たいへんよくもえました【5月後半のSNS炎上ニュース】

ネット上でも大盛りあがりとなったG7広島サミットも終わり、若干「祭りの後」感が漂っているような今日このごろ。

実は振り返るとこの2週間、結構な炎上が起こっております……。

こんにちは炎上ウォッチャーのせこむです。

今回は盛りだくさんなんで、サクサクと行きますよ。最近の主な炎上はこちら、独断と偏見の炎上度合いは★5つが満点です。

……ほらね、盛りだくさんでしょう?遠い目になりますね、このラインナップ。

①は個性的なデニムのビジュアルを千鳥の2人がさんざん茶化したらブランドのデザイナーが怒ってしまった、という件。ちなみに該当番組は配信からも外されているそうですが、こういう「いじり」ができなくなった時代なのだなあ、というのを実感した出来事です。

②はいろいろ物議を醸している案件ですが、梅村みずほ氏が「話し方教室の講師等もやっている人物」というのを知った上であの国会での動画を見ると、意味合いがちょっと変わってきますよ。発言が定期的に燃える人でもある茂木健一郎氏、③は過去に嵐やSMAPを絶賛しているツイートが残っていることを考えると、むしろいろいろ心配になってしまいます。

④は……「なんでダメなの?」と思う人は「ブラックフェイス」で検索しましょう。日本人にはピンと来ないというのもわかりますが、画像があっという間に世界中に拡散されるSNS時代には身につけておかなければいけない世界標準知識の1つかと。てかこれ、もらい事故状態になってるマッツ・ミケルセンが不憫すぎますね。

⑤は通行人が撮った動画や犯行計画のずさんさ、反抗集団の平均年齢などいろいろと今の世相を象徴するようだった例の事件に関するもの。まあ確かに「動画に顔がはっきり写って拡散されることへの苦言」とかだったら言い分はわかりますが、そういうことでもなさそうなので……。ただ、「犯罪者に人権はない」となりがちなSNSの風潮には「否」と言いたいスタンスではあります。

というわけで。今回は⑥、個人的な独断ではありますが久々の★5を付けさせていただきました。

発端は5月10日。このツイートが、SNS上を駆け巡ります。

経緯を説明したマンガがこのあとに連投されているのですが、簡単に内容を説明すると「高知県の土佐市という場所にある施設でカフェをやっている。地域おこし協力隊として来ていた人間がカフェを経営していたのだが、この施設の持ち主であるNPO理事長に出ていけと言われている。助けてくれ」というもの。

連投全体を知りたい方はこちらのまとめを参照。
参考:地域おこし協力隊として東京から高知に移住したのに、地元の有力者に従わなかったら出ていけと言われました。①

こちらのツイートがあっという間に拡散され、まさに炎上状態となります。



2023年5月25日現在も残っている該当ツイートは、結局脅威の20万RT超え。反応の大半は「これだから田舎は」「ひどい」というものから、「これって本当なの?」というものまで……

基本的には該当ツイートを信じ応援するものの、いろいろと不明点も大きいことから賛否両論が渦巻き、さらに炎上が広がる状態となっていきました。

この炎上、おそらくツイート主の予想以上の広がりを見せてしまいます。市役所へのクレームは当然のこと、市長への殺害予告や市内幼稚園への誘拐予告が発生するというもはや収拾のつかない状態に。

この炎上、この後さらなる展開を見せるので(それについては後述)いろいろと観点はあるのですが、「なぜ当初のツイートがこんなに炎上したか」に絞って今回は考えたいと思います。自分が考える大きな原因は3つ。

◯理由1内容のセンセーショナルさはともかく、「田舎はどこもこうなんですか?」という言葉が反感を買い、それが「煽り」となってしまった
◯理由2早い段階で滝沢ガレソやひろゆきといった、炎上に親和性の高いインフルエンサーが拡散した
◯理由3「Colabo問題」が注目されてきた流れがあり、「NPO団体における不正」というものに拳を振り上げたものの微妙に置きどころがなくなったネット民がこの問題に食いついた

