レトロゲームを愛すること30余年。長かった梅雨も明け、夏の暑さと日々格闘しているレゲー☆ライターだ!今回は第5弾として、うだるような暑さも吹き飛ばすほどヒートな『熱血硬派くにおくん』を紹介するぞ!
幼稚園生の頃にアーケード版をプレイして以来だが、今見ても暑苦しい男のゲームだ笑
当時はストーリーがよく分からないままハマっていたのだが、“一対多数のバトルゲーム”という括りが純粋に面白かったからかもしれない。「ツッパリ」をテーマとしてゲームと言えば、多くの人が「くにおくん」をあげるのではないだろうか。
「かくすれば かくなるものと 知りながら 已むに已まれぬ 大和魂」(吉田松陰)、理屈ではなく損得でもなく、善悪が何かを判断して動く男のカッコよさ。親友のヒロシを救うために、くにおが立つ!
【ステージ1】くにおの永遠のライバルは花園高校の“りき”
実は今回初めて、ファミコン版のパッケージを見た。小学生の頃に友人宅でプレイはしたことがあるが、カセットだけしか見たことはなかったので。箱の裏書きを読んで、親友の名前が「ヒロシ」であることを知る。
オープニング画面はこちら。フォントも男らしい書体で、全面的に暑苦しい笑 では、さっそくプレイしてみよう!
本作はいわゆる横スクロールのアクションゲームであり、私と同世代の人にとっては見慣れた光景だろう。電車の中でケンカなんて、ファイナルファイト以来だ。くにおの白ランがとても目立つな。
と、久しぶりのプレイで操作方法が分からずに手間取っていたら、あっけなくザコ敵にやられてしまった。。捨てゼリフまで吐かれる始末、とほほ。
気を取り直して電車のステージをクリアすると、さっそく1面のボスである“りき”が登場。本作以降のくにおくんシリーズではおなじみのキャラクターだが、初登場時はあまりオーラがない。ちなみにリングアウトの概念があるので、画面右のホームしたに敵を落とすと一撃で倒せるのだ。
ジャンプキックを駆使して、りきをホーム下に落とそうとしたら、逆に自分が落ちてしまってあえなくゲームオーバー。三度目の挑戦でりきを倒してステージクリアはしたものの、ボタン連打でのっけから指が痛えぇ。ステージをよく見ると、「しんじゅく」と書いているのは開発元の本社が西新宿だったからなのだろう。いや、新宿ってこんなに治安悪いの?笑
【ステージ2】湾岸エリアで暴走族との激しいバイクチェイス
2面が始まったと思ったら、いきなり兄ちゃんたちに取り囲まれてしまう。とりあえず、背後を取られるとマズいから、一体ずつ相手にしたいものだが。。
ザコ敵を一通り倒すと、今度はバイクにまたがった兄ちゃんがこちらに引っ切り無しに突っ込んでくる。パンチでは轢かれてしまうだけなので、ここはジャンプキックでひたすら蹴散らす。ちなみに、画面左側は海となっているので、飛び蹴りをかまして敵を落としていくとラク。
敵から奪ったバイクで颯爽と去っていく、くにお。バイクがOKの高校に通っているのだろうか。とても安全運転をしてくれるとは思えない笑
若干、白ランとガードレールの見分けがつきづらいのだが、バイクチェイスはなかなか楽しい。敵をどうやって倒すのかというと……
接近して足蹴にして倒す。とても危ねえぇ笑
ガードレールに押し込んで倒すのもエグい。これだけのことが日常的に行われていると考えると、警察が待機していてもよさそうなものだが。
2面のボスは“しんじ”。車が止めてあるところを見ると、彼は高校3年生か大人なのだろうか。こんな峠道で一対一のバトルとは燃えるぜ!
