手巻きタバコのシャグは加湿が必要!理由や正しい方法を解説

自分でシャグ(タバコ葉)を巻いて作る手巻きタバコは、好みのシャグを自由にブレンドでき、紙巻きタバコよりコストパフォーマンスがいいなど多くの魅力があります。 しかし、シャグはとても繊細なものですから、気をつけて保管しなければなりません。その上で重要なのが「シャグの加湿」です。ここでは、シャグの加湿が必要な理由や、正しい加湿方法をご紹介します。

シャグの加湿が必要な理由

手巻きタバコを吸う上で、シャグの加湿は必須というわけではありません。 たとえシャグが乾燥していても、巻いて吸うこと自体はできます。では、なぜ加湿をした方がいいのでしょうか?その主な理由を見ていきましょう。

味わい深いタバコになる

手巻きタバコに限らず、タバコというものは適度な加湿をした方が、旨みが増して美味しくなります。乾燥した状態のシャグを巻いて吸っても、本当の味は引き出せないのです。 「手巻きタバコ、試してみたけどマズいじゃん!」と感じた方は、加湿が足りなかったのかもしれません。せっかく買ったシャグを楽しむためにも、まずはしっかりと加湿をした方がいいでしょう。

吸いやすいタバコになる

乾燥したシャグは辛味が強く、雑味が多く、いがらっぽくなります。もちろんそのような味わいを好む人もいるのですが、万人が楽しめるものではありません。 その点、適度に加湿されたシャグは辛味が落ち着き、マイルドで吸いやすいタバコになります。特に初心者の方は、シャグに馴染むためにも丁寧に加湿するのがおすすめです。

香り高いタバコになる

豊かな香りもタバコの魅力のひとつですが、シャグが乾燥していると香りも引っ込んでしまいます。 特に、着香してあるフレーバー系のシャグの場合は、その香りも飛んでしまうのです。香り高いタバコを楽しむためにも、適度に加湿を行ってください。

巻きやすいタバコになる

手巻きタバコに挑戦したものの、思うように巻けず困っている方も多いでしょう。 実は、ここにもシャグの加湿が関係しています。乾燥したシャグはパサついてまとまりにくく、とても巻きにくいのです。加湿されたシャグはよくまとまり、初心者でもきれいに巻きやすいので、毎回不格好な形になってしまう時は湿り具合を確認してみてください。

品質が安定する

シャグの多くは紙巻きタバコとは違い、防カビ剤や保湿剤といった化学薬品が添加されていません。 このような無添加のシャグは、環境に少し問題があるだけで簡単に品質が変わってしまいます。劣化を防ぎ品質を保つためにも、安定した湿度のもとで保管しましょう。 なお、シャグに最適な湿度は70%前後だとされています。 これは一般的な生活空間の湿度に比べて高く、シャグを適当に置いているとすぐに乾燥してしまうことを示しています。シャグの湿度を適切に保ちたければ、それなりの環境を整えなければならないのです。

シャグを加湿する時の注意点

シャグの加湿は、ただ適当に濡らせばいいわけではありません。正しい方法で行わなければ適切な湿度を保つことができず、さまざまなトラブルも発生するからです。 シャグを加湿する時は、以下のポイントに注意して行いましょう。

加湿しすぎてはいけない

シャグを加湿しすぎると、湿気の影響でカビが生えやすくなります。無添加のシャグの場合は特に注意が必要です。 それ以外にも、味やフレーバーがボケて水っぽくなる、火付きや火持ちが悪くなるといった問題が発生します。前述したように湿度70%程度が最適なので、この数値を維持するようにしましょう。

水は精製水を使用する

シャグの加湿には水を使用しますが、水道水はおすすめできません。 不純物が多く含まれているため、どうしてもカビが生えやすいからです。できる限り精製水を使用しましょう。 ドラッグストアなどで安価に購入できるため、コスト的な心配はほとんどいりません。もし水道水を使わざるをえない場合は、一度沸騰させてから冷ましてカルキ抜きを行ってください。

シャグは時々かき混ぜる

湿度を保った容器にシャグを入れても、全体が一度に加湿されるわけではなく、上の方(外側)からだんだんと加湿されていきます。 そのまま放っておくと、内側までうまく湿気が届きません。全体が均一に加湿されるよう、定期的にかき混ぜてあげましょう。毎日シャグを巻く方なら、そのたびにざっくりと混ぜてあげるのがおすすめです。

手洗い・消毒してから行う

洗っていない手でシャグに触れると、雑菌や手垢、汚れなどが付着してシャグが汚染されてしまいます。 シャグに触れる時は、必ず手洗い・消毒を行ってください。加湿に使う器具も、定期的に点検・洗浄するのがおすすめです。

シャグを加湿する方法

注意点を理解したところで、いよいよ具体的にシャグの加湿方法を見ていきましょう。 といっても、手順は決して難しいものではなく、基本的には専用のツールと一緒に保存容器に入れるだけです。 主なツールごとに手順と注意点をご紹介します。

ヒュミドール

ヒュミドールとは、小さな穴の空いた500円程度の大きさのアルミ容器に、オアシスと呼ばれる緑色のスポンジを入れたものです。 ヒュミドールを20分~1時間程度水につけ、水気を拭き取った上でシャグと一緒に密閉容器に入れると、5時間~一晩程度で適切な湿度になります。湿度計も入れておき、好みの湿度になったらヒュミドールを取り出しましょう。 なお、保存する容器は「タバコジャー」と呼ばれる専用の容器(特に湿度計がついたもの)がおすすめですが、清潔で密閉可能な容器なら何でも構いません。 また、ヒュミドールは中が見えないため、開けてみたらカビだらけだったという事態がしばしば発生します。定期的な点検や交換は必須です。

