登山、キャンプ、BBQ……ひとりでも美味しいアウトドア飯 「をんなひとりそとごはん」〜vol.7 よみうりランドで“ふたりごはん”BBQ、の巻〜

「肉が食べたい」

食欲の秋、空腹の秋。次の「そとごはん」はどこにしよう、と考えていると突然天から降ってきたこの欲求。仕方ないよねー、秋だもん。
となるとBBQとかですかね。さっそく実践できそうな場所を物色しますが、緊急事態宣言の影響もあり東京都はまだまだ公共のBBQ場は使えず。かといってお店のプランだと持ち込み不可のところが多い。うーむ、どこかいい場所はないかしら……。

あった。

よみうりランド バーベキューパーク「JU-JU」

こちらの「食材持ち込みプラン」、入園料込みで1800円! ちなみに食材込みのプランでも3400円とお得です。よし、場所はここに決定!
しかし、一つ懸念が。「よみうりランド」ということは、遊園地。

「ファミリーだらけの遊園地で女ひとりBBQ」

想像するだけで辛い。辛すぎる。

ということで今回はスペシャルゲストとして、私と同じく食いしん坊アラフォーの友人・Nちゃんを召喚することに。この連載を見せたら画面を凝視しながら「こんなん絶対美味しいやつ」と真顔でブツブツつぶやいていた彼女ですもの、来てくれるはず。Nちゃーん、こういう理由なんだけど今度連載企画に登場してくれる?
「いいよー」
持つべきものは食いしん坊の友人。ありがたい。
「ところで今回はどこの山に登るの?」
Nちゃん、今回は山じゃないから。遊園地だから。大丈夫? 話聞いてる?
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さて後日。蓮池先生に作ってもらったレシピと材料を携えて、京王線よみうりランド駅にNちゃんと集合。

カワグチ「ありがとね、休みの日にわざわざ付き合ってくれて」
N「大丈夫、私今月このあと、ほぼ休日出勤決定してるから。今日は楽しむわ」

だ、大丈夫かなNちゃん。笑顔の表面に「やってらんねえ」って文字が見えるような気がするけど気のせいじゃないよね多分。
駅前のゴンドラ乗り場からよみうりランドに向かいます。ぐんぐんと上がっていく高度。見えてくる多摩の景色。

カワグチ「Nちゃんさあ、よみうりランドって行ったことある?」
Nちゃん「ない」
カワグチ「私も。ゴンドラ乗って行くなんて知らなかったよ」
Nちゃん「私、もうこの景色で満足してるんだけど」

日常的に遊園地とかレジャー慣れしてないアラフォー、娯楽のハードルが低い低い。
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※写真は臨時入園口です

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エントランスで受付と支払いを済ませ、園内をずんずんと進んでいくとたどり着きました、「JU-JU」

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BBQではありますが、炭火ではなく鉄板。こんな感じで鉄板つきテーブルと、紙皿やトングなどがセットされた席が用意されています。飲み物は1人500円でソフトドリンク飲み放題がつけられるのでプラスしました。本来だったらアルコール飲み放題もあるんですけどね、時期が時期だけにそれはまだ販売停止中。残念。

Nちゃん「ビール飲みたかったなー」

私も同意だよ。でも仕方ないよ……。気を取り直し、さっそくいきますよー。今回も蓮池先生に、無茶言ってレシピをお願いしました。

蓮池先生
蓮池陽子
ビストロ勤務の後、料理教室で講師を務める。アウトドアで山菜や貝などの山や海の恵みを採取する中で、美味しい物の背景には“美しい自然”や“沢山の物語”があることに開眼。現在は料理教室からフードコーディネートまで幅広く活躍し、アウトドア料理のレシピ本も多数出版。

私からのリクエストは「ちょっと変わったBBQがしたいです」。そして先生からの回答はこれ。

◯サムギョプサル

<材料>
おいしい豚バラ肉(焼肉用)      好きなだけ
※塊肉を買って長い面を1cm程の厚みにスライスすると本格的(半冷凍すると切りやすい)
サンチュまたはサニーレタス      適量
あればエゴマの葉           適量
長ネギ                1本
※長ねぎは斜めに1〜2mmの薄切りに。辛味が気になる場合は水にさらしておく
おいしいキムチ            好きなだけ
ニンニク               1〜2かけ

●タレ1
・長ねぎ(みじん切り)  5~10cm
・みそ          大さじ1と1/2
・コチュジャン      大さじ1と1/2
・酒           大さじ1/2
・砂糖          小さじ2〜
・すりごま(白)     小さじ2
・ごま油         小さじ1
※お好みでニンニクのすりおろし少々を加えてもOK

●タレ2
ごま油    適量
塩      適量
黒こしょう  適量

「臭いや煙を気にせず思い切り楽しめるものということで、サムギョプサルです! ポイントはキムチをしっかり焼くこと。美味しいキムチを用意するといいですよ」 蓮池先生談。

サムギョプサルー! 大好き!! 何度大久保で舌鼓を打って、そして店でくだをまいたことか……! 確かに脂と煙(そして後始末)を考えると自宅では絶対にやりたくないメニュー、こういう状況だからこそ楽しめる、そとごはんにうってつけのラインナップです。

