【第10回】It’s a small Kawaii world~彫刻家・村岡さん編~

前回はアクセサリー作家のpocheさんに、お花がふんだんに使われていて高級感たっぷりのライターケースを作っていただきました♪

毎回、自分でも想像がつかないリッチで面白&可愛いライターケースができるのが、楽しくてやめられそうにありません。すっかりライターケースデコのとりこです♡笑

今回デコってくださるのは、彫刻家の村岡さん!

村岡佑樹 Yuki Muraoka

歴史や生活の営み、物質など物事の成り立ち、在り方を考えて作品を制作。
また、ある事象を取り巻く状況や、それが成り立つ原因を分解しそれぞれを再構築、作品化することで社会や自身との繋がりを考察している。

1993年 - 広島県生まれ
2011年 – 修道高等学校卒業
2018年 – 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
2020年 – 「みえないものからみえるもの」(天王洲セントラルタワー / 東京都)
「藝大の猫展 2020」(藝大アートプラザ / 東京都)
2021年 – 「すみだ向島EXPO2021 軒下プロジェクト Vol.3」(墨田区京島3丁目 軒下10か所 / 東京都)
「ストレンジャーによろしく」(金沢アートグミ、ほか金沢市内13か所 / 石川県)
「SDGs×ARTs展 十七の的の素には芸術がある」(東京藝術大学大学美術館 / 東京都)
2022年 – 「新宿の染×SDGs」(新宿マルイ本館 B1F / 東京都)
「Rebuilding」(染の里おちあい二葉苑、BaBaBa/ 東京都)


村岡さんは彫刻やコンセプチュアルな現代アートなど、幅広いジャンルの作品を制作しているそうです。

さらに、1つのものを分割して2つに再構築する作品も多く作っていらっしゃるのだとか。発想が斬新!!

これはもう、面白いライターケースができあがる気しかしない!わくわくが止まりません!!

このライターケースが、どう変身するのか!?

こちらはライター「クレーターネオ」の寸法にぴったりのABS製デコ用ライターケース
今回もケムール編集部が特別にご用意しております♪

このどこかで見たことのあるようなケースが、どう変化するのか……!?

デコスタート!珍しい機械が続々と登場!!

今回は、初のアトリエでの取材!
普段は入れない場所なので、すでにテンション爆上がりです!!♡

まず、ノコ刃が回転する「バンドソー」(写真1枚目)と呼ばれる機械で木(彫刻素材として割とポピュラーなくすのきを使用!)を切り出し、ライターの寸法を測って切り出した木に鉛筆で印を付けたら、「ボール盤」(写真2枚目)のドリルで木に穴を開けます!

次に広い面積を一度にやすれる「ベルトサンダー」(写真3枚目)で表面を整えると、穴を開けた内側の余分なところを「のみ」(写真4枚目)で削ぎ落として紙やすりで滑らかにしていきます♪

ライターケースを大胆に…!?

ライターケースに鉛筆で目印を付けて、それに合わせてバンドソーでライターケースを分割!!

え!!? ライターケースを切っちゃうの!!?
予想もしなかった展開に、驚きを隠せません!!!

切断面はギザギザするので、紙やすりでやすりをかけて整えます。

木も細かいパーツにカット!!

サイズや位置を確認しながら、鉛筆で木に線を引いていきます!
線の位置は、どうすれば早く綺麗に木を加工できるかを考えながら決めているのだそうです。

バンドソーを使って慎重に木をカット!またベルトサンダーで表面を整えます。

彫刻刀で木の内側を削ると、内側にライターがばっちり通りました!!
木のパーツは、何だか積み木みたいでKawaii♡

ライターケースと木が合体!2個になった!!

分割したライターケースと木を組み合わせます!

ライターケースと木がちゃんと交互に組み合わさってる!!しかも気付いたら2個に増えてる!!!!どうして!?

私が驚いている間にも、着実に作業を進める村岡さん。

パーツとパーツの間に隙間ができるとボンドがくっつかない可能性があるので、しっかり接着できるように、木のパーツの断面を削って微調整


ベルトサンダーで木の角を落とすと、ゴツめの外観から一気にあか抜けました!

木に模様を彫ると印象が激変!

片方のライターケースの木には、彫刻刀を使って模様を彫っていきます!

模様を付けると触り心地が変わるのと、光が当たったときに表面の凸凹によって単調ではなくなるそうです。

作品に直結するため、作業全体を通して、見え方が良くなるように考えながら工夫しているとのこと。

彫り方は村岡さんが小学生の頃に、おばあちゃんが「いい感じに見える」と教えてくれた方法を採用したそうです。何だかエモい〜〜〜!

もう片方のライターケースの木はベルトサンダーで削り、表面に変化を出します。

さっきまでは削り出しただけの木だったのに、個性たっぷりのケースがそこに!

ひと息つくタイミングで、村岡さんについてもっと詳しくお伺いすることに!

村岡さんについてもっと知りたい!

─物作りをする上で、大切にしていることはありますか?

自分がいいと思うものを作りたいと考えながら制作しています。

─この企画について、どう思いましたか?

(今まで企画に参加された)皆さんクオリティが高いなと。

破片を3Dプリンターで作るなど、普段から既製品を使って作品を作ることはあるので、ライターケースについても特に抵抗はありませんでした。

─分割する作品を作り始めたきっかけは?

