どうもこんにちは。三度の飯よりネット炎上が大好きな野次馬・せこむです。
さて、実はこの連載、「Youtuberがらみの炎上」に関しては、あまり全面的には取り上げてきませんでした。
というのも彼らにとって炎上というのは厄災というよりもはや「飯の種」。
取りあげれば再生回数を伸ばすだけで彼らにとっては思うつぼ……はい、偏見なのは認めます。
中には意図的に火消しせず炎上が起こるのを放置しているような場合も見受けられ、取り上げることで目論見に乗るのもなあ……と思っていたのですが。
今回はさすがに、騒動の大きさと各ニュースサイトの反応もあり、メインテーマとして取り上げてみました。
「Youtuber? 東海オンエア? 誰それ?」という人、これを読めばあなたも明日から若者たちと話が合わせられるはず(たぶん)。
職場でおじさん・おばさん扱いされないための基礎知識として、まずは騒動の時系列から確認していきましょう。
そもそも騒動の発端&時系列は?
人気Youtuberグループ「東海オンエア」のメンバー、「しばゆー」の妻「あやなん」が、突然Instagramのストーリーズでしばゆーへの離婚表明をしたことから騒動が勃発。
時系列で起こったことを記していきます。
10月16日 あやなんがInstagram上で突然の「離婚表明」。長文のストーリーズの内容はしばゆーと東海オンエアの活動、そして特にリーダーのてつやへの不満表明が中心。
その後、しばゆーとあやなん夫婦、SNS上で泥沼の言い合いを繰り広げる。
10月17日 あやなんよりもしばゆーの暴走が顕著に。てつやへの暴言のみならずてつやの局部が写った動画や発表前の音源を出すなど明らかにやり過ぎの行動に、最初は面白がっていたネット民たちもざわつき出す。
10月18日 しばゆーの暴走止まらず。
この日、あやなんは東海オンエア10周年の次の日の出来事、レコーディング現場にしばゆーに呼ばれて行ったことをてつやに後から長文で責められたことを暴露。ネット上ではこの行動についても賛否両論に。
リーダーてつやがyoutubeで說明、あやなんのネットリテラシーの低さを諌め、しばゆーは人前に出られる状態ではないと発言。
10月20日 あやなん、てつやと東海オンエアへの不満を表明するツイートを繰り返す。
10月25日 てつや、謝罪表明。しばゆーがパニック障害で入院していることと、しばらくの活動休止を宣言。有明アリーナで予定していた10周年イベントも中止とのこと。
10月26日 あやなん、てつやから土下座謝罪があったとツイート。
10月29日 あやなん、ネット上でのバッシング対策か精神ストレスから緊急搬送されたとストーリーズで公表するも、滝沢ガレソからホストとディズニーランドデートしていたことをバラされる。
10月30日 あやなん、しばゆーもあやなんも双方公認の「セカンドパートナー」がいること、公認なので浮気ではないと発表。
11月4日 あやなん、てつやと身体の関係があったことを暴露する。しばゆーが暴走時にも発言していたことではあるが「今さらそんな男女のプライベートな情報を暴露するのはどうなのか」とネット民からさらにバッシングを受けることに。
この後は、あやなんのネット上での煽るような発言はまだ続いているものの、しばゆー&東海オンエア側が静観しているため一応沈静化しているというのが現状です。
そもそも東海オンエアとは?
Youtuberの動画を普段から見る人とそうでない人ではっきりと反応が分かれた今回の騒動。
今回の騒動で東海オンエアのことを知った人のために、彼らに関する基礎知識がこちらです。
愛知県岡崎市に拠点を置く6人組YouTuberグループ。
高校の同級生メンバーを中心に結成され2013年よりYoutube動画の投稿を始める。メンバーの年齢は現在29〜30歳。有名Youtuberが多数所属する「UUUM」に所属し、登録者数は700万人ほど。
ちなみに有名どころの登録者数はヒカキン1190万人、はじめしゃちょー1070万人、フィッシャーズ833万人と考えると、その人気度が把握できるはず。
基本的にはネタ動画やドッキリ動画が多く、その等身大感と体を張る姿、変わらない関係性を魅力に感じているファンが多い。
「地方に在住しながらYoutubeで稼ぐ」というスタイルのある意味先駆者的存在でもある。
リーダー・てつや氏の妻は元AKB48の峯岸みなみ。
では、ある意味今回のお騒がせの火種ともいえる「あやなん」についても紹介しておきましょう。
ツイキャスから活動を始め2015年にYoutuberに。
2016年にしばゆーと「しばなんチャンネル」を開設、しばゆーと結婚。その後2児を出産するも、たびたびお騒がせを起こしている人物としても知られる。
あやなんとはどんな人物か。彼女の起こしてきた炎上騒動を軽くまとめますと……
◯2021年6月 自分の意向でしばゆーと次男と別居していることを公表。東京と東海オンエアが活動する愛知県とで別居婚を行っているという状況を話すものの、「それは子供たちのために良くないのでは?」と主に子持ち層の反感を買い叩かれる騒動に
◯同年6月24日 緊急事態宣言下にもかかわらず誕生日パーティーを行ったことを週刊文春に暴露される。これに関しては参加していた人気Youtuberたちがのきなみ謝罪を表明する事態になる、会場となった飲食店を経営していた人気Youtuber、水溜りボンドのトミーが活動自粛になるなどの余波もあり、あやなんへのバッシングが起こる炎上状態に
◯2023年10月24日 今回の件に関連し、暴露系配信者コレコレの配信でイケメンYoutuber・たくとが住み込みであやなんの子供のベビーシッターをしていたものの、あやなんがyoutuberと遊んでばかりいたことが暴露される。→この件に関しては後日たくとは否定、育児はあやなんとあやなんの母が行っていると說明
今回の事も含め、プライベートの経緯をすべてSNSに晒すようなメンタリティや、育児に関する言動などで非常にアンチが多い人物といえるでしょう。
ちなみに今回の件、初期は「夫が育児に協力的でない」ところに共感した子持ち女性層があやなんの味方をしたものの、あまりにも攻撃的な発言と「セカンドパートナー」の存在で一気にその層も手のひらを返した模様。
グループYoutuberの崩壊、なぜ起こる?
