たいへんよくもえました【4月前半のSNS炎上ニュース】

4月ですね。引っ越し、入学、入社……新生活に突入したりと、新たなスタートを切った人も多いのではと思います。

こんにちは炎上ウォッチャーのせこむです。

まだ体に馴染んでないスーツ姿や明らかに大学一年生だなぁという人を見ると、初々しさに微笑んでしまいますね。

そんなフレッシュな4月という季節ですが、“炎上が多い季節”でもあります。いいですか新入生や新入社員諸君、浮かれてうかつなことをツイートするんじゃないぞ!

特に新入社員、君のアカウントは常時人事部が監視していると思え、入社時の少し変わったイベントは自社社員のあぶり出しツールだ!先生との約束だぞ!!!

4月前半のSNS炎上ニュース

とりあえず、伝えるべきことは伝えました。この忠告?にも若干関連がある最近の炎上案件、独断と偏見の炎上度合いはいつもの通り星5つが満点です。

「だから言ったでしょ!?」案件が①。まあ新入学生本人ではなく、アイドルが入学するとわかったことに学校の職員が「職権をついに濫用する時が来ました」と呟いたことに対し速攻で契約解除が行われたというニュースです。

学校側の素早く毅然とした対処に称賛の声が多いのですが、要はそれだけ学校や企業側もチェックしてるし今はうかつな言葉が厳罰へと繋がるということです……。

②も「だから言ったでしょ!?」案件。こちらはエイプリルフール炎上ですね。はい、4月に炎上が多い理由にはこれもあります。

ちなみにこの件、昨年のエイプリルフールに乃木坂46の秋元真夏さんが自身のInstagramに「この度、友人の生田絵梨花と式を挙げました」と投稿。

これが同性愛者ではないのにあたかも同性愛者であるかのように匂わせたり、“性的指向の曖昧さ”をほのめかしたりする「クィアベイディング」ではないかと批判殺到し炎上したのですが……ご存じなかったのでしょうか。昨年4月の本連載でも取り上げております。

……もうね、性的少数者絡みのエイプリルフールネタはよほどの覚悟がないとやらないほうがいいし、そんな覚悟をもってするようなものでもないと思うんですよね。だって“ジョーク”なんだから。

③は、炎上の規模で言ったら今回は一番大きいのでは。近年、従来は当たり前とされていた「テレビのやり方」に違和感を感じる人が多くなっている中で、ある意味決定的なことが起きたかな……という気もしています。10年前だったら燃え方はもう少し穏やかだった気がするんですよね……。当の番組「スッキリ」が3月末で終了だったというタイミングも皮肉と言いますか。

オードリー春日氏が直接謝罪に伺ったというあたり、さすが「テレビ出演本数2022年ナンバー1の男」という気がしますが、日テレ側の「動物が入っていない池ならいいよと説明を受けた」という言い訳に「言っていない」と動物園側が再度反論するなどなかなかな事になっています。

というか今、動物園の鳥関係は鳥インフルエンザの流行もあり厳重管理になっているはずなので(昨年は一時公開中止されていたところも多かったはず)、そんなことをいうわけないのですよね。「これだからテレビは……」と思われても仕方ない案件かなと。

④は日本というより韓国での炎上。「国」がらみのこういうジョークももはやうかつにするべきではない時代だな……というのを痛感しました。平野氏を含むメンバー3人が退所するため5月に活動休止となるキンプリですが、理由に「海外進出したい」というのも有ったはずなんですよね。大丈夫なのかな……。

というわけで前置きが長くなりました。今回は⑤、岸田首相の「しゃもじ事変」です。勝手に名付けました。

しゃもじ事変

流れを簡単に説明します。

◯3月21日、岸田首相がウクライナを電撃訪問。戦後初めての日本の総理の戦地訪問であること、事前の情報統制なども含めて話題に

◯専用ジェットに乗り込む総理のニュース映像に写った「うまい棒」のダンボールが話題になる

◯ダンボールの中身がウクライナ側に贈る「しゃもじ」だったことが報道されネット上に賛否両論が巻き起こる

◯3月24日、国会で野党がこの「しゃもじ」について不適切だったのでは?と追求

……「うまい棒」がある意味燃料になったとは言え、しゃもじ1つでこの大騒ぎですよ。今回、ネット上の反応を見ていると3つに分かれるようです。

①「なんでしゃもじ?(笑)」「戦地にそんなお土産持っていくなんてムダでは?」派

②しゃもじに書かれた「必勝」の文字が不謹慎or適切ではないのでは?派

③「必勝しゃもじ」の由来を調べ、いや岸田氏策士過ぎるだろと反応する派



この事態を正確に把握するためには、そもそも「必勝しゃもじとは何か」を理解する必要があります。岸田首相の選挙区は広島一区。この広島県には世界遺産・厳島神社を有する宮島という場所があります、海の中に立つ鳥居でも有名ですね。

行った事がある人はわかるのですが、ここではお土産物として「必勝しゃもじ」が多く売られています。もともと宮島に弁財天があることから、弁天の琵琶の形を模したしゃもじが江戸時代にまず土産物として広まった。厳島神社は戦勝祈願の神としても知られており、日清・日露戦争の頃には「敵を召し(飯)取る」という意味から戦場に向かう兵士がしゃもじを奉納していた……そして今に至る、という経緯があるようです。


広島県では高校野球の応援で使われたりと「必勝」のイメージが強いこの「しゃもじ」。

日本はウクライナ支援を行う立場を表明しているとはいえ、ロシア・ウクライナ情勢は非常にナイーブなもの。

ウクライナ側に「自分の地元の名産品」で「戦勝祈願のシンボル」を贈ることで「ウクライナ側の戦勝を祈願するのか!?」と言われたら「いや地元の名産なんで」と逃げることもできる、しかしその由来は非常に猛々しいものでもあったりする。

どこまで意味を込めてこの「しゃもじ」というチョイスが行われたかはわかりませんが、ネット上では深読み合戦の状態にもなっていますし、その上での議論も行われております。


まとめ

訪問のタイミングの是非とか、軍事・外交の面からもいろいろ言われているこの電撃訪問。それらはとりあえず置いておいて、ある意味しゃもじ一つでこんなにネット上で話題を巻き起こすという意味では首相、ないし首相の側近は策士なのでは……?と実感した今回の炎上でした。

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