登山、キャンプ、BBQ……ひとりでも美味しいアウトドア飯 「をんなひとりそとごはん」~vol.5実家の庭でなんか焼いたり炙ったりしながら飲みました、の巻~

「ワタクシ、実家に帰らせていただきますっ!」

一昔前のホームドラマの一場面ですかね? いや違います、カワグチの現状です。

別に何か深刻なことがあったわけではなく、たまたま仕事で実家近くに行く必要があり、かつ実家で処理すべき用事も発生しまして。(感染対策等はもろもろ取った上で)ついでに帰省したというわけです。
こんな状況ですし、あまり不要不急な移動は避けたい。というわけで仕事の都合をつけ、長期滞在しております。

ところが問題が1つ。今回の「そとごはん」撮影、どうしよう?

とりあえず編集長に電話しました。

「編集長~。次回のそとごはん、実家の庭とかじゃダメですかね?」

「いいよー」

あっさりOKがでました。いいんですか本当に。

さてさて。カワグチの実家は瀬戸内海のとある「島」というロケーション。上京したての頃、自己紹介の掴みは「中高6年間フェリー通学」でした(実話)。台風になると家に帰れなくてねー(遠い目)。まあ単なるど田舎ゆえ、庭でBBQとかやっていても何も言われないのがメリットです。

とりあえず、実家の倉庫を漁ってなにか使えるものを探すことにします。

登山、キャンプ、BBQ……ひとりでも美味しいアウトドア飯 「をんなひとりそとごはん」〜vol.5実家の庭でなんか焼いたり炙ったりしながら飲みました、の巻

さっそく出てきた。新品の七輪。いやオカン、なんでこんなのあるの?

母「買ったの、忘れとったわー」

……いや忘れる? まあ遠慮なく撮影に活用させてもらうことにしましょう。

実は今回、編集長からとあるものの提供を頂いてます。じゃーん。

調理用バーナー!! 「ウインドミル万能クッキングバーナー」というこちらのバーナー、ライターガスで使用できるスグレモノ。というわけで、蓮池先生には

「七輪と調理用バーナーでなんか美味しい&楽しいことしたいです」

という、いつも以上に無茶なお願いをすることとなりました

蓮池先生
蓮池陽子
ビストロ勤務の後、料理教室で講師を務める。アウトドアで山菜や貝などの山や海の恵みを採取する中で、美味しい物の背景には“美しい自然”や“沢山の物語”があることに開眼。現在は料理教室からフードコーディネートまで幅広く活躍し、アウトドア料理のレシピ本も多数出版。

数日後。

先生から届いたレシピを片手に、さっそく「そとごはんin 実家の庭」、スタートでーす。

虫除け、大事。ネットで効くと噂の「パワー森林香」を取り寄せました。さっそくウインドミルの出番、バーナーなので極太の虫除け線香でもすぐ着火します。
本来の使い方ではない気もしますけど。

続いて七輪の準備。

着火剤にウインドミルで火をつけて、その上に炭を重ねていって終了。ライター感覚で使えるのでとても便利ですねこれ。

(注:炭に直接着火するのはNGです!)

さてさて、炭火を起こしている間にこいつを登場させます。

じゃーん、以前ダイソーで買ったスモーカーでーす。ちなみに300円でした。

蓮池先生の提供レシピ、まずは燻製から始めますよー。あらやだ、なんか本格的。

◯1品目 スモークしたたらことマスカルポーネクリーム和え

【材料】

たらこ        1腹分

マスカルポーネ    1/2カップ

こしょう       適量

バケット、クラッカー、きゅうり、セロリなど   適宜

スモークウッド

まずはスモークウッドに火をつけます。これ、ライターとかだとなかなか火がつかないんですよね。え、何で知ってるかって?

 「実家に帰るたびに一人で燻製作っては庭で一杯やってたから」とか言えないよねー。ご近所さんの目?

もういろいろ開き直ってますので気にしなーい。

そうこうしてる間にさすがバーナー、あっという間に着火です。素晴らしい。

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スモーカーの中にたらこを入れ、10分ほど加熱します。たらこはスモークの香りをまとわせればよいので、完全に中まで加熱する必要はないとのこと。

ついでに冷蔵庫に眠ってたベビーチーズもぶち込みました。これは作業中の肴になります。

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スモークが終わったらたらこを取り出して、皮を取り除いてほぐし、マスカルポーネチーズと合わせます。あとはつけて食べるお好みの具材を用意して完成!

さすが先生、いつもながら簡単なのに凝って見える料理の数々。素晴らしいー!

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残念ながらお天気はまたもやどんよりだったんですけど(雨女とか言わない)、さすが瀬戸内、空気は蒸し暑い。

このあたりでとりあえず、ビール開栓の儀をば。体を冷やして次の品に行きますよー。

◯2品目 チーズダッカルビ

材料

焼き鳥缶(タレ味)  1缶

コチュジャン     小さじ1~

水か酒        少々

シュレッドチーズ   適量

青ねぎ(飾り用)   少々

やさぐれソロキャンパーの強い味方、「焼き鳥缶」を使った一品です!