1面のりきに苦戦したおかげか、2面のしんじはわりとラクに倒せた。次のステージはいよいよあの敵が現れる。。
【ステージ3】スケバンたちを統べる者、その名は“みすず”
「スケバン」という言葉、はっきりとした語源は分からないが、女性を意味する“スケ”の番長というのが元らしい。てなわけで、3面は彼女らを相手にくにおの拳がうなる。
いや、少しは手加減しろよ笑 相手が誰であろうと、容赦のないパンチ力。
が、くにおに対する彼女らの攻撃も遠慮がない。かなり痛い様子のくにおくん。
これまでのステージとは違い、敵を一掃すると分岐ルートが現れてくる。まったくノーヒントなので、勘で進むしかないのだけども。
店内にも敵がワラワラといる。いやー、店員さん通報しようよ笑
店の外に出ると、また敵がたくさんいる。もうこの町自体の治安がヤバいのね。赤いポストがあるけど、ここに回収にくる郵便屋さんも大変そうだ。
なんか、ここのステージはループになっているようで、間違った扉に入ってしまうと同じところをグルグルと回るハメになる。うーん、どっちに行くべきか。。
今度は3ヶ所もある。ええい、ままよと左の扉へ。
お、なんだか雰囲気が違うところに出てきた。そろそろボスが近そうだ。
というわけで、3面のボス“みすず”とご対面。アーケード版で子どもの頃の私から50円玉を奪いまくったボスキャラである。見ての通り、圧倒的な存在感w
間合いを取りながら、そろりそろりと。
ぎゃっ、つかまった!往復ビンタから放り投げられるというコンボで、体力ゲージが一気に減ってしまう。
しかも、みすずが厄介なのは耐久力も高いため、倒すのは長期戦となる点。気持ちで負けると確実に敗北する強敵だ。
というわけで、ここで4回やられてしまったが、5回目の挑戦で何とか撃破。いやー、苦労してしまった。
みすずを倒すと、次は1面のボスだった“りき”が再び登場する。いや、りきって双子の兄弟がいるのか?
ボスの連戦はキツすぎる。。たしかに「なめんなよ、このやろう」なので、次はこちらも本気でいくのだ。
りきを撃破して、またしても分岐。次は最終ステージなのだ。
【最終ステージ】親友はオレが必ず助け出す!
いや、こんな狭い空間で何でバイクにまたがっているのか。というか、どこから入ってきたの?笑
バイク野郎は2面でさんざん倒したので、ちゃっちゃと蹴散らして次のステージへ。
また、りきかいw 彼らは量産型のロボットなのか、それとも相当タフなのだろうか。
これまでとは明らかに雰囲気が異なる大人が出てきた。彼こそが、ラスボスの“さぶ”である。ちなみにここは暴力団の事務所であり、ザコ敵はドスを持っており、さぶは拳銃を放ってくる。どちらもヒットすると一撃死となるので大変厄介なのだ。
「おんどりゃ~」って笑 もはや、学生同士のケンカの域を超えている。
とはいえ、ビビッてばかりもいられない。オレには親友のヒロシを救うという目的があるのだ。それにしても、ヒロシは一体何をやらかせば、暴力団に拉致られることになるのだろうか。
さぶを撃破すると、奥に囚われていたヒロシが泣きながらこちらに向かってくる。友の涙を見れば、理由なんてちっぽけなものさ。何も聞くまいて。
男同士の友情だ。ガッチリと握手を交わす、くにおとヒロシ。ちょっとこの後の復讐が怖い気もするが、くにおであれば大丈夫だろう。
エンディングはと思ったら、スタッフロールの後に「終」の一文字。最後まで男を感じさせてくれるゲームであった。
●プレイ後記
さて、今回は『熱血硬派くにおくん』をクリアしてみた。クリア後にいろいろと調べてみたのだが、くにおくんが通う高校は「熱血高校」というらしい。
確実に男子校だと思う笑
しかし、本作はシンプルな作りながらも十分に楽しめる仕様となっていた。操作に慣れは必要だが、コツさえつかんでしまえば初心者であってもクリアできる難易度だと思う。なんか無性に敵を殴り倒したいというときにおすすめのゲームであり、ストレス発散にはもってこい。くにおとヒロシの友情は、きっとこれから大人になっても続いていくのだろう。
久しぶりに、ちょっとした青春ドラマを見た気分だ。それではまた、しばしのアデュー!
文責:方山敏彦