ケムール主催のポーカー大会「ケムール・ポーカー・トーナメント(KPT)」!!
・出場者は招待された実力派のポーカープロ
・当日の試合はYouTubeライブでリアルタイム配信
・優勝者には、WSOP出場のための資金1万ドル(+渡航費&滞在費2,000ドル)を進呈
・KPTの優勝者がWSOPに出場し、賞金を獲得した際は、獲得賞金の10%でケムール読者還元企画を実行予定!
読者の皆様とともにポーカープレーヤーを世界に送り出し、応援しようというイベントです。
27名の参戦者からWSOP行きの1名を占う「優勝者予想プレゼント」にはもう応募いただけましたか? ケムール公式Twitterのフォロー&リツイートで簡単に参加できます!
▶【参戦者発表】前編
▶【参戦者発表】後編
さて、大会の舞台裏をちょっとずつお見せする特集連載【KPTの裏側】も、今回で最終回となります。
ラストとなる発表は、まずKPT運営から。
当日の配信について
3月8日のKPT当日、熱戦を盛り上げる「実況者」が決定しました。
こちらの方です!
小林みやひ さん
ポーカーのディーラー・プレイをどちらもこなすだけでなく、声優・イベントMC・ポーカー実況として活躍中の実力派女性プレイヤー。
大人気のポーカーアプリ「m HOLD’EM(エムホールデム)」の公式ユーザーとしても活躍中。
Twitter:@nyanginchaso
27名の参戦者と実況者が、このKPTでポーカーを知った方から、古参のポーカーファンまで楽しませます。
その闘いの様子はLIVE配信でお届けします。会場である「カジスタ東京」のRFIDテーブルを使用し、プレイヤーのハンド(手札)を画面に表示。駆け引きを読みながら試合の行方を見守ってください。
RFIDテーブルを使った配信イメージ。画面左上にプレイヤーの伏せられた手札が表示される
カジスタ東京のYoutubeチャンネルで配信されます。当日のタイムスケジュールはこちら!
3月8日(火)13:00トーナメント開始 20:30終了
この7時間30分、ぜひ予定をキープしてください! お仕事で通しでは見られない方は、テレワークを抜け駆けしてKPTを観ることは決して推奨いたしませんが!!定時がおわったらぜひ急いでYoutubeを開いてください。ちょうどファイナルテーブルがはじまっている時間帯ですから…!
もちろん、大会後のアーカイブ動画の配信も予定していますのでご安心を。
さて、KPT運営からは、ここまで。次は監修の木原直哉さんからメッセージです。
ポーカー大会は数日にわたることも多いなかで、KPTは濃密な1Dayトーナメント。だからこそプレイヤーが存分に力を発揮できるトーナメントのルール=
「ストラクチャー」が発表されます。
木原直哉(きはら・なおや)
1981年7月23日生まれ、北海道出身
2011年3月、東京大学理学部地球惑星物理学科卒業
同年7月、初出場のWSOPメインイベントにて入賞
2012年6月、WSOPにてブレスレット獲得
Twitter:@key_poker
▶いままでの【ケムールポーカートーナメント〜Road to WSOP〜の裏側】
▶【KPT】特設サイトへ
日本でポーカーといえば伏せて配られた5枚のカードで役を作って競う「ファイブドローポーカー」が主流だが、KPTでは「テキサスホールデム」でプレイする。各プレイヤーごとに配られる2枚の手札(ホールカード)と、「コミュニティ・カード」と呼ばれる全プレイヤー共通のカード(最大5枚)を組み合わせてプレーする。プレーヤーは最大4巡する間に自分と相手の手札(ハンド)を予想して駆け引きし、手持ちのチップをベットする、あるいは降りる。最終的にポット(全プレーヤーがベットしたチップの合計)を獲得したプレーヤーが勝つ。
出典:「ワールドシリーズオブポーカー – Texas Holdem」より
最後の記事では大会のルール=ストラクチャーについて発表します。
参加者は27名。
KPTは13時にトーナメントがスタートし、20時半には勝者が決定していなくてはなりません。ということは、19時半ごろには終わる可能性がそこそこ高いストラクチャーを作ることが必須です。
トーナメントにかけられる時間は390分、最大でも450分。途中に10分休憩を4回入れるとして、プレイ時間は350分から410分になります。
その中で、27名が最高のパフォーマンスを出してプレイできる大会にするには、どんなストラクチャーを組むべきなのか?と考えました。
主にプレイヤーがベットするチップ(点数)のルールを指す。テキサスホールデムではプレイヤーが時計回りにベットしていくが、1番最初のプレイヤーを「スモールブラインド(SB)」2番目を「ビッグブラインド(BB)」と呼び、強制的に決められた点数をベットしなくてはならない。この強制ベットの点数を「ブラインド」と呼ぶ。ブラインドはテーブルでの周回数=レベルが増えるにつれ上がっていく。ストラクチャーではブラインドの点数とレベルによって増える倍率を決めることで、試合のスピード感や難易度をコントロールしていく。
各プレイヤーのチップは、10万点スタートです。
仮にビッグブラインド(強制ベット点数)を100点=100BBスタートとすると、全体で2700BBになります。全体が14BBくらいなら確実に終わると言えるでしょう。
ポーカーではチップ(点数)量をビッグブラインド(BB)に換算して表すことが一般的。
●●BBとは、参加者全員の点数がその時のBBの強制ベット点数の●●倍、という意味です。
全体のチップ量が560,000点で、BBが40,000点の場合は、ちょうど14BB分ということになります。
一般的なストラクチャーでは、3レベル(=3周目)でブラインドが2倍、10レベルでブラインドが10倍になります。
ブラインドが200倍になると確実に終わるレベルなので、そこまでかかるのは23レベル後。つまり24レベルと考えなくてはいけません。
410分を24レベルで割ると……17分。
一周20分を切ってしまいます。これではプレイが早すぎて、みんなショートスタック(スタック=持ち点)、3べットはほぼ全てオールイン(手持ちのチップ全てをベットすること)となります。ここまで豪華なメンバーに集まってもらって、それでは残念すぎます。
ではどこを削るか?
