たいへんよくもえました【6月前半のSNS炎上ニュース】

梅雨ですね。
突然の大雨に「あーもう梅雨入りかー」とか思ってたら予想外の台風だったり、油断できない日々となっておりますが、皆さんいかがお過ごしですか?炎上ウォッチャーのせこむです。

戦争や自然災害など、他に注力すべきところがある場合は炎上は少ないのがネット界のセオリー。人間とはまことにわかりやすい生き物だなあと。

そんなわけで今回の炎上は、梅雨空同様ちょっとスッキリしないものが多めとなっております。独断と偏見の炎上度はいつものように★5つが満点です。

①は、前回の記事でも勃発した「ブラックフェイス問題」。なんでみんな学習しないんでしょうか?ここまで来ると愉快犯ないし炎上商法だと思われても仕方ない気がします。

ただ今回の場合はマネージャーが韓国人の方とのことで「逆差別だ」と反論しているという点でいろいろ事態がややこしくなっているのが特徴。
▶︎たいへんよくもえました【5月後半のSNS炎上ニュース】

②は、少し前から物議をかもしていた「岸田首相の息子が秘書官をつとめている」問題が写真流出きっかけで燃え上がってしまった、という案件。

「私的な居住空間でもある公邸という場所の是非」とかいろいろ観点はあるのですが、やはり「二世への風当たり」というのが火種を大きくした原因かなと思ってます。

あとあの写真がね……往年の「バイトテロ」の悪ふざけを彷彿とさせる感じで、多分それで余計反感を買ったんだろうなと。

③は炎上というかなかなか興味深い議論です。ちなみにこれ、「飲食という生理現象を客の前で見せるのは無礼」と言い出した人が居てこちらのツイートのほうが物議を醸しております。

④は、朝日新聞社が一度出した記事に対し釈明ともとれる「おことわり」を出した非常に珍しいケース。

個人的には彼を取り上げたことの是非というより、識者コメントでも指摘が出ているように「彼の経歴、特に選挙に関する党所属の事実などを意図的に隠しているように思えるのはいかがなものか」と思いますがいかがでしょう。

あと名前で検索かけたらもろもろのトラブルなんかすぐわかるはずなので、本当に「知らなかった」としたら記者はワキが甘いにも程があると思います。

というわけで。今回は⑤、オリラジ中田氏の騒動にしたいと思います。ざっと流れをおさらいすると、5月29日にオリエンタルラジオ・中田敦彦氏が自身のYoutubeチャンネルで「【松本人志への提言】審査員という権力」という動画を公開。動画の内容をざっとまとめると

・松本人志氏があらゆる賞レースにいて、若手を審査する立場にいることが多いしあらゆる大会を主催してあらゆる大会の顔役になっている

・他の業界だったら信じられないくらいの独占状態になっているし、松本氏が面白いと言うか言わないかで新人のキャリアが変わる

・一つの価値基準しかない状態は業界のためにも良くない。審査員を1個でもいいから爆笑問題太田氏に譲って欲しい

・業界が松本人志氏に対して何も言えない状態になっている

……こんな感じの内容となっています。
お笑い界において「国民的スター」ともいえる松本人志氏に〝噛み付いた〟ともいえるこの動画。あっという間に拡散され、SNS上でも賛否両論を巻き起こします。



当然のごとく、この動画に出てきた当事者や周辺人物たちがSNSで「自分たちはこう思う」という意見を次から次に出し、収集がつかない状態に。

まず反応したのが、相方・粗品氏の名前を「これ見てる粗品君どう思う?」と動画で出された霜降り明星・せいや氏。

当人ではなく相方が、というのがある意味ポイントではあります。

そして一晩であっという間に燃え上がったこの事態に、提言を受けたこの人が「動きます」。この動きは早かった。

ちなみにSNS上やYoutube上での中田氏のさらなる反応は、この記事を書いている段階では確認できていません。

続いて反応したのは東野幸治氏。これは不思議に思う人もいるかもしれませんが、実は中田氏はこのYoutubeだけでなくオンラインサロンでも同様の動画を公開していて、それらの動画の一部がネット流出。そちらにはYoutubeでは削除されていた「過激な発言」があったようで、その中で東野氏に言及されていた模様です。