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はい、肉をドーン。「適量って、どのくらい……?」としばし考えて、一応2人前で500gほど用意してみました。溢れ出る脂はキッチンペーパーで随時吸っていきます。

Nちゃん「へー、サムギョプサルってこんな感じなんだー」

ここでまさかの発言。Nちゃん初サムギョプサルの模様。マジっすか。

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こんがり焼けたら、女2人でハサミでチョキチョキ。ちなみにこの肉は、お肉屋さんに頼んで1cmの厚さに切ってもらいました。

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こちらは自宅で作ってきたタレ1と2。材料を混ぜるだけという簡単さ。そしてうっすら本命はこちらのタレ1なような気がしています。タレ2はサムギョプサルにも使いつつ、もう1品にも使えるという万能選手。

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肉が焼けたので、用意していたキムチを鉄板に投入。お得だったので、白菜キムチ以外のものも盛り合わせたセットにしてしまいました。白菜は焼き、それ以外はツマミになります。ノンアルコールだけど。キムチの焼けるいい匂いがしてきました、こういうのを気にせず楽しめるのも屋外ならではですね。

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自宅から持ってきたサンチュやエゴマ、長ネギ、スライスしたにんにくと盛り合わせて完成! 外でのBBQらしからぬビジュアルにテンションが上がります。

ここで即食べたい気分はありつつ、鉄板が温かいうちにもう1品作っちゃいましょう。蓮池先生曰く「勢いで、普段はやらないような組み合わせの焼きそばでシメを楽しんでください!」とのこと。

◯〆の牡蠣の焼きそば

<材料>
牡蠣のオイル漬け    8粒ぐらい
しいたけ        2個
※軸をとって薄切り
焼きそば        1玉
長ねぎの残り      適量
鶏ガラスープの素    小さじ1〜
タレ2         適量
酒           大さじ2〜3ぐらい
醤油          適量

〜食べるときに〜
青ねぎ(小口)     適量
米酢とからし      少々

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牡蠣のオイル漬けを鉄板に。2〜3粒を適当にヘラなどでざく切りに。これは勢いに乗ってちょっと潰しすぎました。

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しいたけを炒め、そこに焼きそばを加え酒(水でも)を加えほぐしながら炒め、全体がほぐれてきたらネギを加えて調味料とサムギョプサル用に作ってきたタレ2で味を整えます。ここで酢を入れてもいいとのこと。お気づきかもしれませんが、大食らいの女2人のため、写真はレシピの倍量で作ってあります。

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あっという間に完成―! 牡蠣がオイル漬けなので、肉野菜焼きそばにありがちな「まだ火が通らない……」「ああ麺が焦げてきた」というあれがないのが良いですね。あとしいたけがいい感じにサムギョプサルの油を吸ってくれておいしそう。

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Nちゃん「私そろそろ限界なんだけど」
ごめんごめん。さっそくいただきましょうー!

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サンチュにお肉とタレ、キムチやネギ、にんにくを巻いて、パクリ。

(無言)

(数分経過)

Nちゃん「……あのさあ」
カワグチ「うん」
Nちゃん「ごま油のタレ2もおいしい。おいしいけど……このタレ1、死ぬほどおいしくない?」
カワグチ「やっぱり? 私もそう思ってた」

断言します。このタレ1、これまでの蓮池先生のレシピの中でもトップクラスにおいしいです。甘辛で、コクがあって、でも食べやすくて……レシピを見てもらえばわかるんですけど、自宅にある材料で作れるんですよねこれ。でもこの比率で混ぜるだけで、無限にサンチュと焼いた肉が胃袋に入っていく魔剤と化します。実際、女2人でひたすら無言で肉を食べ続けましたからね。巻いて、食べて、巻いて、食べて。多いかなと思ってた肉500g、あっという間に終了。

私「食べたねえ……」
Nちゃん「私を誰だと思ってるの」

男前発言出ました。さすがカワグチの友達。惚れ惚れしているカワグチを横目に、焼きそばをぱくつくNちゃん。

Nちゃん「おいしーい! でもビール飲みたくなるー」

わかる。これ、酒の肴にめっちゃいいやつ。プシュッとしたくなるやつ。でも簡単だし常備してる缶詰とかで作れるのいいよねー、てかここ、片付けとかしなくていいの最高じゃない? そんなやさぐれ談義をしていると、いつの間にか聞こえてくる「キャー!」という声。

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目の前を駆け抜けていくジェットコースター。楽しそうな親子やカップルが絶叫する声が響きます。そう、ここはよみうりランド。

Nちゃん「これ、一人だったらやっぱり辛かったんじゃない? 色んな意味で」
カワグチ「だね。せっかくだしNちゃんジェットコースター乗ってく?」
Nちゃん「遠慮しとくわ」

まあ、そうなるよね。気がつくと焼きそばもそろそろ完食に。倍量作ったんだけどね。でもまあ食べてるうちに天気も良くなってきたし、なんか楽しいし結果オーライってことで。
とりあえず、アルコール解禁したらまた来たいな。そう思ったカワグチ一行でした。

文・川口有紀