前回は作家の福島さんに、カビ(!?)ライターケースを作っていただきました♪
毎回、完成した面白&可愛いライターケースを見るたびに思うんですけど、クオリティ高過ぎじゃない?(真顔)
今回もどんなKawaiiケースができるのか考えるだけで、楽しみ過ぎて心臓が飛び出そうです♡
- 1 今回デコってくださるのは、作家の大園さん!
- 2 このライターケースが、どう変身するのか!?
- 3 デコスタート!まずは色見本を作成
- 4 本章突入!銅板をライターケースの形に合わせて加工!
- 5 下地の釉薬を振りかける!
- 6 銀線登場!さらに焼く!
- 7 さらに釉薬を載せてカラフルに!!
- 8 大園さんについてもっと知りたい!
- 9 ひたすら砥石で研いでから、紙やすりでやする!!
- 10 窯で焼き、両面に接着剤で金属を接着!
- 11 錫粉を蒔くと、夜空がキラキラに!!
- 12 ロマンチックでKawaiiライターケース完成!!!
- 13 ケースのイメージと、デコった感想は?
- 14 デコったライターケースを抽選で1名さまにプレゼント♪
- 15 プレゼント応募方法
- 16 大園さんの活動が気になる方は、卒業制作もチェック!
- 17 *クレーターネオのライターケースアートをしてくださる方を大募集!*
今回デコってくださるのは、作家の大園さん!
大園恵実 Megumi Osono
2022年 – 東京藝術大学 美術学部工芸科彫金専攻 修了
現在 – 東京藝術大学大学院工芸科彫金専攻 在籍
受賞歴
2020年 – 平山郁夫奨学金賞
2021年 – 第1回関西アートコンペ 奨励賞
– 第15回アートプラザ大賞展 入選
2022年 – 第16回アートプラザ大賞展 入選
– 卒業制作 台東区長奨励賞
展示歴
2019年 – 石の上、一年目展
2020年 – 横断する工芸展
2021年 – 新協美術会第1回関西アートコンペ展
– 第15回アートプラザ大賞展
2022年 – 第16回アートプラザ大賞展
– 第70回東京藝術大学 卒業・修了作品展
大園さんは、日本の伝統工芸である「七宝」という、金属の上にガラス質の粉「釉薬(ゆうやく)」を焼き付けて装飾する技法を使った作品を制作しているとのこと。
材質は硬そうなのに、柔らかい印象のモチーフと色味なのがKawaii〜〜〜♡お上品なライターケースができそうで、ときめきます♪
このライターケースが、どう変身するのか!?
ライター「クレーターネオ」の寸法にぴったり合うABS製デコ用ライターケースを、今回もケムール編集部が特別にご用意♪
この真っ白いケースが、どんな変化を遂げるのか……!?
大園さんはデザインにかなり悩み、数日かけて考えてくださったそうなので、ますます期待が高まります!!
デコスタート!まずは色見本を作成
釉薬は焼く前とあとでは色が変わるため、あらかじめ単色のテストピース(色見本)を制作していきます。(カラフル♪)。
– 釉薬の豆知識 –
釉薬は粉の状態では載らないため、今回約2時間かけて水篩(すいし)を行っています。
水篩とはそれぞれの色ごとに水を足し、米研ぎの要領で浮いてきた粉を水とともに捨ててから、また水を足して混ぜ…を繰り返す工程です。
釉薬が載るよう脱脂(だっし)をしたあと、5分ほどクレンザーで磨きます。
テストピースに下地釉(したじゆ)という白い釉薬を載せたら、15分ほど窯で焼きます!
窯って初めて見た〜〜〜!!近くにいると目が乾く!笑
さらにいろいろな釉薬を載せてプラス5分窯で焼く!
本章突入!銅板をライターケースの形に合わせて加工!
ライターケースのサイズを測り、金属裏に載せる下地釉の厚みを考慮して大きめに作成。
糸鋸(いとのこ)で銅板を切り出し、ケースの形に合わせて木槌(きづち)や金槌(かなづち)で叩いて曲げます!ここまでで30分ほど。
やすりを使い、ケースに貼りつける2枚の銅板がぴったり合うようすり合わせ!この工程で約20分。
その後5〜10分ほど脱脂します。
下地の釉薬を振りかける!
銅板表面にのりを塗り、下地釉をまんべんなく振りかけて窯で焼きます!
2枚の銅板で40分ほど。裏面も同様に。
銀線登場!さらに焼く!