当然、序盤です。ブラインドが小さい勝負を削ると、10分で敗退するプレイヤーが頻発するでしょう。しかし今回集まってもらうメンバーはガチの実力派。少なくとも2時間は遊びたい、というような感覚ではなく、優勝してWSOPメインイベントにタダで行くことを狙って参戦しているはず。
では、開始を33BBとします。すると全体で900BB。
60倍になるときには終わると思うと、17レベル後、レベル18。
410分を18で割ると――23分。
うーん、それでもかなりターボですね。
かと言って、序盤をそれ以上削るのも……
ところで、19時半くらいに終わることを前提として、そこで合計60BBになることを考えたら、ブラインドは15倍で済みます。12レベル後、レベル13です。
410分を13で割ると、31分。
お、これで30分を超えてきました。
また、そこそこ長いストラクチャー+しっかりアグレッシブに攻めるメンバーが揃っていることを考えると、全体で150BBになる頃には残り4人、あるいは5人になっているはず。残り人数が減れば、1ハンドにかかる時間も、1周するのにかかる時間も当然減ります。
とすると、全体が150BBになるのは、スタートの6倍後。ということは6レベル後、レベル7です。レベル7には残り4人か5人に絞られるでしょう。
そうすると、他のところを削って、ちょうどファイナルテーブルが決まる前後のレベル5と6を長くすれば、アベレージスタック(プレイヤーの平均持ち点)が40BBくらいをキープしたまま勝負が続くのではないか? そして、19時半まではかなりディープな勝負を継続。そこで勝負がつかない場合はおそらくヘッズアップになっているでしょうから、そこから先を一気に速くするのです。そして――チップが多いほうが12BB、そこまで決着がつかなければ、どうせどのハンドでオールインするかだけです。それなら、最初から全ハンドオールインしてもらいましょう。
そこで考えたストラクチャーがこちらです。
KPTストラクチャー
最初は9人マックス✕3テーブルでスタートし、14人まで減った段階で2テーブルに。7人の時点でファイナルテーブルのBBアンティゲーム(BBが全員分の参加点数として1BBを出すゲーム)とします。
スタート時の持ち点:100,000点
レベル | SB | BB | min |
1 | 2000 | 3000 | 20 |
2 | 2000 | 4000 | 20 |
3 | 2000 | 5000 | 30 |
4 | 3000 | 6000 | 30 |
5 | 4000 | 8000 | 45 |
6 | 5000 | 10000 | 45 |
7 | 6000 | 12000 | 30 |
8 | 10000 | 15000 | 30 |
9 | 10000 | 20000 | 30 |
10 | 15000 | 25000 | 30 |
11 | 15000 | 30000 | 20 |
12 | 20000 | 40000 | 20 |
13 | 25000 | 50000 | 15 |
14 | 30000 | 60000 | 15 |
15 | 40000 | 80000 | 15 |
16 | 50000 | 100000 | 10 |
17 | ∞ | ∞ | 5 |
このストラクチャーでは、おそらく6レベル周辺でファイナルテーブルになるでしょう。
8レベルで1000チップカラーアップ(=チップの単位を変えること)。12レベルあたりで19時半になります。17レベルのみ、アンティ(テーブル参加にひつような点数)なしです。
もし、レベル12までで終われば、レベル1か2が一番アベレージスタックのBB数が少ないという、前代未聞のトーナメントになるのではないでしょうか?
いよいよ1週間後に迫ったKPT。3月8日の大会当日は誰が優勝を勝ち取り、WSOPへ行くのか?
集え、強者。駆けろ、世界。
熱い闘いを目撃する準備はよろしいですか?