たいへんよくもえました【2022年3月後半のSNS炎上ニュース】

燃やしている場合なのか、世界

現実世界での「戦争」が終わらない中、炎上ウォッチの記事を書いているのがだんだんと心苦しくなってまいりました。ネット炎上ウォッチャーのせこむです。
いや書きますしウォッチしますけどね。現実世界が大変な分、炎上としては火力が微妙なものも続いていますが、前回も述べた通り「ネット上で大規模火災が起こらないのは平和な証拠」と思っておいてくださいませ。

2月前半の炎上ニュースで言及した『大怪獣のあとしまつ』に関して、プロデューサーたちが語った記事が原因でさらに炎上したという思わぬ燃え残りもありましたが…

参考:オリコンニュース▶映画『大怪獣のあとしまつ』プロデューサーを直撃「予想以上に伝わりませんでした」

3月後半は、若干ゲス成分多めの炎上がラインナップされております。いつものように🔥の数は独断と偏見の炎上度合いバロメーターで、5つ星が満点です。

2022年2月後半〜3月前半の主な炎上

①すとぷり、ななもりの事実婚や不倫暴露騒動でななもりが無期限の活動休止へ 🔥🔥🔥🔥
参考:しゅとブログ▶なーくん(ななもりくん)は炎上系?すとぷり社長の黒い疑惑を暴露!

②東海道新幹線 お子様連れ専用車両で賛否両論 🔥🔥🔥
参考:JR東海▶

③コイ稚魚放流、環境への影響を指摘され炎上 🔥🔥
参考:ENCOUNT▶コイ稚魚放流でまさかの炎上 外来種が与える影響を「池の水ぜんぶ抜く」専門家が指摘

④木下優樹菜さん、離婚を巡る発言が物議&「伝説の92」トレンド入り 🔥🔥🔥🔥
参考:デイリーニュースオンライン▶実はフジモンに非!? 木下優樹菜の「慰謝料もらう立場」発言がネットで物議

ネット民的に話題になっているのは①すとぷり騒動でしょうか?
Youtubeやツイキャス、配信などを中心に人気を誇るグループ「すとぷり」。Webやメディアへの出演は各メンバーの姿がイラストキャラというのもその文化に馴染みのないおっさn……じゃなくて世代の方々は面食らうところですが、現実として若年層を中心に絶大な人気を誇るのです。
そんな次世代のアイドルに急遽巻き起こった醜聞。というかこれも最近多い「コレコレ案件」なわけですが、言及したコレコレ(Twitter:@korekore19)氏の配信を聴いてみたところ、ローティーンのファンが多いせいか「擁護のつもりで凸してくるファンもその家族も頭が悪い地獄の状況」と辛辣な言葉を放っていたのが印象的でした。そのせいか、若干燃えてる様相がこれまでの炎上とは違うような気もしなくはない。

②お子様連れ専用車両は東海道新幹線が期間限定で設置している車両で、そのキャンペーンをSNSで行ったところ思わぬ方向の賛否が湧いた案件です。個人的にはコロナ禍で移動が制限されているこのご時世、販促に繋がる企画は良いことでは? と思ってしまうのですが、この「#お子さま連れ専用車両」のハッシュタグをたどると「こんな車両作らなくても親が躾ければいい話」という意見が山ほど湧いていて、地獄が垣間見えます。
いやいいじゃんよ、新幹線空いてるんだしさ……ダメ? みんなイライラしてるんだなあ、と遠い目になった案件です。

③コイ稚魚放流の件は「生き物界隈」でちらほら観測される事例。コイや金魚、メダカや川魚稚魚の放流はよほどの専門家が監修していない限りほぼ100%批判されていますが、「学習」の名のもとに行われ続けてしまうんですよね……。ちなみに似たような事例で「EM菌による水質浄化イベント」というのもあるのですが、こちらには非常に根深い闇があるのでまたの機会に。

今回の「たいへんよくもえました」 

ということで、残る炎上は④木下優樹菜さんの件でございます。

いやー、驚きましたよね。何に驚いたって、突如ツイッターのトレンド欄に現れた「伝説の92」の文字。え、今? 令和だよ!? 何ごと!?!? と驚愕して詳細を調べてみたところ、この木下さん案件が出てきて「あぁ……」となったのでした。

――ケムール読者の皆様は覚えていますか?「伝説の92」を。
ご存じない方、あとで説明しますね。

まずはこの炎上の経緯から。
発端は木下優樹菜さんの元夫であるFUJIWARAの藤本敏史さん3月13日に放送された読売テレビ『もんくもん』にて子どもの養育費に関して聞かれ「学費は……学費も僕が全部(払っている)」と発言したこと。本来、離婚家庭であれば子供のための「養育費」は払う義務があるものの、学費がそれに含まれるかどうかは当事者によるケースバイケース……というか養育費の中から払うのが一般的。そのため「養育費に加えて学費も全て払っているのでは?」という意見が沸き起こることに。

折しも、木下さんの写真集『CORRECT』の発売が3月17日。記者会見が行われたこともあり、この日に木下さんがインスタグラムのストーリーズでこんな発言を投下します。

