たいへんよくもえました【6月後半のSNS炎上ニュース】

こんにちは、炎上ウォッチャーのせこむです。
なんだか梅雨らしい天気が続いてますが、正直炎上界隈はちょっとネタが豊作過ぎて湿気も吹き飛ぶ勢いです。

前回ご紹介したオリエンタルラジオ・中田氏の件もまだまだ余波が続いてますし。この「たいへんよくもえました」記事公開と同時に中田氏が続報動画出しましたし。追うのが大変なんですよ……!

▶︎参照:6月前半のSNS炎上ニュース

そんな昨今だけに、今回の炎上は細かなもので気になるものもあったのですが、絞ってのこの6本。独断と偏見の炎上度はいつものように★5つが満点です。

①は、珍しく「海外配信者の炎上が日本社会に届いた」パターンですね。これ、台湾人との味覚の差もあるのでは?説もあり、単なる迷惑YouTuber文脈とは別の見方をすると結構面白いです。

②は「ベビーカーで突然体当たりされた人がSNS投稿→その件に関して取材を受けたらなぜかやってもいない加害を捏造されて報道されてしまった」という件。

テレビ局がSNS投稿に関する取材をするのは今や普通のことですが、受けるなら先方担当者の携帯番号や責任者の連絡先まで抑えて置くべきだなと実感した出来事でした。

③は現在進行系で燃え盛っている芸能案件。この件にあまり言及するのも下衆に思えてくるので今回メインで取り上げることは控えますが、久々の巨大スキャンダルだったなと思います。

また、夫であるキャンドル・ジュン氏の記者会見への是非とかいろいろ観点はあるのですが、ご家族もいることですし早めに沈静化して欲しいなと。

どうでもいいけどキャンドル・ジュン氏を「キャンドル氏」と表現するのは正しいのでしょうか?「ジュン氏」じゃだめなの?

④は個人的に気になった件。これ、元の動画が拡散されたのに加えて「女性のソロキャンプは是か非か」問題へと議論がずれている印象。

「そもそも危険なんだからソロキャンプは自己責任」「いや声をかける男がいるのがおかしいだろ」という論が真っ二つ、そこに「男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いい」という言葉を使った「日本単独野営協会」なるアカウントの意見がバズるなどなかなかおもしろい様相に。

▶︎参考:ソロキャンプ中のナンパ被害は自業自得?日本単独野営協会の声明が「正論すぎる」と話題

⑤は結構込み入った炎上なのですが、そもそも主婦アカウントが共感されづらい内容をエッセイ漫画にして炎上したらなりすましだった……という話。

この件、結構RTされたので実はなりすましである(というか描いた人が主婦ではない)ことをご存知でない方も多いのではと思います。

ただ、最近この手の「あえて炎上を狙うツイート」が多くなっている印象で、うっかり炎上に乗ると大変なことになってしまうので炎上ウォッチャーとしては注意喚起をしたい次第。これは近々、別の機会にでもお話したいと思います。

……この時点でネタの濃厚さは既に力尽きかけてますが、気を取り直していきましょう。⑥、水着撮影会中止騒動です。

ざっくり経緯を説明しますと6月8日。6月10日、11日と直近に埼玉県の県営公園で予定されていた水着撮影会の中止がSNS上で相次いで発表されました。

この時点では観測していた人は少なかったと思われますが、同時に投下されたこの日本共産党埼玉県議会議員団のツイート、そしてグラビア評論家の徳重龍徳氏のツイートから、「どうやらこれは水着撮影会に共産党の県議がクレームを入れたことで、直前にも関わらず中止になったらしい」という認識が広まり、大騒ぎへと発展するのです。




この問題、炎上においてはままあるケースですが「論点があまりにも多数あり、それが入り乱れてしまったがために火力が増加」という状態になっていました。というわけで、ざっくりと書き出してみたいと思います。

①公園貸出のルール設定とそれを当てはめる時期・団体への妥当性
②「特定の党の議員が申し入れたら中止になった」ということの是非
③「グラビア撮影」は「性の商品化」なのか?問題
④「わいせつ」に相当しないものを規制するのは「表現の自由」の侵害ではないか?
⑤議員団が持ち出している中止理由「都市公園法1条」の妥当性
⑥親の許可のもと参加している未成年の参加者の自己決定権は?

……ざっと見ていただいただけでも、これらを全て同列に扱うと非常に問題がややこしくなるだけということがおわかりかと思います。

というかそもそもSNS、特にTwitterは「議論には向いていない」のです。それが、このうちの1つ取り上げるだけでもこの連載と同じくらいの分量が必要な論点を多数含む炎上騒ぎですから、当然まとまるわけがない。

また、⑥に関しては「未成年の水着を撮って何が悪い!」と騒ぎ立てる勢力が目立つことで余計「やっぱり水着撮影会はなくてもよくない?」という印象を強め、混沌さを増すことに。

そんな勢いをました火の手に、早々にガソリンが投下されてしまいます。翌日、6月9日に埼玉県知事・大野もとひろ氏が呟いたこちらの発言。


……ここでまず問題になったのは、上の①に関連すること。

これまでも水着撮影会に貸し出していたが、「未成年の参加禁止」と「過激なポーズの禁止」などのルールを近年相次いで設定していたもののルール違反の団体もいたため直前にも関わらず禁止となった、この今回の決定が果たして妥当かどうか?という問題です。

この大野氏のつぶやきから「過去の撮影会に関して当てはめるのは『法の不遡及』の原則を侵しているのでは」というツッコミも多数入ることに。また、「水着がダメならサンバもダメでは?」と凸する人も出てくる始末。

……これ、未成年の水着姿であれば現状は児童ポルノに該当はしないですし、当然成年のものであれば法的にはなんら問題はないため、水着撮影会を潰したいなら当然こういう事になってしまうのが厄介なところ。

今回の件、④の「表現の自由」の観点からは以前やはり炎上から中止騒動となったあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」との類似性を語る人もいたのですが、ここにジャーナリストの津田大介氏がこんな発言を投下。

要は「表現の不自由展」と一緒にしないでよ、という発言であり(ここには多数のこの撮影会に関する事実誤認もあるのですが)当然のごとく反論が相次ぎます。


こういった場外乱闘も多数起き、これは収集がつかなくなるか……と思っていた矢先の6月11日。急転直下の「中止撤回」が発表されます。





正直、自治体がこの手のことを撤回するのは非常に難しいのではと思っているので、ちょっとこの早々の撤回にはびっくりしました。

また、燃えてから3日後、しかも日曜日の夜にも関わらず発表するというその姿勢には好感度は上がったものですが、それだけ緊急度をきちんと知事が把握していたということでしょう。

ただ!最後の最後、この「特定の政治団体等の〜」のツイートが沈下しかけたSNSに再度油を注ぎます。日本共産党埼玉県議会議員団のツイートはなんだったのでしょうか?という話です。

ちなみに2023年6月22日現在、前述の議員団のツイートは削除されていません。

……知事が連ツイの最後に強調せざるをえなかった裏事情はわかりかねますが、今後の水着撮影会のあり方やグラビアアイドルという職業についてなど、さまざまな論点を叩き出した今回の炎上。

ある意味、炎上の中でも分水嶺になるような事件だったと言えるかもしれません。世の中の動きや政治の動きを含め、今後もこの手のことはしっかりウォッチしていきたいなと思わせた炎上でした。

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