毎日暑いのは梅雨があけたから?それとも巷でいろいろなものが燃え盛ってるから?
……そんなことすら考えてしまう猛暑が到来していますね。こんにちは、炎上ウォッチャーのせこむです。
今回はややこしい大物炎上が控えているので早々に本題に入りますよ! 独断と偏見の炎上度合いはいつものように星5つが満点です。
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②押収したトレカを輪ゴムで縛った様子がニュースで公開され、価値を下げているのではないかと警察に批判殺到
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③「小島よしおはSDGsでお金を稼いでいる」自民党・杉並区議の“持論”が波紋…「言いがかり」と批判続出
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①は……「またか」感のある「性的な表現VS表現の自由」問題。具体的に性器を描写しなくても「そう感じさせる表現」はどこまで広告表現として許されるか、という話なのですが、個人的にはこの絵がこういう燃え方をするのはなかなか辛い時代だなあ、と思います。
②は時折話題になる「警察の押収物の陳列」案件ですが、こういう「押収物を損壊しているのでは」という文脈で話題になるのは珍しいパターンですね。
③は、この方前回取り上げた「タンポンの話はセクハラ」区議と同一人物です。ちょっとネット界に新たな炎上スター登場の予感がしますが、最近のここまでの打率の高さはむしろ狙っているのでは?とすら思ってしまいます。
狙ってないのであればそろそろ党に怒られるような気がするのですが……他にも個性派議員が多いと聞く杉並区議会、どうなんでしょうね?
参考▶︎たいへんよくもえました【7月前半のSNS炎上ニュース】
こちらも「またラーメン&つけ麺案件か……」と思ってしまう④。以前も「なぜラーメン店は炎上しやすいのか」をこの回でご紹介しましたので、よろしければご一読ください。
「有名店主ほど個性的(婉曲表現)な人が多い」の法則とでも言いましょうか。ただ、個人的にはこの店主の言いたいことはよくわかります。小麦の味、みんなわかるものですか……?
参考▶︎たいへんよくもえました【5月前半のSNS炎上ニュース】
というわけで。今回メインで取り上げるのは⑤、これまでもちらほらとは言及してきたジャニーズ性加害問題ですが、それに端を発した大物炎上がやってまいりました。
ただ、題材が題材だけに編集部とも「ど、どうする……?」としばし協議となったこの案件。そうこうしているうちに別件炎上も相次いだので、ここは一つ腹をくくって「ジャニーズ問題とその対応への分析」という形で今回は言及したいと思います。
メインの炎上として取り上げる「山下達郎問題」の経緯は上記リンク先や各種ニュースサイトで多く紹介されているので簡潔におさめますが、発端はこの音楽プロデューサー・松尾潔氏のツイートでした。
要は、ジャニーズ問題についていろいろと言及していたらジャニーズ事務所と距離が近い事務所の方針と合わなくなった、かつそれは事務所の重鎮である山下達郎氏も方針としては同じ……という、音楽好きにはなかなか衝撃的なツイート。
真偽を含めこの発言についてさまざまな意見が飛び交いますが、7月6日には松尾氏が自身の連載でまずその詳細を公開。
参照▶︎松尾潔のメロウな木曜日
「スマイルカンパニー契約解除の全真相」弁護士を通じて山下達郎・竹内まりや夫妻の“賛成事実”を確認
しかしこれはあくまでも一方の意見であり、実際のところはどうなのか……とこの時点では静観する声も多かったのです。
しかし、7月9日に山下達郎氏が自身のラジオでこの問題について言及し、松尾氏の契約解除はジャニーズ問題だけが原因ではないと匂わせる発言があったり、「(ジャニーズ事務所の)内部事情は預かり知らなかった」という発言から、まさに大炎上。
もともと、なにか山下氏が発言するならこの日のラジオだろうと関係者は予測していただけに、多くの波紋を呼びます。
久しぶりに見たなあこんな大物の大型炎上、というくらいTwitterには山下氏の発言に対する「否」が溢れる結果に。
また、7月16日には俳優・服部吉次氏が過去の性被害について記者会見で告白。こちらも大きな波紋を呼びました。
