プロジェクトK vol.6 人と暮らすロボットを開発するユカイ工学株式会社と現代人の呼吸を整えるロボットクッション「fufuly」

モノが溢れる現代、「家電製品」一つとっても様々なデザインの商品が存在しますが、例えば“ドラえもん”のような「生き物」を模したロボットが家で日常的に存在していたら、私たちの生活はどのようなものになるのでしょうか。
今回は“人と共存するロボット”の開発を続ける「ユカイ工学株式会社」に、お話を伺いました。

ユカイ工学株式会社・ご紹介

ユカイ工学株式会社
ユカイ工学株式会社
X(@yukaikk)

IPA(情報処理推進機構)の支援事業である「未踏プロジェクト」でのロボット制作を経て、2011年に本格的な活動のため、ユカイ工学株式会社を設立。

AIの普及により「人間とロボット(知能を持った機械)の関係性」についても考えさせられる機会が増える昨今、「次世代のインターフェース」としてロボットによる生活の発展をポジティブに捉える会社がユカイ工学株式会社です。

今までにも、親しみやすい外見をした「人に寄り添うロボット製品」を生み出しては、幅広い世代から評価を得ています。

ユカイ工学についてご興味がある方は、公式ホームページをご覧ください。

東京大学大学院新領域創成科学研究科での研究を参考に始動した「fufuly(フフリー)」開発プロジェクト

fufuly(フフリー)との暮らしイメージ

膨張収縮するデバイスを抱えることで、自然と呼吸のリズムと深さの両方が同調され、
心を落ち着かせたり、タスクパフォーマンスを上げたりすることが可能になるという東京大学大学院新領域創成科学研究科の人間環境情報学分野の呼吸や休憩に関する研究を参考に、ユカイ工学CEO・青木氏はJT、博報堂と協力して「fufuly」開発に一歩踏み出しました。

人に寄り添う新プロダクト「fufuly(フフリー)」

fufuly(フフリー)の製品スペック

「fufuly(フフリー)」は呼吸誘導型のロボットクッション
日常的にストレスを抱える現代人の、休息への意識促進を目的として「自然に深呼吸したくなるようなプロダクトを作りたい」という想いから生まれました。

注目したのは生物が持つ特性のひとつ「呼吸の引き込み現象(動物が呼吸するとき、触れ合っている仲間の呼吸につられる現象)」。この現象をプログラムに取り入れて、抱きかかえたクッションの伸縮にあわせて無意識に呼吸のリズムと深さが同調される仕組みをつくりました。

開発中の「fufuly」を大公開!

取材時の「fufuly」最新サンプル

ふぅ。と吐いた息の形をモチーフにしたクッションは抱えやすく、ちょうど良い重さで「生き物と触れ合っているような安心感」も与えてくれます。

クッションを抱いて呼吸リズムを整えてもらうことで、ストレスの軽減や安静効果、利用後のタスクパフォーマンス向上まで期待できる。疲労困憊のサラリーマンの皆々様にはぜひ手にいれていただきたい逸品です。

「fufuly」の販売予定は2024年7月頃。予約販売も受け付けていますので気になる方はユカイ工学オンラインストアへ!

■オンラインストアはこちらから
https://store.ux-xu.com/

ユカイ工学株式会社のこれから

2月17日(土)より、武蔵野美術大学×ユカイ工学「Creative Robotics展」を開催!
ユカイ工学株式会社のCEO・青木俊介氏が登壇する「ロボティクス演習」にて学生たちが制作した課題作品や、ユカイ工学製品が展示されます。
ご興味のある方はぜひ足をお運びください!

