キャンプで焚き火をする時の正しい方法とは?必要な道具や注意点を解説!

焚き火はキャンプの大きな楽しみのひとつです。照明にする、暖を取る、料理に使うなどさまざまな用途があり、火を眺めているだけでも心が温まります。 しかし、思うように火を起こせなかったり、維持できなかったりすることも多いでしょう。また、火災や火傷の危険も伴いますから、安全にも配慮しなければなりません。そこで今回は、焚き火の正しい方法や必要な道具、注意点などを解説します。

キャンプで焚き火をするために必要な道具

キャンプで焚き火をする時は、火を起こすためのものから後始末をするためのものまで、必要な道具をそろえておく必要があります。現地で用意するのは難しいことも多いので、忘れないよう事前にチェックしておきましょう。主な道具は以下の通りです。

焚き火台・焚き火台シート

出典:Coleman 焚き火台は、焚き火を地面から離すための金属製の台です。多くのキャンプ場では、火災防止や芝・草木へのダメージ防止の観点から、直火での焚き火を禁止しています。たとえルールで禁止されていなくても、焚き火台を使った方がいいのは間違いありません。環境を守って安全に焚火を楽しむためにも、必ず焚き火台を使用しましょう。 また、焚き火台とセットで使用したいのが、不燃素材でできた焚き火台シートです。焚き火台シートを焚き火台の下に敷いておくと、火の粉や灰などが地面に落ちたり、焚き火台の熱が地面に直接伝わったりするのを防ぐことができます。芝生などの上で安全に焚き火をするためには必須です。

薪は焚き火の燃料で、木材を棒状に加工したものです。ホームセンターなどで簡単に購入でき、キャンプ場でも大抵は販売されています。一束で2時間~4時間程度は焚き火を維持することが可能です。落ちた枝を拾えるキャンプ場であれば、現地で調達してもいいでしょう。 また、薪は針葉樹(マツ、スギ、ヒノキなど)を材料にしたものと、広葉樹(ナラ、クヌギ、サクラなど)を材料にしたものの2種類に大きく分けられます。針葉樹は密度が低いため着火しやすいものの燃焼時間が短く、広葉樹は密度が高いため着火しにくく燃焼時間が長いのが特徴です。一般的なのは針葉樹の薪ですが、状況に応じて広葉樹と使い分けましょう。

火ばさみ

出典:Coleman 火ばさみは薪や炭を火にくべたり、燃えやすくするために動かしたりするための道具です。高温で重量がある薪をしっかりつかむため、持ち手が長めである程度の強度を備えていなければなりません。この条件を満たしていれば、専用のものではなく100円ショップで売っているトングでも十分です。

革グローブ

焚き火をする時は、熱や火の粉による火傷の危険があり、薪のトゲなどでケガをすることもあります。手を守るためにも、必ず手袋を着用しましょう。最低限必要なのは軍手ですが、薄くてあまり効果がない場合もあるため、厚手の革グローブ(特に耐熱・耐火性能があるもの)がおすすめです。

着火剤・焚きつけ

着火剤や焚きつけがあると、とても簡単に火を起こすことができ、時間の節約にもつながります。大きく分けると固形タイプとジェルタイプがあるので、扱いやすさや必要な火力に応じて使い分けましょう。新聞紙や牛乳パック、枯れ葉、松ぼっくりなども着火剤の代わりとして使えます。

点火棒・トーチ

点火棒 火をつける時にライターやマッチを使うと、着火剤が勢いよく燃え上がって火傷・引火することがあります。安全に着火するためにも、持ち手の長い点火棒やガストーチなどを使うのがおすすめです。

火消壺

出典:CAPTAIN STAG 火消壺は、使用した薪や炭などを入れて密閉し、消化するための道具です。まだ燃え尽きていない薪も確実に消化し、安全に持ち運ぶことができます。焚き火の後片付けに大変便利です。薪や灰を捨てる場所がない時は、そのまま火消壺に入れて持ち帰りましょう。

