今回もTwitterスペシャルです
炎上ウォッチャーのせこむです。
我らがTwitterがイーロン・マスクのものとなってから1ヶ月あまり。日々炎上を観測している側としてもいろいと気が気ではない……というかこの状況が自分にとって吉と出るか凶と出るかまだまだ見えなくてどう反応したものか、というのが正直なところですが、【▶10月前半の「たいへんよくもえました」】からまだまだ落ち着く状況が見えないので今回もTwitter買収騒動についてご紹介しましょう。名付けて「イーロン・マスクスペシャル」です。なんだそれ。
前回はTwitter社員の大量解雇についてお話しましたが、実はこのハッシュタグ騒動wが巻き起こっていた11月初旬の段階では「解雇されたのはキュレーションチームや広報などが中心、エンジニアは残されているから問題ない」と言われていたんですよね。
ところが。ちょっと様子が変わってきます。
「いくつかの国でTwitterくっそ遅いよねごめんね! 酷いRPCをバッチで1000回以上実行しるからさ」的なことを呟いたイーロン・マスクに対し、どうやらTwitter社のエンジニアらしい人からこんな引用リプが付いたのですが……。
要は「6年アンドロイドのアプリ開発に関わってるけどこれ間違ってるよね」
これにイーロン・マスクがガチギレ。怒涛のリプ合戦が繰り広げられます。世界筆頭の大富豪(そして自社のトップ)に公開で噛み付くという行動をとってしまったこのエンジニア、結局こうなったようです。
……クビ。ちなみに既に消されていますが、イーロン・マスク自身がリプで「アイツクビにしたわ」と言っていたレスもありました。震えるしかない。
吠える巨人、逃げ出す小鳥たち
11月16日には、買収以来初となる社員向けのスピーチで「長時間勤務」について言及しました。「週40時間はオフィスに来い、週80時間勤務もありうるぞ」と言ったらしいですが、正直これを聞いて「いや全然あるわ……」と遠い目をした日本の社畜がいるとかいないとか。イーロン・マスク自身も寝袋を持ち込んで泊まり込み勤務をやっていたような人らしく、超赤字の企業を買い取ったCEOがかけるハッパとしてはしごく当たり前の内容な気もしますが、いやでもそこはついこの間までウェイ系勤務がスタンダードとなっていたTwitter。「そんな働き方、やってられねー」と残っていたエンジニアの人々も辞める人が大量発生。
この「激務(!?)」にはいろいろとIT界隈でも意見があるようですが、さすがにこの離脱っぷりにイーロン・マスクの方もこの「週40時間勤務」ルールは変えたようで……しかし時既に遅し。Twitterのコア開発者や保守に必要な人材など、イーロン・マスクが引き留めようとした人たちも退職組に多数いたらしく、ここからまた不穏な空気が漂い始めます。
▶参考:イーロン・マスクの「ハードコア」にTwitter社員が「ノー」。数百人が大量流出か(ハフポスト)
この「Twitterのコア開発者が辞めた」という噂から、日本のTwitter上には「Twitter終了」の声が多数上がりトレンド入りに。
この「Twitter終了」のトレンド入り騒ぎで「Twitterなくなっちゃうの!?」と大騒ぎする人が続出。実際のところ、今すぐ終了するわけではなく「保守ができなくなるのでは」的な話です。いま騒ぐのは杞憂な気がしますが(ただ後述する表現規制の問題如何では実質近いうちに「終了」の可能性はありますが)嘆く人、煽る人、大喜利を始める人とTwitter上は大騒ぎ。
いや、みなさん冷静に考えてくださいよ。そもそも、保守運用をほったらかして終了せざるをえないようなサービスを何のために世界一の投資家が大枚はたいて買ったのか、という話じゃないですか……ちょっと色々ありすぎて何がなんだか、という気持ちはわからんでもないですが(笑)。
保守運用がまともにされない状態で、日本のTwitter名物である『天空の城ラピュタ』放映時の「バルス!」がなされたらどうなるか……という心配を始める人も。いやもうその時にはそんな状況ではなくなっている気もしますが。
▶参考:Twitter終了の噂、コア開発者が辞めたからサ終は間違いで、本当にまずいのは「保守」が崩壊したとき→もしバルスしたら…
ちなみに。
アメリカのTwitter本社には日本人エンジニアの方もいて、Twitter社内の様子を生々しく呟いてくれていたのですが……
わずか一週間後….彼のもとにも解雇通知が届いたようです。もう、アメリカ企業本当に容赦ないというか、「そこまで人が居なくなって大丈夫なのか……?」と外野ながら思ってしまいます……。
認証バッジは手動で実装!
解雇騒動だけではありません。
並行して物議を醸したのが「認証バッジ」騒動。時系列で見てみましょう。
■2022年11月5日
米Twitter社は著名人などに限定していた「認証バッジ」を有料化すると同時に、一般の利用者も一定の対価を支払えば取得できるようにすると発表。
これは「申請」と「サブスク加入」の2種類の方法があり、今まで認証バッジを持っていた有名人はサブスク加入しないとバッジが消滅。そして有名人でなくてもお金を払えば誰でも認証バッジが取れるというシステムに(日本ではまだ未実装)。
■2022年11月8日
有名企業などに公式マークを配布し、プロフィールのアカウント名下部に「✅Official」というマークを表示して判別できる仕様に変更するも、その日のうちにマークを回収し元の仕様に戻すなど二転三転。
■2022年11月11日
偽アカウントが急増したため、サービスを一時停止。イーロン・マスク氏は最初19日頃に再開と言っていたものの遅れることに。
■2022年11月15日
認証バッジサービスを11月29日に再開すると発表。
■2022年11月25日
一部改善を加えた認証バッジ機能について、12月2日に実装予定と発表。企業がゴールド、政府機関がグレー、個人がブルーと組織によって異なる色の認証バッジが付与されるとのことで、認証作業についても手動で実施するという。
……なんかもう、絵に描いたようなバタバタっぷり。ねえ本当に大丈夫なの……?
マストドンに飛び火が…
そんな中、少し話題になってはすぐに下火になってしまった分散型SNS「Mastodon(マストドン)」が急激に注目を浴びています。Twitterと違うのは、個人でサーバーを立ち上げるサービスだということ。言うなれば「自分自身がイーロン・マスクになって運営するSNS」という仕組みで、知らないユーザーと“つながる”ことを目的にしていたTwitterのユーザーにとってMastodonは方向性が違うサービスです。
しかし、「Twitterが終了らしいからこっち使えばいいんじゃね?」という安易な人口の流入で混乱も発生しているようでして……。
そういえば、以前話題になった方がこのタイミングでMastodonからTwitterに復帰という趣深いニュースも流れてきました。
▶参考:【速報】マストドンに渡った尊師、ツイッターに帰還する!
※「尊師」とは何者か‥‥? こちらに情報がございます
▶2022年8月前半の「たいへんよくもえました」
次の連載までネタあるかな……なんて思っていた2週間前が懐かしい、全然現在進行系で揺れ動いているTwitter。炎上を観測するプラットフォームが自ら燃えているというなかなか経験できない事態に立ち会っているのだな、というのを毎日実感させられますが、願わくば早いところ落ち着いてほしいな……と説に願う毎日なのでした。