作りたい形に合わせて銀線を折り曲げ、下書き通り銅板の上に立てていきます!
細やかな作業なので、片面あたり4時間ほど(すごい)。
透明の釉薬を少しだけかけて窯で焼くと、釉薬が溶けて銀線の位置がしっかりと固定されました!!
さらに釉薬を載せてカラフルに!!
前述のテストピースと同様の工程で、今度は混色のテストピースを作ります。
混ぜたときの色がわかったところで、一番差しと呼ばれる、最初の釉薬を載せる作業に入ります!
最初に色を載せてから窯で焼くことを、一番焼きと言うのだとか。
一番差しから一番焼きまでは、ライターケースに貼る2パーツとも、それぞれ2時間ほど。
二番差しでは一番焼きで載せた色が透けて見えるように、透明な釉薬を混ぜる!
1分ほど窯で焼いたらすぐに出します。
表面は七宝の性質上、真っ平にはならないので、焼いたときにできるガラスの凸凹の低い部分に釉薬を載せるのだそう。
三番差しは透明の釉薬を全体に塗ります!
様子を見ながら窯でしっかり焼くと、表面がツヤツヤに♡
あともう少し!というタイミングで、大園さんについてもっと詳しくお伺いすることに!
大園さんについてもっと知りたい!
─物作りをする上で、大切にしていることはありますか?
自分にしか作れない作品を作りたいです。
性格上、物事の変化や感情を拾いやすくて。
でも大学に入学してから、自分しか着目していない部分がたくさんあることに気づきました。
同じモチーフの花を作るとしても、人とは違う思いを込めると違うものになります。
私はモチーフの雰囲気を出すことや、身近なもの、植物、自然などに興味があり、それらを表現しています。
─どんな作品を得意としているのでしょうか?
受験生のときに色彩構成が好きだったので、七宝はその感覚を活かせると感じています。
空気感を意識していて、手を伸ばせば掴めそうな雰囲気が伝わるように、その空間にモチーフが存在しそうな感じにするのが好きです。
透明度が高い七宝を使えば奥の釉薬が見えますし、距離感や空気感を出せる素材なのが面白いです。
空気が止まったかのように色を閉じ込められますし、これだけ多くの色が使えて奥行きを感じられる素材は、ほかにないと思います。
─どういったお客さんが多いですか?
卒業制作展では蝶々を作ったので、特に女性の方から好まれるかなと思っていたのですが、実際は男女問わず幅広い年齢層の方々に興味を持っていただけたことが、とても嬉しかったです。
今後も発表の場を増やしたいです。
─この企画について、どう思いましたか?
七宝は繊細なので「七宝といえば小箱」などの固定概念が強くなって、視野が狭まっていました。
そのためライターケースという素材が新鮮で、チャレンジする価値があると思いましたし、七宝が活躍できる場があるんだ、と思って嬉しかったです。
─七宝の作品を作り始めたきっかけを教えてください!
大学受験する前に『驚きの明治工藝展』に行ったところ、明治時代を代表する七宝家・並河靖之(なみかわやすゆき)氏の紫陽花の花瓶がありました。
その作品がきれい過ぎて、自分も七宝をやりたいと思いました。
大園さんの貴重なお話を夢中でお伺いしているうちに、作業はラストスパートへ!
ひたすら砥石で研いでから、紙やすりでやする!!
ガラスでできた表面を平らにするために、釉薬の凹みがなくなるまで均一に、砥石(といし)で研ぎまくる!
表面を乾かしては凹みをチェック。
凹みにマジックで印を付け、ひたすら研ぎます。
全体的に平らになったら、銀線を表面に出してキラキラさせるために紙やすりでやすります。
目が粗い紙やすりから細かい紙やすりへと変えながら、表面をひたすら磨きます。パーツ1つにつき2時間半ほど。
窯で焼き、両面に接着剤で金属を接着!
磨き終えたら焼き過ぎないように覗き窓から様子を見ながら、窯で数分間焼きます!
焼くと、表面がツヤツヤに!!
真綿を混ぜた接着剤をライターケースの表面にまんべんなく塗って、片面ずつ貼りつけます!
接着剤に真綿を含ませると接着面が増えて、絡みついて固定されるのだそう。何だか納豆みたい。笑
その状態で30分ほど乾かします!!
錫粉を蒔くと、夜空がキラキラに!!
