たいへんよくもえました【7月前半のSNS炎上ニュース】

いやあ暑い!梅雨、あけたの?夏なの!?まだ気持ちと身体が追いついてないんですけど!!

そんなことを日々叫びたくなっております。こんにちは、炎上ウォッチャーのせこむです。

暑いのは気温だけではありません。炎上界隈もなかなかに「熱い」ことになっております。なんだろう、みんな湿気と暑さでイライラしてるのかなあ……。

2023年、7月上旬の炎上はこちら。

いつものように、独断と偏見の炎上度合いは星5つが満点です。

ねー、みんなイライラしてません?(個人的雑感)

まずは①。これもまたどこかでしっかりと取り上げたいと思いますが、小学生女児向け雑誌の付録マンガに性的な表現があったというツイッターでの呟きが拡散、炎上したもの。

「こんなものを載せるな」「性的であることではなく、レイプまがいの行動を男性が取ってそれを拒否していないことが問題」「一部の切り取りで炎上させるのはいかがなものか」といろいろな意見があり、賛否両論入り乱れての炎上。

漫画雑誌『ちゃお』の人気漫画を転載するという企画だったようで、実はこの漫画自体は既に発表されているもの。もともと少女向け雑誌の性的表現はいろいろと物議を醸しているジャンルではあり、今後の炎上にも影響しそうだなあと思ってます。

②は、これも昨今の炎上界隈ではもう見飽きたよ的な「マイナンバーカード」案件。

マイナンバーカードに反対する人は「なんとなく不安、嫌だ」という人といわゆる「行政の金の無駄遣いだから嫌」な人、「システムの脆弱性等信用できない」といういろんなレイヤーの人がいそうだなと思ってるのですが、いかんせん担当大臣がこういうことを言ってしまうのが火に油を注いでいる原因なんだろうなーと思います。

③はよくあるyoutuber炎上ですが、ちょっと最近炎上も質が変わってきたように思うのは自分だけでしょうか。より過激化というか、たちが悪くなって来たというか……多少の炎上では思ったような「炎上商法」はできないのでは、というのも少し感じています。

④は「SNS晒し系」の炎上ですが、有名インフルエンサーに拡散された割にはこの人まだ身元の特定とかされてないですよね?そういう意味ではちょっと気になる案件というか、「炎上が抑制装置として機能しない」ケースもそりゃあるよなあ、と思ったりしたのでした。

⑤は、統一地方選挙でもお騒がせ候補について取り上げましたが、地方自治体の議員というのはいろいろいるよねー……という話。ちなみにこの議員、この後にも韓国の有名なフェミニズム小説に関するトークショーを揶揄してこれよりさらに大きな炎上を起こしています。こういった地方議員の炎上事案に関してもまたどこかで取り上げたいですね〜。

というわけで、今回は⑥。『新作歌舞伎 刀剣乱舞』を巡る炎上案件です。

簡単に経緯を説明しますと、大前提として以下の状況があります。

・2016年からサービス開始した ブラウザゲーム『刀剣乱舞』はゲーム自体が女性ユーザーを中心に大ヒットしただけでなく、その後アニメ、映画、ストレートプレイ&ミュージカル版という2種の舞台が作られるなどのメディアミックス展開もされ、特に舞台に関してはいわゆる「2.5次元作品」の中でもトップクラスに人気の高いドル箱作品となっている
・その『刀剣乱舞』が2023年7月に歌舞伎化・上演されるというニュースが発表される。歌舞伎はこれまでも『ONE PEACE』や『NARUTO』、『風の谷のナウシカ』といったアニメ・漫画作品とのコラボレーションが相次いでおり、『刀剣乱舞』に関しては元の作品の人気が高いことから大きな話題となった
・ところが、一番『刀剣乱舞』ファンがチケットを購入したと思われる「ゲーム内チケット先行」で購入した席が、いわゆる一般的な「良席」ではなかったことが判明。しかも、各種先行が終わり空席が見られるチケットの一般発売が始まった状態で良席が多数売れ残っていることが発覚し、「『刀剣乱舞』ファンにはゴミ席を押し付けたのか」とネットで大炎上。




チケット代は一等席15000円。普通の演劇やミュージカルの感覚なら「先行販売ならいい席が取れるだろう」と思っているファンが「裏切られた!」と思うのも無理はありません。実はここにはいろいろと「こうなってしまった理由」も察せられるだけに、なかなか難しいところがあります。

理由①歌舞伎のチケットには「一般発売」「出演俳優の後援会枠」だけでなく、「松竹歌舞伎会」という年会費を払うと優先的にチケットが買える会、そして一定の購入ステータスを果たすとさらに優先枠がもらえる「ゴールド会員」などいくつかの販売チャネルがあり、それらで席を同時に配分したのではと思われる
理由②いわゆる「良席」は刀剣乱舞ファン向けの販売にも歌舞伎ファン向けの販売にも入っていたが、思った以上に歌舞伎ファンがチケットを購入せず、それらの「余り」が一般発売に回り良席が残っているように見えた。一方刀剣乱舞ファンは購入率が高かったため、結果的に端の方の席になる人も多くなってしまった
理由③ゲーム『刀剣乱舞』はもとより、舞台版のファンも歌舞伎とはクラスタが異なり、馴染みがない人が多かったため、これらの情報が事前に出回らなかった(しかし実際の売れ行きは歌舞伎ファンであっても読めないためどちらにせよ対応は難しかったと思われる)
理由④歌舞伎ファンの「まだいい席があるよ?」的な邪気のない呟きを「煽り」と捉えてしまった人が多かった
理由⑤花道と逆サイドの上手側の席を歌舞伎ファンが使う用語では「ドブ席」と言うが、この用語などを誤解して「悪い席をあてられた!」と思う人も続出

……販売までに時間をかけるものであれば、ある程度のチケットの余り(いわゆる「戻り」)を二次選考に回すなどの措置も取れると思いますが、今回はゲーム内先行販売も5月と時間があまりなかったため、各種チャネルのチケットの戻りが一斉に一般発売に集約されたのも原因かな、と推察します。

かといって、歌舞伎にお金を落としてくれる「歌舞伎ファン」が一番多いのは松竹歌舞伎会と後援会なのもまた事実であり、それらに良席を多く割いていなかったか?と言われればそこはなんとも言えないところ……。

ただ、コロナ禍以降の歌舞伎は正直集客に苦戦している演目も多く(先日話題になったFFX歌舞伎も、前半平日は客席の1/3ほどが空いている状態でした)、券売に関しては目論見が難しかったのではとも。

そして実際、一等席はまだまだチケットが買える状況です。この炎上が「買い控え」につながっていなければいいな、と老婆心ながら思うのですが……。ドブ席、私は結構好きですよ。花道全体が見えるし……。


というわけで。

「文化の違いって難しいね」

と思った今回の炎上。調べれば調べるほど両方の状況や気持ちがわかるだけに、TLに流れてくる炎上関連の呟きを見ては悲しい思いになったりしたのですが。。

このように、実際に始まった公演は非常に評判が良いみたいなので、皆さんぜひ演目を楽しんでいただければと思います……。

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