たいへんよくもえました【2022年4月後半のSNS炎上ニュース】

オッス、オラ炎上ウォッチャーのせこむ!
趣味はTwitterとtogetterまとめと5chの巡回!三度の飯より炎上が大好きなんだ!
最近派手な炎上がなくてオラ寂しかったんだけどもよ、なんか最近また景気のいい火種が見えてきたじゃねえか! オラわくわくすっぞ!!

……今の気分を『ドラゴンボール』構文で表してみました、こんにちは。
世界情勢もあり、「炎上」という現象自体がなんだか不謹慎な気がしていたここ1〜2ヶ月でしたが、やっぱり燃えますよねー。というわけで早々に本題に入りたいと思います。

いつものように🔥の数は独断と偏見の炎上度合いバロメーターで、5つ🔥が満点です。

2022年3月後半〜4月前半の主な炎上

① 吉野家取締役常務・早稲田大学の講義でマーケティング戦略を「生娘をシャブ漬け」と表現 🔥🔥🔥🔥🔥
参考:ビジネスインサイダー▶吉野家 常務「生娘をシャブ漬け」発言:早稲田大「直ちに降ろす」と声明

② 日経新聞に掲載されたマンガ『月曜日のたわわ』全面広告が物議
🔥🔥🔥🔥
参考:ナタリー▶「月曜日のたわわ」全面広告が日本経済新聞に「不安を吹き飛ばし、元気になってもらうため」

③ 『ゴールデンカムイ』実写化の報に懸念の声 🔥🔥🔥
参考:週刊女性プライム▶『ゴールデンカムイ』実写化に「どうせ橋本環奈」、キャスト発表前に始まった炎上と彼女の“心境”

④ ロシア語表示を消した恵比寿駅の案内板に批判殺到 🔥🔥🔥。
参考:毎日新聞▶ウクライナ侵攻 ロシア語案内板覆い隠す ネットで批判⇨元通りに JR恵比寿駅

⑤ 佐々木朗希を地上波放送したテレ東、テレビCM流しすぎて炎上 🔥🔥🔥
参考:毎日新聞▶「英断」と称賛の声が一転…佐々木朗希を地上波中継したテレビ東京がCM74本で大炎上

盛りだくさんだなあ、オイ。順番に紹介していきましょう。

まずは①吉野家・常務が「生娘を……はい、今回のメインはコレです。有無を言わさずコレです。
ですので、後ほどゆっくり語らせていただくことにしましょう。次、次。

②月曜日のたわわ。実はこれもちょっと悩んだんですけどね……色々様相がややこしいことになっていまして。発端は2019年に起こった『宇崎ちゃん』騒動とほぼ同じ構図なんですが。

参考:プレジデントオンライン▶「胸が大きいだけの萌えキャラ」がセクハラ認定された本当の理由

4月4日の日経新聞に、マンガ『月曜日のたわわ』単行本発売の全面広告が載ったことで、「新聞に胸の大きな女の子のイラストが載ることはいかがなものか」「『月曜日のたわわ』というマンガの内容を考えてもこれはふさわしくないのでは」と物議をかもした……のはまだいい。
この騒動にハフィントンポスト誌が「見たくない表現に触れない権利」という文言を載せた識者インタビュー記事を載せたことから、「表現の自由の観点からもその考え方は問題では?」と反論が起こることになたのです。

参考:ハフィントンポスト▶「月曜日のたわわ」全面広告を日経新聞が掲載。専門家が指摘する3つの問題点とは?

さらに、国連女性機関まで登場。

参考:ハフィントンポスト▶国連女性機関が『月曜日のたわわ』全面広告に抗議。「外の世界からの目を意識して」と日本事務所長

じゃあその「国連女性機関」の抗議が正当なの? という問題や、内閣府がアンステレオタイプアライアンスの規約を知らなかった件など、政治も絡んでの延焼が展開しています。次回の記事公開まで燃え続けてていたら取り上げるかもしれません。
炎上memo:

③ゴールデンカムイ実写化は、コミックス最終巻の帯に実写化の報が書かれていたことが判明、ファンが「いや大丈夫か?」と勝手に懸念して炎上という「考えすぎ炎上」です。まあ、自分もファンなので同じ思いですけどね。「この監督・キャストだけは嫌だ」と一方的に名前を出された監督や俳優さんたちがTwitterのトレンド入りしたのはもう、ご愁傷さまとしか言いようがありません。

④ロシア語看板撤去は恵比寿駅が、「不快だとクレームが来た」という理由でロシア語表記を隠してしまった件。無知と思考停止は新たな差別を生むという典型的な例だと思います。
⑤野球番組でCM75本は……いやあ久しぶりにこういうほっこりニュース、見た気がします。ほっこりでもないんですけど。こういうネタが出てくるのも、スポーツで盛り上がれる世の中があってこそだなと。テレ東、張り切っちゃったんだろうなあ……。

