たいへんよくもえました【3月後半のSNS炎上ニュース】

いやー盛り上がりましたね!何って?WBCですよWBC。

「これ新人漫画家が出したネームだったらめちゃくちゃダメだしされてるよね」みたいな“できすぎた”ドラマティックな展開のオンパレード。正直お腹いっぱいです。

こんにちは炎上ウォッチャーのせこむです。

野球関連で何かスキャンダルや炎上が出るかと思いきや、みんながお祭り気分になっていたせいか今回の炎上は非常に小粒。

まあ平和と言えば平和なんですが……特に炎上ウォッチャー的に楽しい話題もないので(ちょっとWBC絡みのネタはありますが)、早々に最近の炎上振り返りから行きましょう。

3月後半のSNS炎上ニュース

独断と偏見の★は5つが満点です。

①は本音を言うと「どうでもいいわ」と思ったんですが、コレコレ氏や滝沢ガレソ氏のような炎上ニュース界の「有名人」は最近、影響力が無視できない状況になってきています。

影響力が大きいからネタのタレコミも死ぬほど来るという、無双状態だった一時期の『週刊文春』に近いポジションになっているのではないでしょうか(『文春』の場合は敏腕記者たちや編集長の存在も大きかったのですがその話はまた別の機会に)。

ただ、影響力が大きい分、デジタルタトゥーの問題等もありますし、ガレソ氏は早々に「未成年の顔出し」のニュースに関するスタンスを発表、例のスシロー事件のツイート等を削除しました。

このあたりの炎上系ネット有名人に関してはどこかのタイミングでまとめたいです。

②はWBC絡みの炎上ニュース……といっても、「“炎上した”と言われたけど実は炎上してなかった」というパターン。

こんな記事を書いている自分が言うのも何ですが、炎上というのは「炎上が起こった」という観測によって初めてその存在が明らかになります。

そのため、こんな「火のないところに煙を立てられた」というパターンもありうるわけで。

この記事、ぜひ読んでみてください。

③の津波訓練の報道、これも「切り取りによる炎上」パターンかと思いきや、子どもたちが高齢者の避難を手伝っている写真等も出てきているので「うーむ……」と思ってるところです。

④これは2つの子供向けテーマパークが炎上した案件。

折しも時期が重なり、そして初手は双方ともにダンマリで評価を下げたという珍しいパターンです。

ちなみにアンパンマンミュージアムに関しては随時撤去すると発表したとのことですが、これも椎名林檎の赤十字マークグッズと同じことなんですよね……初手の対応を間違ってはいけないものが世の中にはある、そういうことだと思います。

というわけで今回は⑤。

いやーこの冬、電気代の高騰に泣いた人も多かったのではないでしょうか。

かくいう筆者もその一人ですが、特に「新電力会社にしたら電気代が恐ろしく高騰した」というニュースを毎週のように聞いている気がします。

そんな中で炎上したこの「グランデータ」という会社。

燃えた原因をいくつか順を追って説明しましょう。

今回は「役に立つ『たいへんよくもえました』」テイストでお届けします。

原因1 電気代が高すぎる?


説明すると、グランデータは2016年の電力自由化以降にできたいわゆる「新電力会社」。

自社で発電設備を持たず、東京電力や関西電力といった大手電力会社から「電力を買う」ことで経営しているのですが、新電力会社の場合は電気代の4要素、「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」という4つのうち、「燃料費調整額」に上限がないことが問題でした。

この燃料費調整額、会社やプランにより上限を儲けている会社とそうでない会社があったのですが、昨今のウクライナ情勢と円安に絡む燃料費高騰でこの上限を撤廃する業者が続出。

ちなみに大手電力会社は国の認可の関係で燃料費調整額や基本料も自由に上げることができなかったので新電力会社から大手電力会社に「出戻る」人が続出。

しかしあまりにもそういう人が多かったため大手電力会社も新規契約を制限するなどの状態に。

かつ、国の認可が降りこの春から電気代が上がることになりました。

正直なところ今回話題になったグランデータだけでなく他の会社でも高騰していましたし、何なら倒産する新電力会社も多いのですが(撤退や契約停止を含めると累計150社近い)このグランデータの場合は高騰っぷりだけでなく、それ以外の面でもいろいろとあったのが炎上の原因の模様。

原因2 説明が不適切?

こちら、グランデータのWEBにある電気代高騰の理由。

確かに前述のように、各社燃料調整額で電気代が高騰しているのは事実です。

しかし、この燃料調整額……けして「どの会社でも同一の金額」ではありません!

こういった説明を堂々と会社のWEBに出し、ユーザーを諦めさせようとしたのでは……というスタンスがまた火に油を注ぎます。

また、これらの連ツイにもあるように「追加調整額」によって高騰しているという事実もまた、加入者の不信感を煽ったようです。


原因3 解約できない!?

通常、電力会社の切り替えというのは「新たな電力会社と契約手続きをすることで、従来の電力会社が自動的に解約される」システムとなっています。

つまり、本当なら「わざわざ切替え日を確認するような解約手続きは不要」なのです(ガスも一緒に契約している場合はまた別)。

それを加入者に課し、そして切替え日がずれていたら「解約手続きは中断」ということを堂々とWEBサイトで告知……。

どう考えても「解約できない=解約させない」ことを目論んでると取られるでしょう。

そりゃ燃えますって。

しかもお客様窓口の電話がつながらず困っているという人の声もSNS上では多数。



ここまでの条件が揃ってしまい、消費者相談センターや経済産業省に問い合わせをする人が殺到。

そしてとうとう、経済産業省からグランデータに関する告知が出る事態となりました。

▶︎参考:小売電気事業者からの電気料金の請求額に関するお問い合わせについて

どうでもいいですがこのグランデータ、情報通信会社「光通信」の子会社だと知ると一定の年齢以上の人はちょっと色々な思いが頭をよぎると思います。“あの”光通信です。

まとめ

なんだか炎上ニュースというよりは「暮らしのアドバイス」的なテイストもある今回の「たいへんよくもえました」。

「自由化」の言葉であちこち新たな事業者ができるのは世の中の常ですが、こんな世界情勢の変化は誰も読みきれなかったとは言え、物事は「安い」で飛びついたらダメだな、慎重に選ばないとな……と改めて実感した炎上事件でした。

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