空間もできるだろうね。

ーー 弾かれるというのは、具体的にどういう人が?

Mr.関 まず思いつくのは犯罪歴がある人だけど、それだけじゃないよな。精神的に整っていない人。つまり他人に信用されない・必要とされない人だよ。
デジタルの世界では他者を受け入れなくてもいい。気に入らないものはリセットできるし、デリートして見ないこともできる…自分もデリートされるわけだけどな。それで満たされることも否定しないよ。でも、デバイスを外して現実に戻ってきたときに、周りに誰もいなかったらどうする? 向き合える人がいないから、やり直しもできない。そういう人はAIに選別されてしまうだろうな。
もちろん「あなたは弾かれました」なんていちいち言わないよ。拒絶された人は、気づかないままずっとその次元にいる。それでも幸せならいいんじゃないか? とも言える…でも虚しいと思わないか。
それが嫌ならーー、会って向き合って話せる仲間をつくるんだぞ、と。

デジタルとアナログ/個と集団

ーー それは現実社会での仲間ということ?

Mr.関 そう。スマホを捨てろと言っているんじゃないよ。アナログのコミュニケーションをしっかりと取り返すことで、デジタル上でも必要とされる人間になっていく。
いいか。これからデジタル空間が普及してくると、同時並行で「アナログの交流」も盛んになるからな。
テクノロジー文明が到来することで、物質社会は終わる。でも一方で、精神的な価値に軸を置くほど、生身の人間による、アナログの価値が特化してくるんだよな。そして特化したアナログが、今後のテクノロジーにとって必要なわけ。
「あなたは地球にとって何ができますか?」という時代になるから。
そのとき大切なのは、友人だよ。何でも理解してくれる家族と違って、友人は自分から愛を与えなければ受け入れられない。お互いに教えあうことができない人たちは、争いを招くからAIに弾かれてしまう。だから、タバコを喫いながらでも、肩を組んで歩ける仲間をつくれよ、と。

ーー 自己責任を持った同志で、コミュニティをつくるということですか。

Mr.関 うん、どんな価値観でもいいけど、共有できるコミュニティをつくらないといけない。セキルバーグカフェもコミュニティの場だし、「情熱クラブ」というオンラインクラブは一つのコミューンだよね。

Mr.関 ゼロから立ち上げているから大変だけど、金銭面にとらわれずに精神的に社会人として付き合える、裏切らない仲間をつくるためにやっていることだからな。

ーー 「情熱クラブ」は会員制のコミュニティですが、オンラインの交流だけじゃなくて、町内清掃や防災イベント、キャンプなどの外遊びにも積極的ですね。

Mr.関 「体感」を取り戻したいと思ってるからだね。アナログのコミュニケーションの基本は体感すること、そして感情を動かすことだよな。
よく教育現場で「体験学習」というけど、体感してはじめて「こう感じました」と、体験を話せるようになるわけだろ。大事なのは体感の教育なんだよ。
でもその体感を、デジタル空間が奪ってしまったんだよな。人と生身で触れ合わず、体感することから逃げて来た結果、ひとりよがりになり、自分の弱さも受け入れられなくなった。一番タチ悪いよ。

ーー 最近は有事のためのシェルターの建設までしていると聞きました。関さんは体感を取り戻しながら、「情熱クラブ」でどんな価値観を共有したいんですか。

Mr.関 「革命」だよ。WBCで日本が優勝したじゃん。あんなふうにみんなで一致団結して、決まったルールのなかで戦うことも大切だと思うよ。でも俺は、レジスタンスが好きだな。

ーー レジスタンス?

Mr.関 バッターボックスに立ったら、もちろん打つだろ。三振など恐れぬわ! ってね。でも俺なら野球のルールで勝ったあとに、全員ボコボコにしてやるよ。ぶっ潰してやるって感じ(笑)。で、新しいスポーツを作りませんか? ってこと。
まったく意味わからないかもしれないよな。野球も尊重するよ、ただ俺のスタンスは? と聞かれたら、「仕切り直し」をやらないとな。次の世代のためにも。

ーー そのための、草の根の活動ということですか。

Mr.関 「ニューワールドオーダー=新しい世界秩序」って、陰謀が好きな人は支配層が秩序を作るものだと思っているけど、そうじゃないからな。新しい秩序はどんな時でも国民がつくっている。だから価値観を共有できる環境にいれば、やれると思うよ。陰謀より希望だろ?
何よりも、見えてるんだから、行動しろよ、ってこと。レジスタンスとして。
もちろん、主張して行動しながらも、よそに押し付ける必要はないと思うけどな。敬意をもって他の価値観も認めていかないと、ただ単に偏ったものになってしまうし。

ーー 自分たちの主張に閉じこもってしまった集団の状態が、いわゆる「カルト」ってことなんですかね。

Mr.関 うーん、ちょっと違うな。閉じこもっていても信じて行動しているなら、そこには愛があるんだよ。愛があるものをカルトとは言わないよな、それは世界だよ。
カルトっていうのは周りと調和できなくなった状態だよな。それは愛ではなくて無感情の集大成なんだと思うよ。意固地になっちゃって。それがカルトだと思うね。
普及させたければ、折れなきゃ何もはじまらない。そうだろ?

Mr.関 今日の話、信じるか信じないかはあなた次第。でも、火のないところに煙は立たないってこと。
だけど安心しろよ。タバコでも酒でも飲みながら話せば、いつかわかってくれるからさ。


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関暁夫(せき・あきお)

1975年、東京都生まれ。1996年にハローバイバイを結成。ピンで披露した都市伝説でブレイク。自由が丘で『セキルバーグカフェ』を営む。
人気番組「やりすぎ都市伝説」などテレビ・ラジオ番組で活躍しながら、YouTuberとしても登録者数約47万人を有し、活動の幅を広げ、進化し続けている。書籍『Mr.都市伝説』シリーズは累計300万部のベストセラー。
Twitter▶https://twitter.com/SEKIELBERG
Youtube▶https://www.youtube.com/@mr.8012
Mr.都市伝説 関暁夫の情熱クラブ▶https://jyonetsu.club/■セキルバーグカフェ
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-25-20
TEL.03-6421-1509 ※予約制
月・木 12:00〜19:00
金・土・日 12:00〜22:00
http://cafe.sekielberg.jp/

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全ては火のないところからは煙は立たない
ーー Mr.都市伝説 関暁夫

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