M氏のコロナ体験記

※編集部注
この度弊社にて仕事を受けてくれているM氏が新型コロナウィルス感染症に罹患いたしました。読み物系オウンドメディアを目指す弊サイト「ケムール」にてこの体験記事を発表することに賛否両論ございましたが、今般の時世柄「ケムール」読者の方々に有益な情報になるであろうということで、本記事を上奏いたします。M氏は本職のライターではないため、文章自体が読みにくいところもございますが、あえて生の情報をお届けするためにほぼ原文ママにてお送りいたします。

はじまりは突然に

僕がコロナ感染症を発症したのは2020年の年末。忘年会シーズンで、友達と何度か飲みに行ったりしていました。世間は急に寒くなってきた時期で、気づいたら喉が痛くなっていました。僕は季節の変わり目に毎回風邪を引いて喉が痛くなるので、いつもの風邪だと思い、いつも通り過ごしていました。

しかし、喉が痛くなってから3日ほど過ぎたあたりに、夜中寒気がしたので熱を測ってみると、38.6℃の熱。夜中だったので病院は開いておらず、次の日の朝に親が運転する車で病院まで行きました。

自己紹介

僕は現在神奈川県に住んでいて、東京都の大学に通う21歳の学生です。学生の傍らインターンや、個人事業主としてWebサイトやWebアプリケーションの開発をするWebエンジニアとしての活動をしています。コロナ禍で学校も仕事も基本的にリモートで行われていたため、遊び以外で外出することはあまりありませんでした。

病院にて

そこの病院には親が電話で予約をしていたみたいで、病院に到着するや否や看護師が駐車場まで出てきて「コロナの可能性が高いので車から降りないでください」と言われそのまま車で待機することになりました。

しばらくするとPCR検査をするための長い綿棒をもった医師が出てきて、僕は車から降りることなく、鼻に綿棒を突っ込まれPCR検査を受けました。そこの病院のPCR検査は15分ほどで結果が出るようで、車でしばらく待っていたら「陽性でした。」との診断を受け、数種類の薬をもらった上に、病院と保健所は連携しているようで、これから保健所から連絡が行くから保健所の指示に従うようにと伝えられすぐに自宅に帰りました。

保健所からの電話〜療養初期

自宅に到着すると保健所から連絡があり、自宅療養か施設療養どちらがいいかを聞かれました。自宅には家族がいたため、施設での療養を選んだのですが、ホテルは人がいっぱいだったため、陽性と診断されてから2日間は自宅での療養となりました。

自宅での療養期間は40℃を超える熱が出たときもあり、今までしてきた病気の中で一番辛かったです。ただ、薬飲んでいくうちに段々と熱も下がりだるさもなくなっていきました。しかし、熱が微熱くらいまで下がったきたホテルに入る当日、ご飯を食べても味がしなくなりました。からしをそのまま舐めたりしても面白いほど何も感じない。嗅覚は正常かを確認するために香水をつけてみたのですが、これまた何も感じない。熱が下がって喜んでいたのも束の間、更なる症状が襲いかかってきてしまいました。

施設での療養開始

そのままお昼頃に自宅までバスが迎えにきて、厚木にあるホテルでの療養が開始となりました。
ホテルに到着すると、入り口に部屋の番号が書かれた封筒が置いてあり、施設の人との接触は全くなく入室しました。封筒の中には注意事項や同意書、大量のマスク、体温計、パルスオキシメータ(酸素濃度を測る機器)などが入っていました。
ホテル生活が4日ほど経ってから徐々に味覚が戻ってきたのですが、嗅覚は一向に戻ってくる気配はなく、今現在(2021年3月15日)もにおいを感じないまま生活をしています。

療養施設での生活スケジュール

ホテルでは朝8時頃に部屋の電話が鳴り体調確認をされます。正確には体調確認は写真のように全てLINEで行われていて、電話ではLINEで回答をすることを忘れないようにと伝えられます。僕は全ての電話に出ていたので分かりませんが、電話に出ないとスタッフが部屋まで来て生存確認をするというようなことが注意事項に記載されていた記憶があります。

