お盆も炎上さめやらぬ
みなさんこんにちは。残暑も新型コロナウィルス第7波も燃え盛っている今日このごろ、お元気にお過ごしですか?
行動制限はされなくても周辺にガンガン陽性者が続出する昨今、これが”ウィズコロナ”の日常なんでしょうか。なんだか違う気もしている炎上ウォッチャーのせこむです。
炎上界はといいますと、ちょっと厄介な炎上が立て続けに散見されました。さっそく今回の炎上案件を紹介しましょう、
いつものように独断と偏見の炎上度合い、★5つが満点です。
参考▶Impress Watch(参考リンク切れ)
② 「にじさんじ」の「アクシア・クローネ」が活動休止、「母親ヅラ」発言が話題に ★★★★
参考▶FLASH(参考リンク切れ)
③ 東海オンエアメンバーと峯岸みなみの結婚に際し、ユーチューバーあやなんの過去発言が発掘される ★★★
参考▶週刊女性PRIME(参考リンク切れ)
④ 欅坂オタクの無断駐車に怒ったガスト、ファンを煽る張り紙を実行 ★★★★
参考▶AKB48タイムズ
⑤ サマソニでKing gnuが海外バンドを揶揄し炎上、海外バンド側の言動にも賛否? ★★★★
参考▶超絶”厳選”ニュースまとめch
VTuber、YouTuberがらみの炎上が多い8月後半です。
というかこれまでは正直、配信者がらみの炎上はあえて取り上げていないところもあったのですがーーー、ちょっと今のVTuber界を象徴するような事件だと思い、今回は②Vtuberアクシア・クローネの活動休止騒動をピックアップしてみます。
今回の「たいへんよくもえました」
そもそもVtuberってなんぞや? という人はこの連載を読んでいる人にはいませんよね? いますか?
「バーチャルYouTuber」の略で、2Dもしくは3Dのアバターを使ってYoutube配信をしている人たちのこと。2016年あたりから登場してきたVTuber、今やYouTubeの中でも一大コンテンツ化しており、若い世代を中心に絶大なる人気を誇っています。
……さて。ご存じの方も多いとは思いますが、このVTuber界隈、非常に栄枯盛衰のスピードが激しいです。なにせ生身の人間であるYouTuberとはまた違い、モデリングのクオリティと「キャラの中の配信者(VTuber用語で言うところの「魂」)」の歌やトークのスキル、運営の手腕などさまざまな要素が絡んでくるのがVtuber界隈。
ときになまなましい「オトナの事情」も垣間見え、元祖VTuberとも言える存在で、人気絶頂を極めたキズナアイが分裂騒動の挙げ句に活動休止に至った件も記憶に新しいところです。
参考▶キズナアイ「分人」という分裂騒動 本当に必要だった運営の声明とは?
2018〜2020年頃まではVTuberの次世代を担う存在が人気を争う、まさに群雄割拠状態ではあったのですが、だんだんと人気VTuberをたくさん抱えた大手事務所が台頭しはじめ、今はある意味アイドルグループの“箱推し”的な感覚……つまり事務所単位で好みのVTuberを推す人たちも多くなっています。
一大トレンド「V」の勢力図
2022年8月現在において、VTuber事務所としてトップをひた走るのは「ホロライブ」。チャンネル登録者数は179万人、今年3月には所属VTuberたちが幕張メッセで合同ライブを行うなどリアルなアイドル並みの大人気です。
ちなみに①志倉千代丸氏にBANされてしまったVtuber水無世燐央もホロライブ所属、志倉氏が次に目をつけた? 大空スバルも同じくです。
その「ホロライブ」に追従するのが、今回話題となっているアクシア・クローネが所属する事務所「にじさんじ」。「にじさんじ」といえば、先日株式上場したところ時価総額がなんと1600億円に達したとして話題となりました。VTuberと聞いてピンとこない方々たちも、このニュースでエンタメとしての興行規模を実感できた人が多いのではないでしょうか?