焚き火台と薪を使った火の起こし方

キャンプ初心者の方にとって、焚き火を起こすのは難しく感じられるかもしれません。しかし、必要な道具を用意して正しい手順を守れば、誰でも火を起こすことが可能です。焚き火台と薪を使った、基本的な火の起こし方を見ていきましょう。

1.周囲の確認をする

まずは、周囲に燃えやすいものがないか確認しましょう。芝生や草木、枯葉などはもちろんのこと、テント・タープ・チェアといったキャンプ用品も、素材によっては火の粉が飛んだだけで引火することがあります。なるべく可燃物がない平らな場所を選び、片付けられるものは片付け、風下には可燃物を置かないようにしてください。

2.焚き火台を組み立てる

安全を確認したら焚き火台シートを敷き、焚き火台を組み立てます。焚き火の最中に分解したりしないよう、説明書を読んでしっかり組み立てましょう。

3.着火剤と細い薪を置く

焚き火台の中心に着火剤を置き、その上に細い薪や拾ってきた枝などを置きます。細い薪がない場合は、ナタなどで薪を割って作りましょう。空気が通りやすいよう、少し間隔を空けて並べるのがポイントです。太い薪木は着火しづらいため、この段階で置くのには適していません。

4.着火剤に着火する

着火剤にチャッカマンなどで火をつけます。すぐに火吹きをするとかき消してしまうので、少し様子を見てください。細い薪に火がついてきたら、空気を送って火を全体に回します。

5.太い薪をくべる

細い薪についた火が安定し始めたら、太い薪をくべます。さらに火吹き棒を使って、焚き火の中央に空気を送り込みましょう。太い薪が芯から燃え始めたら、自然と火は安定します。後は様子を見ながら、火を絶やさないように薪を追加していけばOKです。

焚き火をする時の注意点

ここまでご紹介した手順を守れば、どなたでも焚き火を起こすことができます。しかし、焚き火は火を扱う行為ですから、他にもさまざまな点に配慮しなければなりません。以下の注意点を必ず守りましょう。

薪の状態

生乾きの薪は燃えにくい上に煙がたくさん出るので、しっかり乾燥させたものを使うのがベストです。購入した直後の薪ならまず問題ありませんが、長い間倉庫などで保管していた薪や、森の中で拾ってきた枝などはしけっている場合があります。火にくべる前に状態を確認してください。

燃えやすい服装をしていないか

化学繊維の服装は熱に弱く、火の粉が付着しただけで穴が開き、最悪引火するおそれがあります。気がついたら服が穴だらけ、というケースもあるほどです。 アウトドアウェアは化学繊維製のものも多いため、注意しなければなりません。燃えにくい難燃素材か、コットンやウールといった天然素材の服を着用しましょう。

着火剤の追加

焚き火の勢いが落ちてきたからといって、すでに火がついているところへ着火剤を追加するのは厳禁です。着火剤は非常に燃えやすいため、瞬時に燃え広がって火災や大火傷につながるおそれがあります。あくまでも最初の着火のためだけに使用してください。

寝る前に火を消す

焚き火を放置して寝ると火災につながりかねないため、就寝前に必ず火を消しましょう。消してもしばらくはかなりの熱を持っているので、寝る30分前には消火するのが基本です。 水をかけるのではなく薪が燃え尽きるまで待つと、翌朝も使えるのでおすすめ。もちろん、火種が完全に消えたことを確認してください。

ゴミや灰の後始末

焚き火によって発生したゴミや灰は、キャンプ場のルールに従って処理します。指定のゴミ捨て場があるならそこに持って行き、なければ自宅に持ち帰って自治体のルール通りに処分してください。 マナー違反・ルール違反はキャンプ場や周囲の人に迷惑をかけ、トラブルの原因にもなります。キャンプを100%楽しむためにも、必ずルールを守りましょう

まとめ

焚き火はキャンプの醍醐味であり、必須のテクニックでもあります。火を扱う行為なのでいろいろな注意点はありますが、慣れれば決して難しくはありません。自力で焚き火を起こせるようになれば、キャンプは一層楽しくなるはずです。必要な道具をそろえて手順を覚え、焚き火に挑戦してみてください。

あわせて読みたい