さて、今回ですが、「グループYoutuberというものの難しさ」という点からこの騒動を読み解いていきたいと思います。
近年、Youtuberの炎上騒動というのはたびたび起こりますし、いい感じに人気が出てきているものの活動休止するグループも。
・ヴァンゆん
→カップル的な匂わせがある意味魅力のチャンネルでもあったものの、「チャンネル登録者数が250万人に行ったらプロポーズ」という企画が炎上するなどそういう点でもお騒がせだったYoutuber2人組。ゆんの結婚により解散を発表。
・はなおでんがん
→UUUM所属の人気理系Youtuber2人組だったが、方向性の違いで2023年3月に解散。
・アバンティーズ
→メンバーの水難事故による他界と、残された活動メンバーにも体調不良等が相次ぎ2022年9月に活動休止を発表
上記はかなりの有名どころなので話題となりましたが、チャンネル登録者数を伸ばしはじめていたところで活動休止になってしまったというグループはかなり多いのでは?
では、なぜ「グループYoutuber」の存続が難しいのか。グループであること、Youtuberという職業の特性という2つの観点からポイントを挙げてみましょう。
Youtuberの場合、友達同士でスタートした東海オンエアを始め、「ビジネス」として始まったものではない関係性が多いこと。
それぞれ大人になっていくと家族が増えたりとライフステージが変わっていき、それにより関係性の継続が難しくなる……というのは誰でも身に覚えがあるのでは?
社会人になって話が合わなくなった中高の同級生とか、誰でも1人や2人はいるはずです。
グループだけなら人間関係のバランスが上手く取れていても、今回のあやなんのように「配偶者」という存在がトラブルの火種になることは往々としてあるものです。
メンバーと反りが合わなかったり、配偶者を通じて運営方針に口を出してきたり……ときにはいわゆる「サークルクラッシャー」的存在になることもありえるでしょう。
また、グループのファンが妻のアンチに転じることも多く、妻が叩かれるとグループの人気自体が下がることにも繋がります。
東海オンエアの場合もてつやがあやなんを嫌がったのもなんとなくわかります……。
この「メンバーの配偶者がファンに嫌われる」は、一定以上の年齢層の人なら「SMAPにおける工藤静香の存在」と言えばわかりやすいかと。
Youtuberの場合、芸能事務所のように他にブレーンがいるわけでもなく、「コンテンツづくり」のノウハウがない事が多い。
自分たちでネタも作り上げなければいけない上に更新頻度のスピードも求められるため、動画のネタの行き詰まりからいわゆる「炎上」や、プライベートさらしなどに展開しがちです。
東海オンエアの場合も、しばゆーの風俗通いが動画に酔って暴露されたことなどがあやなんの怒りのポイントと言われています。
しかしそういった「プライベート切り売り」や炎上が再生数にも繋がり、そういう傾向に行くと本人たちが追い込まれてしまうがもはや止められない……という諸刃の剣。
しばゆーが精神的に疲弊してしまったのも、こういうYoutuberならではの状況が関係していると言えるでしょう。
Youtubeはいわゆる「芸能界」のようにメディア対応などが成熟していないジャンルなので、こういった暴露では止めてくれる「リミッター」がなく、エスカレートしがち。
芸能人の場合は事務所やスポンサーの存在が影響しますから、SNSなどでトラブルを起こしてもかなり早い段階でいわゆる〝大人たち〟に止められたり、「火消し」が行われるのです。
「何か起こしたらメディアに出られなくなる」というのは〝圧力〟でもありますが、ある意味〝抑止力〟でもあったんだなあ……と今回の騒動を見ていると実感します。
これは①の関係性の変化とも影響し合うのですが、そもそも〝長続きするグループ〟と〝長続きしない〟グループは、グループ結成の段階で決まっていると言えます。
一般的に、圧倒的に優秀なリーダーがグループを牽引するタイプのグループは比較的安定している場合が多いように思いますが、リーダーシップを取りたい人が複数いると揉めて分解することが多々……。
お騒がせ炎上を度々起こすYoutuberのレペゼン地球なんかは、どちらかというとリーダーである「DJ社長」が牽引している典型的なグループと言えるでしょう(リーダーシップがあっても炎上する、という例でもありますが)。
1つのグループに圧倒的才能が2人以上いると揉めるのはビートルズの例を出すまでもないですが、当初こそリーダーについていくタイプだったものの、メンバーの〝変化や成長〟により徐々にリーダーシップを発揮するようになって……というケースもあるのでこれもまた難しい。