■イベント情報はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000083551.html

ユカイ工学株式会社・CEO 青木俊介氏 独占インタビュー

ユカイ工学株式会社CEO・青木俊介氏

ーーユカイ工学株式会社はどういう会社ですか?
青木俊介氏(以降青木):ロボティクスで、世界をユカイにすること」を理念に掲げる会社です。一般的に普及している家電製品は、便利だけれど人の心を動かすまでには至らないものがほとんどだと思っていて、僕らはその意識を変えられるようなロボットを作りたいと考えています。

ーー意識を変えるとは具体的にどんな?
青木:多くの家電製品は見た目からしてどこか機械的なので、「生」を感じることって難しいと思うんですが、その姿を例えば人や動物などの「生き物」に近づけてみるとか。そのために「毛を生やす」「形を歪めてみる」といったような「有機的」な見た目で第一印象を変えることから心がけてはいますね。

ーー普段はどんなモノを作っていらっしゃいますか?
青木:僕たちが作ったロボットを介して、コミュニケーションを取ることによって新しい感情が生まれるきっかけになる「コミュニケーション・インターフェイス」としてのロボット製品です。

ユカイ工学株式会社の製品たち

例えば家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」は、セコム株式会社との協働施策として「高齢者見守りサービス」の実証実験をやっていて、セコムの担当者以外に離れて暮らすご家族や地域の方もBOCCOを通じてやり取りができるので、シニア世代が抱える問題の原因に気づくきっかけになっていたら嬉しいですね。

ーーユカイ工学株式会社の強みや、得意としているところはどこでしょうか。
青木:海外のイベントに出展することもあるんですが、その時は「日本っぽいね」と言われることが多いです。
僕らもなんでか分からないんですけど、日本のぬいぐるみは海外ではたくさん売れる傾向にあるみたいで、そういったところが強みと言えば強みなんですかね。

ーー総合的な評価だと思うので、確かに「どこが日本っぽいか」というと言い表しにくいですね。強いて言うなら表情に穏やかさやあたたかみを感じるところでしょうか?
ちなみに、ユーザーの方々からは製品に対してどのように評価いただいていますか?

青木:商品によって評価していただく部分は違いますね。
甘噛みハムハムなんかは50〜60代の方に喜んでいただいていて、理由は恐らく子供が自立したあと頻繁に関わることがなくなって、寂しさを埋めるためとか。
Qooboは30代以降の女性が圧倒的に多くて。動物的なデザインや動きなので、母性本能をくすぐったり、心が落ち着くというのも理由にあるかもしれません。

甘噛みハムハムとQoobo

ーー「fufuly」について、写真で見ると柔らかそうに見えますが、実際の触り心地や感触はどんな感じなんでしょうか。
青木:カバーやクッション素材は甘噛みハムハムと同じものを使用していて、手触りの良さにこだわってます。実際に手に取ると重くて、2kg程度なんですが、その重さも実は安心を誘発させるきっかけになっていて、海外でも重みのあるクッションは「抱き上げることで生き物と触れ合っているような感覚にさせる」と高い評価を得ています。

ベロア生地のカバーと低反発のクッションで手触り抜群

ーー開発〜今までの過程で大変だった出来事はありますか?
青木:今現在が大変な時期ですね。抱き締める力が強いと、内蔵してる動作機械が変な音立てちゃったりとかするので。その調整をこれからどんどん詰めていく段階です。

ーー製品はどこで販売される予定ですか?
青木:現在公式オンラインショップで予約受付中です。
販売開始されたらいくつかの店舗にも置いていただこうかと考えています。

ーー製品を通して、見た人へ伝えたいことはありますか?
青木:スマートフォンやAIが普及してくる中、まだまだ「ロボットとの日常生活」は浸透していないけれど、子供の成長に繋がる知育製品やシニア世代とも親和性のある見守りロボット、それらが「次世代のコミュニケーション・インターフェース」のきっかけになるといいなと思います。

ーー最後に、読者の方にも何かプレゼントになるものがあるといいなと思うのですが…
青木:では「甘噛みハムハム」の「ゆず」を…

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ということで、ユカイ工学株式会社のロボット製品「甘噛みハムハム ゆず」を抽選で1名様にプレゼントします!

応募はケムール公式X(旧Twitter)アカウントをフォロー+該当のポストをリポストして完了!
応募期間は一週間なのでお早めにご応募ください。

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