実はこの「消された動画」の内容が辛辣……というか「それはちょっとどうなの?」という内容だったため、そちらを知った人たちが炎上に拍車をかけたという側面もあるよう。そんな中、「相方へ。」というタイトルの動画を出した相方・藤森慎吾氏の心労はいかんばかりか。冒頭の一言、「平穏な暮らしがしたい」に爆笑しました。

2〜3日経つと、動画や番組で言及する人たちも増えてきました。代表的なところをまとめますと

爆笑問題 太田光……ラジオやトーク番組で多数言及。
▶︎爆笑問題・太田光、松本人志・オリラジ中田騒動に「仲裁した方がいいのかな?」率直な思いも「タブーにするとつまらない」

ナイツ 塙宣之……ラジオで騒動に言及。
▶︎塙宣之、中田敦彦&松本人志の騒動に言及?「さすが」と称賛の声

マヂカルラブリー 野田クリスタル……自身のチャンネルで言及。※動画は公認切り抜き
▶︎【あっちゃん】「松本さんの反応で全部出てるな」【マヂラブ野田クリスタル】

チョコレートプラネット……自身のチャンネルで言及。こちらの動画は2つをセットでどうぞ。
▶︎【ベーキング】中田ブチギレ問題
▶︎チョコプラのラ#283「ベーキングの反響」

個人的には、これまで溜めに溜めていた中田氏とのトラブルや鬱憤をコント仕立てでぶちまけたつもりが収録後にこの騒動が起こってしまったため、動画の持つ意味が変わってしまったというチョコプラの動画が印象に残りました。

また、ひろゆき氏やトミーズ雅氏、百田尚樹氏、上沼恵美子氏など、色々な人が中田氏の動画について次々と言及。まだまだ騒動は終わりそうにない状況です。

で。正直、炎上ウォッチャーとしては面白みはありつつ、どうにも全力で乗っかれない部分があるのですよね。それはこの騒動を少し俯瞰して思っていることなのですが……

疑問1 本当に業界への「提言」なの?
これは割とSNS上でも入っているツッコミなのですが、今回の動画のきっかけともなった『THE SECOND』での松本人志氏は審査員ではなく、それは『すべらない話』や『IPPONグランプリ』でもそう。動画では「『THE SECOND』では番組アンバサダーとなっているが影響力はある」とのことでしたが、松本氏が本当に「権力」なのか?という点で首をひねった人は多かったようです。

疑問2 動画の中に事実誤認があるのでは?
『M-1グランプリ』で松本人志氏の審査が審査員の中で一番影響が強いかのように中田氏は発言していますが、これはお笑いファンほど「そうだっけ?」と疑問に思うのではないでしょうか。また、爆笑問題太田氏に審査員を「譲って欲しい」と言っていますが、太田氏は以前からあちこちで「審査員はやりたくない」と公言しているのは有名な話。実際、松本人志氏に2022年の番組「FNSラフ&ミュージック2022~歌と笑いの祭典~」で共演した際に審査員に「公開ラブコール」をうけ、即座に断っています。

疑問3 なぜ「動画」で出した?
この動画、6月8日現在で423万回再生を叩き出し、ある意味中田氏の思うツボになっているような気もします。ただ、収益化はしていないようですが彼自身のYoutubeチャンネルにも注目が集まるということを考えると、十分すぎるほどの「利益」にはなっているでしょう。自身のオンラインサロンでの動画配信といい、そういう意味での「フェアさ」にひっかかるのは筆者だけでしょうか?

上記3点が、今回の炎上に対してどうも冷ややかに見てしまう理由ではあります。

現在動画公開がストップしている中田氏が今後どう反応するのかに注目が集まっているところですが、中田氏としては注目を集めて自身のブランディングに利用するという部分も多分にあるはずなので、松本氏から呼びかけられた「直接話そう」という問いかけはむしろありがた迷惑だったのでは……と思っています。

そういう意味では、我々野次馬も反応すれば反応するほど中田氏の思うつぼではあると思うのですが、そういうのもコミコミで距離を置いて見る分には面白い出来事であるのも事実。

もうしばらく余波が続きそうなこの件、炎上ウォッチャーとしてはチェックしていきたいと思うのでした。

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