紙巻たばこor加熱式たばこ?タールとニコチン含有量など徹底比較

タバコには、メジャーな紙巻きタバコ以外にも多くの種類があります。中でも、近年人気が高まっているのが「加熱式タバコ」です。加熱式タバコは煙を出さないことはよく知られていますが、一体どのような仕組みのタバコなのでしょうか。ここでは加熱式タバコの特徴や種類、紙巻きタバコとの違いをご紹介します。

タバコに含まれるニコチンとタールとは?

加熱式タバコと紙巻きタバコの違いを理解する上で重要なのが、タバコの主な成分である「ニコチン」と「タール」です。タバコに含まれるニコチンとタールの量はパッケージにも記載されていますが、具体的にどのような成分なのかご存じない方もいるのではないでしょうか。まずは、この2つをはじめとするタバコの成分について知っておきましょう。

ニコチンとタールの性質

ニコチンはタバコの煙に含まれる成分であり、植物としてのタバコに元から含まれている天然成分です。他にもニコチンを含む植物はあるものの、タバコに比べればごくわずかな量でしかありません。 ニコチンの主な薬効はリラックス効果と、カフェイン未満の穏やかな刺激効果です。大量に摂取すると毒性がありますが、タバコに含まれる程度の量なら危険ではありません。それより問題なのが、中枢神経に作用して依存性・常習性を高める効果があることです。この効果により、一度喫煙の習慣がつくとやめるのが非常に難しくなります。 また、タールとはタバコから水分とニコチンを除去した後に残る粒子状物質で、いわゆる「ヤニ」のことです。タールには4,000種類以上の化合物が含まれ、その中には数百種類もの発がん性物質もあります。タバコの煙を吸うとタールも摂取することになるので、喫煙者は発がんリスクが高まり、歯の黄ばみにもつながるのです。

タバコに含まれるその他の物質

タバコの煙には、ニコチンとタール以外にもいろいろな物質が含まれています。特に問題視されている有害物質が、タバコが燃える時に発生する気体である一酸化炭素です。一酸化炭素を吸うと、血液中で酸素を運ぶ役割を果たしているヘモグロビンと結合してしまいます。その結果、酸素を運ぶ能力が衰え、心臓疾患や動脈硬化を誘発してしまうのです。

タールが出ない!?加熱式タバコの仕組み

従来の紙巻きタバコは、タバコに火をつけて煙を吸うという性質上、どうしても多くの有害物質を吸い込んでしまっていました。しかし、加熱式タバコはタバコを燃焼させず、専用機器を用いてタバコ葉を加熱し、発生させた蒸気(ベイパー)を吸引します。そのため、一酸化炭素をほとんど発生させず、タールの発生も抑制しつつニコチンを摂取できるのが大きな特徴です。 また、加熱式タバコにもいろいろな種類があります。自分に適した加熱式タバコを選ぶためにも、主な種類を知っておきましょう。

加熱式タバコには2種類ある

加熱式タバコは、使用する専用機器(デバイス)によって加熱の温度が異なります。大きく分けると、「高温加熱型」と「低温加熱型」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。 ・高温加熱型 高温加熱型の加熱式タバコは、タバコ葉のスティックを直接ヒーターで加熱して蒸気を発生させる仕組みです。加熱温度は一般的に200℃を超え、高いものだと350℃程度に達します。高温で加熱することにより強い喫味が楽しめますが、ニオイも強めです。代表的な銘柄としては「アイコス」や「グロー」があります。 ・低温加熱型 低温加熱型の加熱式タバコは、高温加熱型と異なりタバコ葉を直接加熱しません。液体(リキッド)を加熱して蒸発させ、その蒸気をタバコ葉に通過させたものを吸引します。温度は30℃~40℃程度で、高温加熱型に比べて喫味が弱くなるものの、ニオイが少なくなるのがメリットです。代表的な銘柄としては「プルーム・テック」があります。

「アイコス」だけじゃない、加熱式タバコの種類

日本では、2016年頃に加熱式タバコの人気に火がつきました。そのきっかけとなったのが、フィリップ・モリス社の「アイコス」です。紙巻きタバコからの移行で最も違和感が少ないとされ、日本における加熱式タバコのシェアの7割程度を占めています。とりあえず試してみたいという方にもちょうどいいでしょう。 しかし、加熱式タバコはアイコス以外にもたくさんあります。たとえば、本体の穴に専用スティックを差し込んで加熱する「グロー」は、軽めのメンソールやケントを好む方に人気です。フレーバーも豊富に用意されています。 また、低温加熱型の代表である「プルーム・テック」は、ニオイも少なくとても軽いタバコとして評判です。吸いごたえを求める方のために、低温加熱式の限界まで喫味を強化した「プルーム・テック・プラス」も登場しました。 その他にも、高温加熱型ながらニオイを軽減した「パルズ」や、中高温で加熱したタバコ葉スティックにリキッドの蒸気を通す「リル ハイブリッド」など、ユニークな加熱式タバコが発売されています。いろいろ試して自分に合ったものを見つけるといいでしょう。

電子タバコとの違いは?

