たいへんよくもえました【3月前半のSNS炎上ニュース】

いやーやってきましたね春。そして花粉の大量飛散!!

もう少し春めいた、ウキウキした言葉を考えていましたがそんな余裕がないくらいの絶不調。

なんですか「10年に一度の大量飛散」って。甲子園のルーキーじゃないんだから。

ああ、炎上の炎が全ての杉林を燃やし尽くしてくれればいいのに……!

こんにちは炎上ウォッチャーのせこむです。

余裕がないので早々に最近の炎上紹介に行きましょう。

3月前半のSNS炎上ニュース

いつものように独断と偏見でつけた炎上度合いは星5つが満点です。

①はそのうちどこかで「サイト売買の闇」をやろうかなと思っています。

いわゆる「サレ妻」アカウントとかが気がついたら中の人が変わってるとかよくあるんですよねえ……。

②はH3ロケットの打ち上げ中止に共同通信の記者が「それを失敗と言います」と言い放った件から間を置かずに起きたこともあり、主要メディアの記者会見の是非という点でもいろいろと議論されている印象です。

これついても語りたいことはいろいろある……。

▶︎参考:打ち上げ中止「H3」会見で共同記者の質問に批判相次ぐ

③は「出産を条件」なのか「子供ができた場合は減免」なのかで随分印象が変わるなと思った次第。

④は当のトイレの図面を見るとこの配置でもいいのでは? と思うのですが、昨今のLGBT法やトランスジェンダーの方をトイレや共同浴場でどう扱うか問題もありその余波で燃えた印象です。

これもどこかの機会で解説したい大ネタ。

というわけで今回は⑤。コオロギですよ皆さん。

今回の「たいへんよくもえました」

この炎上、背景を説明する必要があるかなと思います。

ニュース自体の実情は「徳島県の県立高校の食物科がコオロギパウダーを使った給食を試作し、希望者のみに試食させた」という状況なのですが、「子供にそんなものを食べさせるな」と批判殺到。

学校にも電話が相次いでいるそうです。

授業の一環での制作、食べたのはあくまでも希望者なのですが、SNSで批判している人たちはどうやら「給食で強制的にコオロギを食べさせている」と思っているよう。

よくある「みんなニュースは最後まで読もうよ(呆)」型炎上ですね。今勝手に名付けましたが。

有名アカウントも多数参戦して収集がつかない状態になってました。



しかしなぜ、わざわざ学校に電話までする人が多かったのか?

そもそも「最近、TLでコオロギという名前がよく出てくるぞ?」と思っていた方も多いのではないでしょうか?

実はここには壮大な流れがあります。

まず前提として知ってほしいのは「コオロギをタンパク源の一つとして模索する」という試みは最近出てきているわけでなく、もう何年も前からあったということ。

日本は少子化が問題になっていますが、世界規模で見ると人口増大と気候変動から食糧難に陥るのではという観測は既に出ていて、それらを解消するための研究が投資家界隈でも注目されている……というのがこれまでも事実としてあったのです。


このツイートは2017年と2020年のもの。

もともと、昆虫食を推進する活動をしていた「地球少年」こと篠原祐太さんが慶応大学卒ということから学食での提供がイベントとして行われたという経緯があるようです。

篠原さんは現在日本橋馬喰町で「ANTCICADA」という昆虫食レストランを経営していて、2番目のものはそこに行った方のものですね。

ではなぜ、最近突然「コオロギ」がこんなことになっているか。

それに関して、陰謀論界隈に詳しいライター・雨宮純氏が3月3日に連投したツイートが非常に詳しいので、ぜひ一連のスレッドかまとめを読んでみてください。

流れを抜粋したところを紹介しますと





▶︎参考:なぜコオロギ陰謀論や反コオロギ運動がここまで拡大したのか?騒動を当初から追っていた人物による解説

この流れ、個人的に観測していたものとほぼ合致しましたので非常に腑に落ちました。

しかし着火点が有本香氏というところには頭を抱えましたが……。

この「コオロギ陰謀論」が気になった方はぜひ、「強くこれらに反対の主張をしている人たちがどんな主義思想を持っているか」をプロフィールやフォローしている人などから推察してみてください。

面白い光景が見えてくることかと思います。

あくまでもせこむ個人としての見解と解説を加えますと

・もともと陰謀論界隈には「◯◯という食べ物はグローバリズムの陰謀」という説が定期的に浮上(気になる方は「フードファディズム」でググってください)これまで砂糖や食肉&畜産、牛乳がやり玉に上げられてきたが今度はコオロギの番

・ワクチン陰謀論がそろそろ賞味期限切れだと察した反ワク系インフルエンサーがそこに便乗し、新型コロナウィルス流行以降ネットワークが強固になった反ワクチン志向を持つ人達に一気に拡散

・「昆虫食」という「人が生理的に忌避しやすいもの」だったがために強制に対する嫌悪感が強く、特に陰謀論的思考を持っていない人たちにも支持された

・昨今、酪農の苦境に関するニュースが多数流れてきて「コオロギに金だすなら酪農家を救え!」という「正義感からの反対」が炎上に拍車

つまり、これまでの炎上パターンでも観測した「一部のインフルエンサーが提唱したものにライト層が延焼を広げていった」パターンなのです。

虫の中でも「コオロギ」だったのも一因なのかもしれません、これが日本古来の昆虫食・イナゴだったらもう少し変わっていたかも?「古来食文化を否定するのか!」となりますから。

頭が痛いのは、おそらく今、グローバル企業内には「何らかの形でSDGsに関わらないといけない」的なプレッシャーがあり(あくまでも憶測ですが多分外れてない)食品関係だと割とこの「コオロギ」を利用するのがある程度ノウハウが蓄積されていて「簡単」なんですね。

だからこの陰謀論界隈を観測していない企業が無邪気に参戦し、日々燃料を投下してしまうという悪循環。

「昆虫食企業の不買」を訴えるアカウントが誤った情報を流し、企業への謝罪に追い込まれるというケースも出てきています。

コオロギ商品への参入、よく知られた企業だと無印良品が大々的にコオロギ製品を打ち出して話題になっていますが、もともと2020年から発売をはじめていろいろ展開してきたもの。

これ、今だったら発売できなかったのでは……と思っています。

なぜ「コオロギ」なのかはこれらの記事にくわしいのでぜひ読んでみてください。

個人的には興味本位で食べてみる分にはかまわないので今度買ってみようかなと思ってます。

▶︎参考:コオロギが地球を救う?無印良品の昆虫食が生まれたストーリー

まとめ

これを読んでいる皆さんには肝に銘じておいて欲しいのですが、「“Aに金を遣うならBに遣って救え”論法が出てきたらまず疑ってかかれ」コオロギ食の推進をやめても、酪農にお金は回らないでしょう。

日本の酪農のシステムに関しては色々と問題があるのはわかってますし、酪農家さんたちが楽になればいいなと切に願っていますが、仮に今後酪農にお金が回ったとしてもそれはコオロギとは「別問題」。

多分このコオロギ炎上、もう少し続くと思います。

それこそこちらが陰謀論と言われそうですが、「コオロギを燃やすことで得をする」人たちも確実にいるからです。

こうなってくるともう「信じるか信じないかはあなた次第」なわけですが、少なくとも脊髄反射の抗議をする前にはちょっと立ち止まって欲しいな……と思うのでした。

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