参考▶VTuber「にじさんじ」が上場、時価総額1600億円に達したワケ
この参考記事にもあるように、VTuberのリスクは「炎上」と「活動休止」そしてソトガワを変えて中の人が他のキャラクターになってしまう「転生」。
最初はそのビジュアルの可愛らしさで惹かれる人は多くても、結局人気を出すためには中の人のスキルや人間性が問われるようになるわけで、正直コレは若者にとっては辛いと思います。
同じく「にじさんじ」所属であっという間にチャンネル登録者100万人を達成した壱百満天原サロメなんかは、この「中の人の魅力」で一躍人気が出た典型的な例と言えるでしょう。
売れる「魂」、燃える「魂」
では、今回炎上しているアクシア・クローネはなぜ活動休止に至ったのでしょうか?
アクシア・クローネは2021年7月にデビューしたばかりのまだ歴としては若い(?)VTuberです。ここで重要なのは、VTuberはある意味中の人の“素”を見せることが“売り”なのに、外に見えるビジュアルは魅力的なキャラクターであり、ときに「運営側」は“恋人商法”のような売り方をするということ。
アクシア・クローネも例にもれず、運営によって「男性アイドル」のような売り方をされていたといいます。ゲーム実況をメインにしていきたい本人の移行とは若干運営方針が噛み合わなくなってきた……というか、多分それらの状況が予想以上に過酷だったんだと思われます。
なまじっか「にじさんじ」という人気事務所所属、キャラのデザインも人気の絵師が担当。
すぐに人気者となることが約束されているような恵まれた条件ではありますが、それだけにアクシア・クローネはいきなりファンの欲望の渦に放り込まれたような状態で活動せざるを得なかった、これがなかなかきつかったのではないでしょうか。
悲鳴のようなコメントを出しても「(Vtuberとしての)自覚がない」「甘い」と言われてしまうVTuberの世界、まさに修羅の道です。
「声優オタ」と同じ構造
そもそも、昔から「声優ヲタは厄介なのが多い」というのがオタク界では常識でした。
なぜかというと「キャラ」のファンであり、かつ「中の人(声優)」のファンでもあるというのはイコールなようでイコールではない。
もちろんきちんと距離感を持ち、「中の人」の人格を尊重するファンもいますが、大半のファンは「キャラ」のイメージありきで「中の人」を推してしまうのも無理はありません。
でも、中の人だってひとりの人間です。そんなにアニメの世界のキャラのイメージを強要されてもな……というのが本音でしょうし、だからこそ声優の熱愛・結婚報道が出るとアイドルよりも苛烈な反応が巻き起こるのも常。
個人的には、今回問題となったアクシア・クローネのファンの行き過ぎた対応……他のVTuberやコラボ先に凸するなどは、声優ヲタの巻き起こしてきた数々の“事件”を思い返すと非常に納得がいくものです。
あちこちで「うちのアクシア・クローネをお願いします」と保護者のようなコメントを言いまわるファン。苦言という名の誹謗中傷コメントもされ、アクシアが「そういう母親ヅラ、彼女ヅラをやめてくれ」と頼んでも「あらまあそんなこと言っちゃってウフフ」ってな反応で、まったく響かない。
そりゃ嫌にもなるだろうな…と。
教訓:そろそろVtuberの幸福を考えてやってくれ
しかし。
「そもそも運営が恋人商法するから悪い」と反論する人も多く、これがまた興味深いところ。実際、上記のツイートの引用にはこんなリプが付いています。
もともとゲーム配信者や声優の卵たちが多いVTuber界隈、若いとどうしてもそういったファンのあしらい方や、世の中の渡り歩き方も難しいと思います。
本当だったら運営がそういうところをハンドリングするべきなんでしょうが、なかなか目が届かないのが現状。
だからこれからもVTuberは現れては現れては消えするんでしょうが、少しでも視聴者といい関係を築く「幸せな配信者」が増えてほしいなあ……と生暖かく見守るのみです。