たいへんよくもえました【8月前半のSNS炎上ニュース】

熱いです。暑いのはもちろんですが、熱いです。

何がって?炎上の熱気が、に決まってるじゃないですか!

みなさんこんにちは、炎上ウォッチャーのせこむです。

もう今回は早々に本題に入りますよ。なぜって?ネタが盛りだくさんだからに決まってるでしょう!?

いつものように独断と偏見の炎上度は星5つが満点です。

……ねぇ?大変なことになってるでしょう?

ただでさえもTwitterが「X」になったりわけのわからない挙動をしている昨今ですが(これも炎上といえば炎上ですが外しました!)正直お腹いっぱいです。

①は、映画『バービー』の公式アカウントが同じく今上映している映画『オッペンハイマー』との原爆を揶揄したコラボファンアートに「いいね」を押していたことから大炎上した、というもの。

これを公式が許容してしまうあたりアメリカ社会の言うところの「ポリコレ」は結局他文化のことは知ったこっちゃないんだな……というのが露呈してしまった一件。

ただ、遅くなったとはいえ公式が正式に謝罪を出したのは意味があったかなと思います。

②は今どき危機感のない自治体もあったものだな……と口をあんぐり開けてしまう案件ですが、正直このアンケートよりも同じチラシにあった「男性は理性的、女性は感情的」というコラムのほうが数十倍ヤバいしそっちのヤバさを自治体が多分把握してない、という二重三重に闇が深い状況になってます。

ただ、「あのアンケートの内容、少なくとも今尾道に住んでる40〜60代男性は『何が悪いかわかってない』と思う」という地元民の意見も小耳に挟んだので、そういう土壌で諦念のもとスルーされてきたものなのかもしれません。

③は最近少し目立つようになってきた、ヒグマや危険生物を相手にした炎上ユーチューバーが起こした一件。これ本当にどうかしたほうがいいと思うんですけどね…。

④はマヤ文明をモチーフにした番組が「不適切」と批判されたというものですが、いやマヤ文明ですよ?これは批判する方がどうかと思った案件です。

というわけで……今回は、⑤。ビッグモーター問題、行ってみます。

久しぶりに付きました星5つ!というか現在進行系ではあるので、これを書いている最中にも次々と新事実が発覚したり展開する可能性が大なのが難点といえば難点。

それもあり、今回のテーマは「いちからおさらいしてみようビッグモーター問題」。流れをざっと追ってみましょう、というのが主旨です。

正直、「なんで今こんなに色々発覚してるの?」と思っている人も多いのではないでしょうか?

まず、これまでに発覚している不祥事と、大きな流れをまとめておきます。

2021年秋頃 車両保険金の水増し請求に関し内部告発、損保会社3社が調査へ

2022年2月 サンプル調査により水増し請求発覚

2022年夏 損保会社がビッグモーターへ自主調査を要請するも「組織的な不祥事ではない」と主張

2023年1月 マスコミ報道等の影響もあり、第三者による特別調査委員会の設置を発表

2023年2〜3月 無資格者による検査などの不正車検が発覚、3店が行政処分を受ける

2023年4月 タイヤに穴をあけてパンクをさせる「不正整備」動画が流出、保険金の中抜きや不正車検がノルマの達成のため常態化していたことがLINE画面などの証拠付きで内部告発される

2023年7月5日 特別調査委員会の報告書を受領したと発表、しかし報告書の内容は公表せず

2023年7月7日 2度目の水増し請求発覚、サンプル調査のうちおおよそ4割超で不正修理が判明

2023年7月14日 損保会社大手3社が保険金の返還を求める

2023年7月18日 不正の報道を受け、経営責任として幹部の報酬自主返上を発表

2023年7月25日 兼重宏行社長が記者会見で辞任を表明、しかし問題視されている副社長が出席しないなどより炎上が加熱する結果に

2023年7月28日 国交省が全国34の事業所に立入検査、またSNS等で指摘があった除草剤使用について認め謝罪(後述)

2023年8月3日 整備で預かっていた客の車を売却したなどの不祥事が明らかに

……もうこれだけでも何が何やらではあるのですが。今どんな問題が起こっているのか、その種類別に大きく整理してみました。

①不正車検問題……車検資格を持っていない、検査に必要な設備がないのに検査をしたことになっていた等の問題

②不正整備問題………「整備した」と言っていながら実際には整備されていない、などの不正整備が相次いでいた問題。SNSで「自分も同じ目にあった」という報告が多数上がりだす

③保険金水増し請求問題……ドライバーやゴルフボール等で故意に傷をつけ保険金を水増し請求していた問題。記者会見で「ゴルフを愛する人への冒涜」というまったくピントが外れた発言をしてしまい炎上に

④除草剤問題……店で販売している中古車がよく見えるように店舗前の街路樹を除草剤で枯らしていた問題。街路樹等は自治体が整備しているもののため実地調査に乗り出し、訴訟を検討する自治体が続出

⑤幹部社員によるセクハラ・パワハラ問題……元副社長で会見に出なかった兼重宏一氏のパワハラLINEのヤバさが問題になる中、新たな暴露ツイートが発掘され話題となる

この他にも、知床遊覧船の事故を起こした会社と同じ株式会社武蔵野の小山昇氏のコンサルをやはり受けていた事が判明とか、辞任記者会見のその日に新社長から社内LINEを削除するよう指令が出たとか、内部告発が相次いでいるとか、損保会社の1社に宏一氏が一時期勤務していたことがわかり実はグルなのでは?疑惑が出ているとか、あと⑤の件はもし本当なら反社会勢力への金銭を会社で出したことになるのでは?とか……もう「不祥事のオンパレード」状態。

また、前述のゴルフボール発言でもわかるように社長の辞任会見は近年稀に見る「炎上した企業がやってはいけない記者会見のお手本」状態だったために、向こう10年くらいは炎上対策の教材として語りづがれていくのではないかと思っています。

この不祥事の数はともかく、そのディテール1つ1つがあまりにもひどいというか、ちょっと現実離れした内容のため、なにかが起こるたびにネット民のオモチャにもなっているビッグモーター。

いや車検の不正とか本当に人命に関わる話なので、本当は全く洒落にならないんですけどね……というわけで、ここ1ヶ月祭りが全く終わらないような状況です。


この問題の厄介なところは、オーナー企業であるため社長・副社長親子は辞任してもある意味ダメージはそんなに深くないというところ。

しかし、ここまで来ると正直「まだなにか大きな問題が来てもおかしくないのでは」と思ってますし、刑事責任を追求されるような状況もあるのでは?と、ちらっと思っていたり。

ただ、「ブラック企業で何かあったときに逃げ切るのは本当に上のトップだけ、会社は個人を守ってくれない」という教訓を与えてくれたという意味では、日本社会にはいい反面教師だったかもしれません。

目が覚めたという人、いるのではないでしょうか?

いずれにせよ、ビッグモーターはここ近年で他に類を見ない「可燃性素材の塊のような企業」であることは間違いありません。

先日の国交省立ち入りをはじめ自治体からの訴訟など追求が今後まだまだ苛烈になっていくと思いますので、その動向を炎上ウォッチャーとしてもしばらく見守っていきたいと思います。

■ライター紹介
せこむ
生粋の炎上ウォッチャー。「三度の飯よりネット上の揉め事とゴシップ」を自称。火のないところに煙は立たぬ、立つ煙を見る人だかりにはせこむあり。

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