雲と月はツヤツヤに、夜空はマットにすることで差をつけて、メリハリを出すために、雲と月の部分はマスキングテープで保護。
全体にスプレーをかけてから、キラキラした錫粉(すずふん)をパラパラと蒔く(まく)!!
錫粉が取れないように、上からさらに2回スプレーしてから乾かすと……!?
ロマンチックでKawaiiライターケース完成!!!
絶妙な色味がKawaii〜〜〜!!!♡
ピンクの雲や夜空、月と星の組み合わせが幻想的で、ロマンチック過ぎて感激!!!!!♡
可愛いものばかりがこのライターケースに集約されているし、ものすごく時間をかけて細やかに作っていただいたので、使うのがもったいないくらいKawaii!!!
普段は大事にしまっておいて、たまに丁寧に使ったらとってもニマニマしそう!!
まるで水彩画のように美しくて、これがガラスでできているなんて信じられない!
伝統工芸のすごさを思い知ったし、もはや芸術作品だし、ジュエリー並みに貴重な宝物だと言っても過言ではない!!もう家宝にしたい!!!♡
大園さん、素敵なライターケースをありがとうございます♡
ケースのイメージと、デコった感想は?
最後に大園さんに、ライターケースをデコった感想を聞いてみました♪
─完成したライターケースのイメージを教えてください!
「心をあたためるライターケース」です。夜にキャンドルに火を灯すときなど、ライターをおうちでゆっくりするときに使えるように、優しい印象の作品を作りたいな、と思いました。
桜の時期だったので、桜にするのも検討しましたが、もう少しひねりたいなと。
地上の桜が反射して映っているような、優しい雲にしてみました。
星や月など、自分の世界観が出せそうで好きなモチーフを選んで集めたので、自分らしさが出ていると思います。
─作ってみてどうでしたか?大変だったところはありますか?
既存の形に七宝を使うと歪むことがあるので、形に沿わせるのが難しかったですが、あまり歪まなくて良かったです。
ライターケースのカーブの角度が急で、銀線を載せるのが大変でした。
そのままの状態では銀線を立てられなかったので、90度の角度で折ったり、パーツ1つにつき3か所がライターケースと接触するように切ったりして頑張りました。
七宝は時間がかかるので、1か月くらい制作していたと思います。
─こだわりポイントを教えてください!
私らしいライターケースにしたいと思い、使う人を想像しながら作りました。
ライターの装飾は、ドラゴンなどのいかついものをイメージしがちだと思います。
そこで、いろいろな人が使いたくなるようなライターケースにしたいと考えた結果、今回のデザインになりました。
こちらが今回のライターケースを作るにあたって事前に描いていただいたラフ画。出来上がったケースはイメージを忠実に再現しつつ、箇所によって色の濃淡があるなど、さらに可愛さが増しましたね♡
─今回の出来は何%くらいですか?
できれば、きれいにするための超音波洗浄機を使いたかったので、85%くらいです。
─デコったライターケースは、誰に使っていただきたいですか?
落とすと割れやすいので、どこでもというよりは、おうちなどで大事に使っていただきたいです。
大事にしてくださる方にお譲りできたら嬉しいです。
デコったライターケースを抽選で1名さまにプレゼント♪
七宝によって丁寧に作り上げられたKawaiiライターケースを、抽選で1名さまにプレゼント!
この機会にぜひ応募してくださいね♡
プレゼント応募方法
期間は1週間なので、ご応募はお早めに!
⚠️ご注意⚠️
こちらは素材上、とても割れやすいケースとなっておりますので、ご当選された方はお取り扱いに十分ご注意ください。
大園さんの活動が気になる方は、卒業制作もチェック!
大園さんの作品に興味がある方は、卒業制作もチェックしてみてくださいね♪
卒業制作はこちら!↓
台東区長奨励賞 卒業制作『景色を運ぶ』
https://diploma-works.geidai.ac.jp/2021/catalogue/crafts/osono_megumi.html
展示場所:上野中央通り地下歩道展示ブース(C4出口ABAB近く)
展示期間:来年(2023年)2月まで
大園さんのSNSは以下のリンクから♪
Instagram:https://www.instagram.com/meg_moko/
*クレーターネオのライターケースアートをしてくださる方を大募集!*
好きなようにライターケースをデコりたい!
自分の世界観をケースにぶちまけたい!
とにかく宣伝になることをしたい!
という“熱意”ある方はぜひ、下記までご連絡ください!
電話番号:03-5577-5153
メールアドレス:info@b-rock.jp