ちなみに後々聞いたところによると、このホテルにはこの時100名以上の感染者が集合していたそうです。

その後、9時頃に朝食があります。食事は毎食準備ができたら全館にアナウンスされ、ロビーに置いてある弁当を各自取りに行くというシステムになっています。

次に12時頃に昼食です。昼食を終えてしばらくするとまた部屋に電話がかかってきて午後の体調確認をします。

最後に18時頃に夕食があり1日が終了するといったタイムスケジュールでした。
※編集部注、弁当の写真は後日の取材により、神奈川県医療危機対策本部室様から提供いただいた「ある日の3食の例」であり、実際にはこのような弁当が日替わりで用意されます。

ホテルの弁当は味が薄い上に、とても冷たくて全く美味しくありません。部屋に電子レンジがないため温めることができず、毎食冷たいのを我慢して食べていました。最初の方は味覚がなかったため、何も感じずに食べていましたが、味覚が戻ったあとは食えたもんじゃないということに気づき、毎食なんとか食べられそうなおかずを探して、それだけを食べるという風にしていました。

その結果、ホテル生活を通して4キロほど痩せて良いダイエットになりました。とにかく味が濃いものを食べたくなり、コッテリ系ラーメンの写真を見たりするなどして気持ちをなんとか紛らわせていました。飲み物は、食事をロビーに取りに行く際に水とお茶が置いてあり、必要になったら取るといった形でした。食事で全然満腹にならないため、水分で腹を膨らませようと毎日2L以上の大量の水分を摂取していました。

結局何日間隔離された?

隔離期間はうろ覚えですが、コロナ陽性と診断されてから10日以上かつ無症状が3日以上続いて初めて隔離が終了したような気がします。僕は先ほども述べた通り、陽性と診断されてから2日間は家で療養していたので、ホテルで隔離されていたのは8日間でした。ただ、ホテル生活の2日目には既に熱が完全に下がっていて、だるさなどもなかったため、かなり退屈な時間を過ごしていました。ホテルにパソコンを持って行っていて、することが何もなかったため1日12時間以上パソコンを使って仕事や勉強をしていました。

どんな対応だったか?


ホテルではスタッフとの接触は一切ありません。もちろんルームサービスなどもなく、孤独との戦いでした。

弁当を取りに行く以外で部屋を出ることは許されず、喫煙者はタバコを吸うこともできないため、強制的に禁煙せざるを得ない環境でした。私はライトスモーカーのためそこまでしんどいとは感じませんでしたが、ヘビースモーカーの方にとってはコロナの症状より辛いかもしれません。

感染経路


感染経路は不明です。友達や会った人にコロナになっていた人がいないので、本当にどこからもらってきたのか分からないです。ただ、年末の忘年会シーズンで新宿の居酒屋やカラオケに行ったりもしたのでそこでうつったのだと考えられます。

僕がコロナ陽性と診断された前々日に8人くらいで食事をしたのですが、濃厚接触者と認定されたのは僕の左右と前に座っていた人のみで、他の4人は濃厚接触者にはならなかったので、意外と簡単には濃厚接触者にならないということが分かりました。また、その濃厚接触者となった3人のうち1人がのちにコロナ陽性と診断され、僕が1人うつしてしまいました。
一緒に住んでいる家族はみな無事陰性と診断され、思っていたよりコロナは感染力が低いウイルスだと感じました。

COCOAに関して

僕はCOCOAをインストールしていませんでした。陽性と診断された後、保健所の方からCOCOAを使っているか聞かれましたが、使ってないと答えただけで、インストールするように促されたりなどは一切ありませんでした。

最後に

僕はこの年の割にはかなり重い症状だったと思います。いまだに嗅覚がなかったり、熱が40℃以上出たり、かなりしんどい思いをしました。僕はリモートでも仕事ができる環境だったからよかったものの、親はリモートワークではなかったため2週間給料が出ない状況になってしまい、申し訳ないことをしたなと感じています。自分がしんどい思いをするだけでなく、他の人にうつしたり、濃厚接触者にして行動を制限させてしまったりなど、他人にかなり迷惑をかけてしまうので、ワクチンが普及するなど一刻も早くこの状況が改善されることを願います。

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