また、強烈なリーダーシップは〝モラハラ〟とも紙一重。これもグループ自体のステータスの変化により「もうついていけない」となるメンバーが出てくるのもよくある話です。
欠かせない要素の一つでもあります、「お金」。儲かっても儲からなくても、常に「揉める火種」となりかねないもの。
グループ内での取り分に格差が出てくると揉め事の原因になりがちですし、実はYoutuber界隈、いまショート動画に視聴者の嗜好が移っており、長時間動画の再生数が減ってしまっている分、どのYoutuberも収入がのきなみ減ってきているという業界全体の問題が勃発しています。
また、Googleが突然1再生あたりの単価を下げるということもよく起こるわけで、再生回数に紐づいた収入に関しては非常に不安定な状況。
しかし動画の更新頻度を下げるわけにもいかないという、このつらい状況もストレスの一端になっているのでは? と邪推するわけです。
私たちはグループYoutuberをどう楽しめばいい?
東海オンエアをよく知らない人からすると「なんか揉めてるなあ…」というくらいの出来事かもしれませんが、さすがに日本でも上位クラスのチャンネル登録者数を持つYoutuberだけに、今回のトラブルに関し心を痛めているファンは相当数います。
特に東海オンエアの場合は「いつまでも高校生時代の友達感」が濃厚に出ている彼らの関係性が好きだったというファンが多いため、今回の騒動でも怒りよりも「困惑」や「心配」というニュアンスで言及していた人たちが多かったのが印象的でした。
有明アリーナで予定していた10周年イベントを中止するとのことで、違約金もかなり抱えることになる東海オンエア。
「銀のさら」など彼らを広告に使っていたスポンサーもあり、影響はかなり大きいと思われます。
彼らの状況を見て、明日は我が身と兜の緒を締め直したYoutuberたちも多いのではないでしょうか。
ただ、これは彼らの動画を楽しみに見ていたファン、そして今ほかのグループYoutuberを推している人に伝えたいのですが……「グループYoutuberはいつか活動休止or解散するもの」
というのが大前提だと思っていたほうがいいのではないでしょうか。
友達同士のようなワチャワチャも、いつメンの安定したノリも、「またくだらないことやってるなぁ」と思わせてくれるバカ企画も。これも、〝いまこの瞬間〟安定した関係性があるからこそ可能になっているもの。
むしろこれはいつか崩壊することを前提とした〝一瞬のきらめき〟であり、その関係性が危うくなってきたらそれはそれで危うさや彼らの苦悩すらも〝消費される〟ものなのです。
これは、アイドルグループの楽しみ方にも似ています。ただ、アイドルグループの場合事務所やプロデューサーといったたくさんの大人とお金が動いているため、こういう崩壊に関してはギリギリまで抑止力が働くもの。
そういう意味ではYoutuberの場合はそのスピード感が非常に速いものと言えるでしょう。あ、地下アイドルには似ているかもしれないですね……。
だから、視聴者としては「いつかグループは終わるもの」というのを覚悟し、そういった「関係性の変化込みで楽しむ」。これがグループYoutuberを楽しむための正しいアティテュードとここで提唱したいと思います。
崩壊しないグループを作るためには?
もしもこれを読んでいる「グループYoutuber」の方がいたとしたら、長続きしたかったらぜひ上記の「グループYoutuberの崩壊、なぜ起こる?」を参考に、グループの継続を目指して頂きたいと思います。
安易にプライベートの切り売りはしない! グループ内のパワーバランスに気を配る! お金で揉めない! 嫁ができても運営に口を出させない! などなど、教訓にできることはたくさんあるはずです。
といっても前述のようにいつGoogleのさじ加減1つで収入源が途絶えるかわからない一か八かの世界。
お騒がせと炎上を武器に、「名前を売る」ことを目的にして最速で駆け抜けていくのも一つの方法ではあるといえるでしょう。
かなり地雷原が埋まっている道ではあると思いますが、それはそれで「選択」であると思います。迷惑系動画だけはやめてほしいですが。
Youtuberというジャンルはある意味今〝過渡期〟とも言えるので、数年後にはまた状況が変わり、芸能界のような抑止力が持てるなど、成熟を見せていくのかもしれません。
トップYoutuberたちの勢力図の変動も含め、「変化」も込みで楽しみたい……そう思うのです。