今回の「たいへんよくもえました」

というわけで、改めて。
今回メインで解説するのは、①吉野家「生娘をシャブ漬け」マーケティング戦略ですね。
流れとしては、
4月16日 早稲田大学の社会人向け講座にて、吉野家の常務取締役がマーケティング施策について講義。若い女性をターゲットにしたマーケティングについて「生娘をシャブ漬けにする」戦略と表現したことがFacebookで告発されました。

投稿は4月16日の17時53分

4月17日夕方頃、Twitterに転載され、着火。猛烈な勢いで炎上します。


4月18日 吉野家が公式サイトに「当社役員の不適切発言についてのお詫び」を掲載するが、なんとpdfの作成者名が不適切発言をした役員になっていたことから「自分でお詫び文書いてんじゃねえよとさら爆発炎上を招く結果に。4月19日に予定されていた吉野家の新商品「親子丼」の発表会中止もこの日に決定する。
また、早稲田大学も該当講座の講師を解任することを発表。

4月19日 吉野家が該当役員の解任を発表。該当の取締役が社外アドバイザーをつとめていたアクセンチュアも契約解除を発表。

いや凄い。ドミノ倒しのような対応の連鎖。しかしそれもこれも、あまりにもこの常務が口にした言葉が強かったんですよね。
「生娘をシャブ漬け戦略」
令和の時代に、こんな言葉をまさか目に、耳にするとは思いませんでした。若い女性をいかに吉野家に取り込むかという戦略で「上京したての若い女子大生に吉野家の味を知ってもらう」という意味で言ったらしいですけどね……。今どきVシネマでも聞かないですよこんなワード?
この言葉のあまりにも強いインパクトが、今回の大火力の源だったのだと思います。

炎上ウォッチャーの意見

実はこの炎上、ちょっと別の側面から見てみるといろいろ興味深いです。「常務ひどいな!」「解任されてザマァ」的ないつもの炎上反応はもちろんなんですが、別の「場」に行くと少し違う反応があるんですよね。
「そんなに過剰に反応すること?」
「マーケティングの授業なんだから、言葉の選び方は不適切だったかもしれないけど言ってることは合ってる」
「こんなことで炎上するようでは冗談も言えない」的な反応。
TwitterよりもFacebookやNewsPicksのと言ったビジネスに親和性の高いSNSのコメント欄にこういう方たちが多く観測できるのが特徴かと。

写真はNewsPicksのコメントより。

単に「言い方」の問題なのだろうか

ほぼ問題視していないユーザーも

この手のコメントは、「あーあ、やっちゃったよねー」的な若干「ルーザーを見る視線」が垣間見られることも特徴です。確かに該当の取締役、P&Gで数々の商品を手掛けた後に退社、吉野家はじめ何社もの外部取締役やコンサルタントをつとめ、自分の名を冠したセミナーも開講と、ある意味、マーケティングの世界で生きるエグゼクティブたちからするとモデルロールのような人だったと思われます。だからこそのマウンティングでもあるのでしょうね。
かつ、今回の炎上で騒いでいる人たちを「下」に見ている目線も感じられます。そもそも、今回炎上した理由って「商品顧客層に対する根本的な蔑視が垣間見える」ところなんですけどね。だって自分のところの商品を「シャブ」扱いですよ? 他にもセミナーで言ったとされる「男に高い飯をおごってもらえるようになれば絶対に食べない」とか、それらの発言から垣間見える「商品への愛情のなさ」がTwitter民の反感を買った。そしてそれについて「蔑視を隠そうともしない」人たちがコメントしている様子。なかなかに趣深い地獄絵図です。

教訓 「安ウマ飯」の恨みは怖い

まあ常識中の常識ですが、「クローズドな場であれ、下品な言葉は使わないのがベター」。今はどんなことが流出するか、そして火種になるかわからないですからね。

あと。これはあえて言いますが、今回燃えた理由は「吉野家」というTwitter民と親和性が高い店だったから、これだと思います。Twitter民、「安くて美味い店」、特にチェーン店を揶揄されると「この店を愛する俺たちのことを金持ちはバカにすんのかあ!」と激高しがち。だからサイゼリヤネタも定期的に燃えがち。これが例えられたのが「ミシュランの星付きレストラン」だったら絶対燃えてませんから。

そう考えると、今後「揶揄すると燃える可能性がある飲食店」がなんとなくわかるような気がします。富士そば? スシロー? 日高屋? マクドナルド? きっとドトールを揶揄されると燃えるけど、スタバだったらそうならない気がする。偏見なのは認めます……なんか例を挙げれば挙げるほどこちらが燃えそうな気がしてきたのでこのへんで。いずれにせよ、「外食産業と顧客をバカにするな」これを肝に銘じておきたいと思います。

文・せこむ

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