炎上は、その事象に対する「賛」だけでは意外と拡散しません。今回のものはこの「煽り文」が原因となり、「否」も巻き起こったことから炎が拡大したものと思われます。

マンガの中には「このマンガを書いている店長が何者か」というのがいまいち見えづらかったこともあり、そういった「隙=ツッコミどころ」が原因となったのは明白です。

実はこの「隙」こそが次の展開を産んでしまいます。

この「世に倦む日々」というアカウントが5月16日に投稿したnoteが、またもや大いなる勢いで拡散されます。

ざっくりした内容としては「このカフェはむしろ居座っている“専有屋状態”であり、NPOが被害者」というもの。

このnote、筆者のツイートよりも著名人だったりいわゆる「識者」たちが「一方の言い分だけで物事を拡散しちゃダメだよね……」というニュアンスで投稿したものが多かったのが印象的でした。

炎上からの反動というのもあるのでしょう、このnoteにより今度は一斉に「カフェ叩き」の様相が広がります。



実はこのnote、よく読むと後半は滝沢ガレソやひろゆきなどの拡散が仕組まれたものであったり、今後予定されている土佐市長選との関連を匂わせたりと完全なる「陰謀論」なのですが(賃貸借契約が結ばれていないとか施設や団体の法的な立ち位置などはともかく)、全体を通じてまんまと信じてしまった人が多い模様。

そもそもこのカフェの店長はこの炎上マンガ投稿のずっと前から再三この現状をツイートしていたのですがなぜかなかなかバズらず(おそらく、独特の文体のためいろいろ経緯が分かりづらいというのも原因だったと思います……)マンガにしたら「たまたま」思った以上の拡散力を持ってしまったというのが実情だと思ってるのが、このnoteはそのあたりをまるっと無視してるんですよね……。

実は炎上ウォッチャーとしては北海道「サーモンパーク千歳」や香川県まんのう町の「ことなみ未来館」と同じように「指定管理者絡みの炎上」かなと思い、アカウントが作られた時点でチェックはしていたのです。まさかこんな事態に発展するとは予想外でしたが。

参考:道の駅「サーモンパーク千歳」管理会社交代で飲食店に突然の退去通知
参考:なぜ撤去?子育て世帯に人気の交流スペース「高齢者が使いにくい」という声も…香川・ことなみ未来館

そして5月23日、さらにTwitter上で予想外の展開が起こります、WEBライターのヨッピー氏がここに参戦。

そして公開された記事がこちら。

参照:SNSで大炎上の土佐市移住者カフェ、現地で起こっている事の総括と問題点

もちろんこの記事にも取材者のスタンスに賛否はありますが、当事者たちに話を聞いているという意味では必読の記事ではあるでしょう。

そして「この施設に営利目的のカフェを開いていることの是非」というそもそも論に突っ込んでしまっているため、NPOへの認可を出す県の責任の是非へと現在飛び火しているところです。

ただ、個人的には「WEBライター」という職業、そしてこういった案件に向かうヨッピー氏の剛腕(比喩)を知らないであろう理事長が今後どう立ち回るのかを想像すると、ちょっと遠い目にはなりました……。

そんなわけで、もうしばらくはまだまだ収まりそうにないこの炎上。ここまで燃えてしまった以上、どういう風に着地するのかは全く見えないところが大変だとは思いますが、炎上ウォッチャーとしてはもうしばらく静観したいと思います。

みなさんもこの手の問題は一度燃えたらその後をチェックしない人が多いと思いますが、ぜひぜひ定点観測してみてください。後日チェックしたら思ってもみない事態になっていたり、知らなかった事実が出てきていることもあるので。そんな「炎上のその後」も気になる、今回の炎上でした。

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