加熱式タバコと並んで、近年人気が高まっているのが「電子タバコ」です。どちらも同じものだと思っている方も多いかもしれませんが、この2つは明確な違いがあります。まず、加熱式タバコは着火こそしませんが、タバコ葉を使っているという点では従来のタバコと変わりません。使用する専用機器も、タバコ用具として販売されています。 一方、電子タバコはタバコ葉を使用しません。装置内や専用カートリッジ内の液体(リキッド)を電気で加熱して、発生する蒸気のフレーバーを楽しむという仕組みです。それに加え、日本国内の電子タバコはニコチンを含まないのが一般的で、タバコ製品として発売されていません。従来のタバコとは、まったく性質の違うものと考えていいでしょう。

「新型タバコ」とは

加熱式タバコと電子タバコは、合わせて「新型タバコ」と呼ばれています。どちらも従来の紙巻きタバコとは異なる魅力があり、選択肢が広がったことは歓迎すべきだといえるでしょう。 しかしながら、新型タバコは普及したばかりのタバコであり、その健康リスクははっきりしていないのが実情です。加熱式タバコはニコチンやタールを含んでいますし、日本の電子タバコはどちらも含んでいないものの、その他の成分がどのような影響をもたらすかは明らかになっていません。 もちろん、従来のタバコと同様に受動喫煙のリスクも指摘されています。新型タバコの使用に関するルールも自治体やお店によって異なるため、従来のタバコと同じくルールを守り、健康を管理しつつ楽しむのが望ましいでしょう。

芸能界にも加熱式タバコは広がっている

加熱式タバコや電子タバコは、その魅力から多くのファンを獲得するに至りました。一般の方はもちろん、芸能界にも加熱式タバコのユーザーが大勢います。たとえばジャニーズでは、Sexy Zoneの佐藤勝利さんやKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さん、ジャニーズWESTの濵田崇裕さんなどがアイコスユーザーです。 また、女優の松岡茉優さんやお笑い芸人の明石家さんまさん、浜田雅功さん、鳥居みゆきさん、劇団ひとりさん、ケンドーコバヤシさんなどは電子タバコユーザーとして知られています。もともとヘビースモーカーだった方も多く、禁煙目的で始めた方もいるのかもしれません。 さらに海外では、レディー・ガガさんやアーノルド・シュワルツェネッガーさん、レオナルド・ディカプリオさんなどが電子タバコユーザーです(海外製なのでニコチンが含まれている可能性あり)。喫煙はイメージの低下につながりやすいため、普段は隠しているかもしれませんが、実際にはもっと多くのユーザーがいるのではないでしょうか。

ニコチンゼロの新型タバコもある!評価は?

ここまで見てきたように、加熱式タバコには基本的にニコチンが含まれています。そのため、従来のタバコと同じようにニコチンを摂取できる一方、禁煙には向いていません。もし禁煙や減煙をしたいのであれば、ニコチンを含まないタイプの新型タバコがおすすめです。電子タバコと加熱式タバコに分けて、ニコチンゼロの新型タバコをご紹介します。

ニコチンゼロなら電子タバコが充実

先に解説したように、日本製の電子タバコは基本的にニコチンゼロです。フレーバーも豊富なので、「禁煙はしたい。でもタバコがないと口寂しい……」というような方には最適といえるでしょう。タバコに興味があるものの、ニコチンやタールの害が心配な方にもおすすめです。 大きく分けると、アトマイザー(蒸気化ユニット)にリキッドを補充して使うリキッド式、POD(タンク)にリキッドを補充して使うPOD式、専用カートリッジを取り替えて使用するカートリッジ式、そして内蔵リキッドが切れたら本体ごと買い換える使い捨て式の4種類があります。それぞれ長所と短所があるため、自分に合ったものを使いましょう。

加熱式タバコのニコチンゼロも優秀!

実は、加熱式タバコにもニコチンゼロの製品があります。たとえば、アイコスの互換品である「エコゼロ」は、ニコチンを含まない茶葉のスティックを加熱して蒸気を吸引する製品です。茶葉であること以外はアイコスのスティックと同じなので、そのままアイコスに入れて使用できます。 フレーバーはレギュラーの他、コーヒー・ブルーベリー・メンソール・ハードメンソール・シトラスの全6種類です。いずれも茶葉の味わいと香りが楽しめます。今後フレーバーが増えていけば、さらに面白くなるでしょう。

まとめ

加熱式タバコは、タバコの新たな形態として今後も広まっていくと考えられます。健康への影響は明らかになっていない点も多いのですが、一酸化炭素を排除でき、タールの害をある程度抑えられるだけでも十分魅力的といえるでしょう。これまで紙巻きタバコしか吸った経験のない方は、一度加熱式タバコを試してみてはいかがでしょうか。

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