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七輪もいい感じに炭がおきたので、まずは缶の蓋をあけて水(または酒)少々とコチュジャンを入れ、七輪の上に。グツグツしてきたらシュレッドチーズを入れて……

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チーズが溶けてきたら、バーナーで炙るべし! 炙るべし!!

お好みで飾りに青ネギをトッピングして完成(今回はうっかり忘れました)。しかしながら、めちゃくちゃ簡単……。でも既にチーズダッカルビっぽい香りが周囲に漂ってます。

えー、もうここで終了してこのままこれで飲んでたらダメかな……という思いが頭の片隅によぎりますが、気力を振り絞って最後の大物レシピへ行きますよー。

◯3品目 カツオのたたき

材料

カツオ(皮付き)  1柵

玉ねぎ       1/4

ミョウガ      12

大葉        3~4枚

ピーマン    1/2個分(万願寺唐辛子、ししとうなどでもOK

[たれ]

 しょうが(すりおろし) 1かけ

 にんにく(すりおろし) 1かけ

 ポン酢         50ml

 みりん         大さじ1/

はい、まさかの「カツオのたたき」登場です!

まさか私も、ひとりで「カツオのたたき」を作る日が来るとは思わなかったよ……!!

まずはカツオを鉄の串に刺して用意しておきます。鉄串もダイソーで購入しました。何でもあるなあ、ダイソー。あと8月の天候不順で皮付きカツオが手に入らず、皮なしになりましたが致し方なし。

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藁はホームセンターで買いました。買えるんですね、藁。なんだか役に立つんだか立たないんだかよくわからないスキルがどんどん上がってる気がする、この連載のおかげで。

焼く前にタレと薬味の準備を。ミョウガ、大葉、ピーマンはそれぞれ千切りに。ここでレシピを横から覗いたオカンが一言。

「ピーマン、庭から取りゃあええが」

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……本当にあった、ピーマン。

すごいな田舎。ついでに隣に生えてたきゅうりももいで、1品目に添えることにします。

最後に採れたてピーマンを刻み、タレの材料を混ぜて準備は終了。さてここからが勝負です。

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Let’s 藁焼き!!!

七輪に藁を入れ、炎が上がったらカツオを炙り……というのを繰り返します。熱い! 煙い!! でもなんだか楽しい!!! 
「藁は時々足しながら、皮目から脂がでるまで炙りましょう」と先生。

(注:炙るときは軍手か革手袋を着用してくださいね!)

もうもうと立ち込める煙に、様子を見に来たオカンが引き気味で一言

「あんた、何やっとん?」

まあ実家に帰ってきたアラフォーの娘が、一人庭でカツオ焼いてたら心配になるかもねあはは! でも楽しーい。

こんがりしてきたので、用意しておいた氷水に入れて終了。

登山、キャンプ、BBQ……ひとりでも美味しいアウトドア飯 「をんなひとりそとごはん」〜vol.5実家の庭でなんか焼いたり炙ったりしながら飲みました、の巻

水気をとって切ってみます。ちょっとー。初めてにしてはいい感じじゃないですかー!?

凄いなあ、自分で作れるんだなあカツオのたたきって……

登山、キャンプ、BBQ……ひとりでも美味しいアウトドア飯 「をんなひとりそとごはん」〜vol.5実家の庭でなんか焼いたり炙ったりしながら飲みました、の巻

完成―――! 

もう既にビールは3本目ほどに突入していますが、改めていただきまーす!!

まず1品目のたらこのマスカルポーネ和え。スモークしたたらこの風味と、マスカルポーネの濃厚かつ軽い口当たりがたまらないです。これ、バゲットとかに塗っても止まらないやつですね……ビールが進む進む。

2品目のチーズダッカルビは、これ間違いないやつー! そして缶詰アレンジなのでなんだか無性に楽しくなるやつー!(笑)。本当にチーズダッカルビの味なんですよね、蓮池先生凄い。夜中にコンロでこっそり作るのも楽しい気がします。あとバーナーが肝ですね! 1つあったら絶対楽しいのでオススメです。

そして3品目。カツオのたたきの感想は……

藁焼き、すげえ

スーパーで買ったたたきとは別もの。

「このたたきは偽物だ。本当のたたきをお見せしますよ」

と私の頭の中の山岡士郎が言ったとか言わないとか。いや多分言ってない。でもそのくらい別もの。

そしてたっぷりの薬味とタレが、カツオにさっぱりとした風味を添えます。薬味、さながらサラダのようでこれも嬉しい。これは皮付きのカツオでリベンジしたいなー、いつ手に入るかなー。そんなことを考えながらビールをもうひと缶ぷしゅっと……

「いや、もう日が暮れるよ?」

いい気になって食べてたら母からツッコミが入ります。えーいいじゃん、明日片付けるから今日はこのまま飲ませてよー。母の視線の中に「こんなはずじゃなかった」とかいろんな感情が見えてきたような気がしますが気にしない。気に、しない……

そんなわけで、カワグチin実家ライフの夜は更けていくのでした。

 

 

東京、戻りたくねえな……

 

文・川口有紀