ハイドロストーン

ハイドロストーンは、高い調湿性能を誇る珪藻土でできた石です。 基本的な使い方はヒュミドールと同じで、水を吸わせてシャグと一緒に容器に入れ、適切な湿度になったところで取り出します。 入れっぱなしだと過剰に加湿されてしまうので、取り出し忘れないようにしましょう。 ハイドロストーンのメリットは、半永久的に使用できるのに加え、乾いた状態で入れれば除湿にも使えることです。 ただ、シャグに直接触れるとストーンがカビる可能性があるので、茶葉などを入れる使いすてのパックで包むといいでしょう。 清潔な状態を保つため、一度使ったものは取り出して洗浄・乾燥させるのがおすすめです。

ヒュミディパック

ヒュミディパックは、容器内の湿度を設定された数値に保ってくれる調湿剤です。 「ボヴェダ」というブランドの製品が有名なので、こちらで覚えている方も多いと思われます。湿気が足りない時にも多すぎる時にも使えるのでとても便利です。 無添加系のシャグなら72%、それ以外のシャグなら69%のヒュミディパックを使うといいでしょう。 ただ、ヒュミドールやハイドロストーンに比べると、加湿速度は非常にゆっくりしたものです。 どちらかといえば、すでに適切になっている湿度を維持するのに向いています。ヒュミドールやハイドロストーンを取り出した後に入れておくといいでしょう。 なお、使用期限は1ヶ月~2ヶ月程度で、固くなってきたら使えなくなります。

精製水を吹きかける

手っ取り早く加湿したい時は、精製水をシャグに直接吹きかけるという方法もあります。シャグをトレイなどに均一に広げ、精製水をスプレーボトルで吹きかけつつかき混ぜれば、すぐにシャグが湿気を帯びます。 どうしてもすぐにシャグを吸いたい時には有効な方法ですが、調整が非常に難しく品質が劣化するおそれもあるため、基本的には推奨されません。 他にもいろいろとオリジナルの加湿方法を考えている方がいますが、シャグがどうなるか保証できないため、自己責任で行なってください。

シャグの加湿ツールの自作・代用は可能?

ここまで見てきたシャグの加湿ツールは、どれも基本的に簡単な構造のものです。 そのため、「わざわざ専用品を買わなくても、自作や代用ができるのでは?」と考える方もいるでしょう。そこで、実際に使えそうな方法をいくつかご紹介します。 ※どの方法も自己責任で行ってください

ヒュミドールを自作する

ヒュミドールは、化粧品などを入れるのに使う小型のアルミケースと、園芸用の吸水スポンジがあれば自作できます。 いずれも100円ショップなどで購入可能です。作り方は簡単で、電動ドリルを使ってケースに1mm程度の穴をたくさん開け、スポンジをケースにめり込ませて不要な部分を切り落とすだけ。 少しでも節約したい方は試してみましょう。

珪藻土を使う

ハイドロストーンは珪藻土でできているため、同じような珪藻土製品なら代用できる可能性があります。 100円ショップでは、タンス用の調湿珪藻土や珪藻土コースターなどが購入できるため、適度な大きさに切断して試してみましょう。 難点があるとすれば、白っぽい製品が多いので、シャグから出るタールなどによる汚れが目立つことでしょうか。

ミカンの皮を使う

シャグ通の間でよく知られているのが、ミカンの皮を使って加湿する方法です。これが意外とちょうどよく、皮を揉んでから入れるとミカンのフレーバーをつけることもできます。 冬場など、ミカンを食べる機会が多い時に試してみてはいかがでしょうか。 ただし、カビの心配があるので、ハイドロストーンと同様にお茶パックなどに入れて使うのがおすすめです。 また、同じミカンの皮を長期間使っていると、乾いたり腐ったりする可能性があります。長くても2~3日で交換しましょう。

シャグを加湿しすぎた時の対処法

ここまで見てきた手順を守っていても、うっかりミスなどでシャグを加湿しすぎてしまうことはあると思われます。このような時はどうすればいいのでしょうか。 基本的な対処法としては、保存容器のフタを開けて放置するか、トレイなどの上にシャグを広げて水分を飛ばします。 急いでいるなら、シャグに触れないようにして乾燥剤を置いてもいいでしょう。ただ、どのような方法を用いても、湿気と一緒に水分や香りも飛んで行ってしまいます。 原則として、過加湿を起こしてはなりません。 また、シャグにカビが生えてしまった場合は、白カビであれば生えた部分を捨て、保存容器を変えれば何とかなります。 黒カビであるなら白カビよりも強いので、残念ながら丸ごと捨てるしかありません。 もちろん、白カビでも生理的に受け付けないか不安を感じる場合は、素直に捨ててしまった方がいいでしょう。 なお、どの程度の加湿具合を好むのかは人によりけりです。過加湿気味のシャグが好きだという方もいれば、乾燥した辛いシャグが好きという方もいるでしょう。 いろいろと試しながら、自分にとってベストな状態を見つけ出すのがおすすめです。

まとめ

シャグの加湿は少し面倒に感じるかもしれませんが、一度やり方を覚えてしまえば決して難しいものではありません。 もし手巻きタバコに挑戦するなら、加湿の重要性を最初に理解した上で、シャグと一緒に必要なツールもそろえましょう。 適切に加湿・保管すれば、とても香り高く味わい深いタバコが作れるので、ぜひ試してみてください。

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