博物館で縄文土器を見たときに、本物の部分が少ししかなく、あとはすべて補修された部分だったことに疑問を抱きました。

表記は「縄文土器」となっていて、実際に含まれているはずの「モルタル」「石膏」などは書いていなくて。
本物の部分が少しでもあれば、そのものだと言えるのではないか、ということに気付きました。

そのため作品のテーマは、分割したものの修復というよりも「本物を増やす」という方が近いです。

キラキラしている瓦の作品(写真左)も実家の瓦を割って、割れた破片は元の位置に使っています。

ほかの部分はプラスチックにメッキをかけたものですが、それぞれに瓦の破片が入っていて瓦の形をしているので、増えたものすべてが「村岡家の瓦」ということになります。

これからもいろんな物事の背景を探って、見えていない・注目されていないことの背景がわかるように伝えていきたいです。

奥深い〜〜〜!
村岡さんの話を聞いていると、「本物」の定義が大きく広がっていくような気がしますね!
なんだか視野が広がって、私の懐も深くなった気がします!笑。

村岡さんの発想力に圧倒されつつ、作業はラストスパートへ!

木のパーツが絵の具でカラフルに!!

使用商品:ターナー色彩株式会社「U-35」ACRYLICS提供

筆を使って、アクリル絵の具で木に色を塗っていきます!

木とプラスチックの違いをわかりやすくするために、木の素材感を消さないように注意しながら薄く塗ります。

厚塗りになったところは、表面を拭いて適度な薄さに調整。

それぞれのパーツをボンドでくっつけたら……!

いよいよABS製のパーツと木のパーツを、ボンドで1つずつ貼り合わせます!

丁寧に慎重に、ライターが入るか、そしてパーツが取れないか確認しつつ、内側をやすって角度を調整したら……!!

カラフルで不思議Kawaiiライターケース完成!!!

木の部分がカラフルで独特な形をしていて、とってもKawaii〜〜〜!!!♡

1個のライターケースを分割してから木を足したことで、ライターケースが2個になったのが不思議過ぎる!!!

それに色や形、手触りなど、それぞれのライターケースが似ているようで全然違うのが面白い!!

写真右のケースは木のパーツが宝石みたいな形をしていておしゃれでKawaiiし、写真左のケースは木のパーツの触り心地が良くて、柄も爬虫類の革や、うろこみたいでかっこいい!

手にフィットする形状で軽くて持ち運びやすいし、恋人や友達とお揃いで使いたくなる!!!

合計で6時間近くかけてできた大作です!!
村岡さん、素敵なライターケースをありがとうございます♡

ケースのイメージと、デコった感想は?

最後に村岡さんに、ライターケースをデコった感想を聞いてみました♪

─完成したライターケースのイメージを教えてください!

「ポケットを叩けば」です。

ポケットを叩くとビスケットが増えるという曲の歌詞のように、ライターケースを分割してみたら本物が2つに増えたというのがコンセプトです。

─作ってみてどうでしたか?大変だったところはありますか?

自分の作品を作っている感じでした。

作っているうちに位置がずれるので、角度の微調整をする部分が多かったのと、ライターがちゃんと通るようにボンドをくっつけるのが大変でした。

─こだわりポイントを教えてください!

テーマは「対比」で、木と樹脂の質感の違いを出しました。
素材だけでなく、2つのライターケースの見た目の違いも意識しています。

2つに増えたもののビジュアルが同じである必要はないですし、どういう形であれライターケースだということを表現しました。

─今回の出来は何%くらいですか?

羽が生えた100%です。笑

─デコったライターケースは、誰に使っていただきたいですか?

ものを大事にする方に使っていただきたいです。

デコったライターケースを抽選で1名さまにプレゼント♪

1個から2個に増えた不思議でKawaiiライターケースを、抽選で1名さまにプレゼント!

この機会にぜひ応募してくださいね♡

プレゼント応募方法

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期間は1週間なので、ご応募はお早めに!

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村岡さんの活動が気になる方は、展覧会もチェック!

村岡さんの作品に興味がある方は、ぜひ展覧会もチェックしてみてくださいね♪

直近の展覧会はこちら!↓

【Rebuilding】展
【前期】
会場 染の里おちあい二葉苑 〒161-0034 東京都新宿区上落合 2-3-6
会期 2022年 2月 25日(金) ― 2月 27日(日)
時間 10:00 ‒ 17:00
【後期】
会場 BaBaBa 〒161-0033 東京都新宿区下落合 2-5-15 1F
会期 2022年 3月 4日(金) ― 3月 13日(日) ※3月 7日(月)休み
時間 12:00 ‒ 19:00(土日祝 11:00 ‒ 18:00)

染色工房を見学、リサーチをしたアーティストによる染色をテーマにした展覧会を行います。

アーティスト5名の多様な視点から「染(そめ)」の新たな魅力や特徴を再発見し、染色の現代における在り方を考察していきます。

職人とアーティストは互いに普段からものづくりをおこなっているという共通点がありますが、それぞれの間には違うものとしての一線が引かれています。

それぞれが互いに理解し刺激を与えあうことで、アーティストは自身の表現を発展させる機会となります。

そして、アーティストの表現が染色工芸の持つ「染(そめ)」の思考や技術の拡張の一助となることで、伝統文化の更なる発展を目指した展覧会となっています。

村岡さんのサイトやSNSは以下のリンクから♪

*クレーターネオのライターケースアートをしてくださる方を大募集!*

好きなようにライターケースをデコりたい!
自分の世界観をケースにぶちまけたい!
とにかく宣伝になることをしたい!

という“熱意”ある方はぜひ、下記までご連絡ください!

【クレーターネオケースアート企画部】
電話番号:03-5577-5153
メールアドレス:info@b-rock.jp

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