「今日はひさびさの記者会見でした。(中略)元旦那さんの発言により一人歩きしている学費だったりの件については 離婚する際に本来私は慰謝料をもらう立場でしたが そういったものは私は、もらわないと決め、彼自身、2人の父親として“学費”だけは払う という事になったので 彼の発言が様々な憶測を呼び起こし色々な報道のされ方をしてますが生活費などは一切もらっておりません。」(原文ママ)

物議を醸したのは、この「離婚する際に本来私は慰謝料をもらう立場でしたが」の文言です。慰謝料というのは本来、何らかの形で「責」がある方……つまり「有責」である側がもらうものですね。この有責には色々なケースがあるのですが、一般的なのは「浮気」「暴力」「生活を破綻させるようなギャンブル・借金」など。精神的な暴力、いわゆる「モラルハラスメント」も近年は有責理由として認められることが多くなっています。
夫婦間でもどちらかが「有責」とならず、性格の不一致で離婚する場合は、大抵は共有財産を分けあって終わりとなります。
つまり、木下さんの主張からは「自分は有責ではなかった」と読めるわけです。これが原因となり、木下さんの発言の真意を問う意見がSNSで大量に発生することになりました。

藤本さんへの同情が各所で沸き上がり、即日発火

 

炎上ウォッチャーの意見

というのも、木下さんと藤本さんが離婚した際、大きく話題となったのは木下さんの兄弟が経営に関わるタピオカ店を恫喝したという「タピオカ騒動」でした。

参考:文春オンライン▶“タピオカ恫喝”木下優樹菜に司法判決《事務所総出》は「脅迫」《おばたん♡》は「原告を嘲笑」 木下側の“トンデモ主張”も

この件が裁判沙汰にもなる大騒動へ発展したこともあり、もとから夫婦間にあったすれ違いが大きくなったのでは? と思われていたお二人の離婚なのですが、そのタピオカ騒動を起こしたのは木下さん。
そのため「木下さんが有責のはずなのに、なぜ藤本さんが学費まで払わされているの?」と疑問に思うネット民がどこからともなく集まり「木下さんが『慰謝料』の意味を勘違いしている」と推測し、燃えはじめたわけです。

 

その木下さんの言動を例えたのが、冒頭にあった「伝説の92」です。
――今は昔。2007年のちょうど今ごろ、3月のことです。
2chスレに「自身が不倫をしたにも関わらず『女性なら必ず慰謝料をもらえる』と思いこみ、相談を書き込んだ女性」がいました。

「92」の最初の書き込み

彼女の浮気への責任感を感じられない言動は、2ちゃんねらーに衝撃を与え、強く記憶に残りました。

怒り、困惑する2ちゃんねらーたち。くしくも3月のことだった

そして「残念な女性」の典型として2ch史に語り継がれ、いつしか「伝説の92」と呼ばれるようになったそうな。
有名な「電車男」が2004年ですから、「伝説の92」は2ch発のネットミーム黎明期の出来事と言えるでしょう。

余談ですが、「5ch家庭板・生活板まとめ」も大好物な自分からするとこの「伝説の92」は今でも頻繁に目にする「常識的な用語」であることを付け加えておきます。いやー今どうしてるんでしょうね彼女。

その「伝説の92」が、木下さんの発言によって15年の時を経てトレンド入りしてしまったというわけです。

参考:アニヲタwiki▶92「すみません。女性でも払うんですか? 離婚するんですけど・・・?」

伝説のままであってほしかった

 

ただ!

ここで声を大にして言っておきたいのが、あくまでも今回の木下さんの件は私たち外野の「推測」であり、当事者たちがどうだったかはわからないよ? ということ。
木下さんが具体的に有責だったという「事実」が報道されたわけでもなく、私達が離婚協議書を読んだわけでもありません。この炎上は、お二人の離婚当時の炎上のイメージから派生した「推測による再燃」とも言えるでしょう。
ちなみに、いきなり「慰謝料を払っているということは、実はフジモンのほうが“有責”だったのではないか」とも取られかねない暴露をされてしまった藤本さんも大変だなーと思います。

もしかしたらこれに関しては、数日中に何らかのアクションがあるかもしれませんね。

木下さんを擁護する意見も

 

教訓:”推測”の余地を残すな

木下さんのように一度燃えた人が、そのとき「当事者以外には真偽が不明な状況を残したまま鎮火したケース」だと、その不信感や邪推が可燃材料となって再燃しやすいんだな……というのを今回しみじみ感じましたね。

もちろん芸能人といえどもプライバシーはありますから、全てを公にする必要はないと思います。それでも、おそらく今後まだまだ似たような状況は起こることでしょうし、木下さんが芸能活動復帰を目論んでいる以上、炎上からは縁が切れないことでしょう。

そして、今回この騒動に言及してる人たちを見て思ったのですが……みんなそもそも「何で離婚したか」をわかってないor忘れてる人が大半じゃない!? ということです。

まあ、ゴシップなんてそういうものですよ? ただ、ネット関係の誹謗中傷での訴訟がやりやすくなった昨今、思い込みやあやふやな記憶を元に面白おかしく言及すると、名誉毀損訴訟のターゲットになる可能性も大きいのではと思っています。

というわけで、「燃える方」も「燃やされる方」も共倒れみたいな案件って何も得しないし気をつけようね。でも意外とこういう「第三者にとってはどうでもいい案件」にそういう火種ってありそうだな……というのを実感した炎上でした。

文・せこむ

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