というのも、現在78歳という年齢と「故・服部良一氏の次男」という立場である彼の発言は、これまでこの問題について必ずつきまとっていた「告発者の動機はジャニーズへの逆恨みや虚栄心ではないか」という意見を吹き飛ばすものだったからです。
参考▶︎「その日の夜、ジャニー喜多川氏は5人を次々に襲った」…俳優服部吉次さんらが証言した70年前の性被害
大物が渦中の人となったことでにわかに再燃する性加害問題、そして「山下達郎問題」。ここから時間をおかず、またも芸能人の炎上が起こります。
といっても、この人の場合はある意味「通常営業」でもあるデヴィ・スカルノ夫人のこの発言。
……ある程度良識がある人でしたらこの発言のアウトさは察することができるかと思います。むしろ典型的な「セカンドレイプ」ではないかという批判も巻き起こる中、告発者であるカウアン岡本氏も引用してこの発言。
駆け足でこの半月の流れをまとめてみましたが、個人的にはこの「ジャニー喜多川・性加害問題」に関しての反応というものが興味深く。
ザッと見たところ、以下の5パターンに分けられると思います。
②「今活動している子たちへの影響も懸念するが性加害問題の実態解明や対応は事務所がきちんと対応すべき」派
③「声を上げた被害者」を糾弾する派
④「加害当事者が亡くなっている」がゆえに穏便にしたほうがいいのでは?派
⑤「自分は知らなかったから関係ない」派
ここで出てきた非当事者たちを分類するのであれば、例えば契約解除前の松尾氏のスタンスは②だったと思うし(そうなんです)、山下達郎氏は④寄りの⑤と言えるでしょう。そしてデヴィ夫人は③。ちなみにいわゆる「ジャニーズファン」の中には、当初は③がかなり多かった印象です。
ただ、前述の服部氏の告白やテレビ局各局がいろいろと配慮を始めたことで、少し風向きが変わってきた印象があります。
というのも、夏は大型音楽特番が相次ぐ季節ではありますが、そういった特番で目玉となっているシャッフルメドレーなどの「ジャニーズ企画」が今年はのきなみ中止になっていることにお気づきでしょうか?
これはテレビ局各局の「配慮」。また、長年ジャニーズのグループがサポーターをつとめる伝統があったバレーボールW杯も、出演予定だったグループが急遽取り止めになったのでは……という報道がされたばかりです。
Aぇ! groupはジャニーズ事務所の中でも次のデビュー組かと噂される人気Jrグループだけに、これもなかなかの衝撃でした。
参考▶︎週刊文春「性加害問題に参加国が“NO”」ジャニーズ Aぇ! groupがバレーW杯から排除された!《川合俊一会長は、直撃取材に…》
個人的にはこの一連の問題、いろいろと事情が複雑なだけに論じるのが難しいなと思っています。
◯加害者が亡くなっているだけに、再発防止や検証などの「落とし所」が難しい
◯問題にするほど、現在進行形で活動しているタレントたちへ影響が大きくなる
◯事実が明るみになることで、タレントや事務所を応援している人にとっては「自分たち自身が加害の一端を担っていたのでは」という事実を突きつけられてしまう
特に最後のものに関しては、当初声を挙げた岡本カウアン氏らの交友関係がガーシー議員などツッコミどころが多い人物が多かっただけに、罪悪感が「告発者への糾弾」への燃料となったのは間違いないと思います。
たとえ被害があったと認めたとしても事態の落とし所……特に「ファンや一般視聴者たちの精神的な落とし所」が現状では見えず、だからこそ「見て見ぬふり」につながるというのがこの問題の厄介なところかと。
現社長のジュリー藤島氏が早い段階で謝罪動画を公開しましたが、まったく鎮静する気配がないのはこれが原因なのではと思っています。
もう1つ気になっているのが、先日からジャニーズ事務所を離脱した滝沢秀明氏の新事務所に元King & Princeのメンバーや三宅健氏らが合流するのではというニュースが相次いでいるところ。
これまではジャニーズ事務所を辞める=「テレビ」には出られなくなるというのが大前提でしたが(「新しい地図」の3人が辿った道に顕著ですね)この夏の各局の動きを見ていると、ちょっと風向きが変わってきたのでは……?という思いを抱くのは自分だけでしょうか。
もしかしたら私たちは今、平成以降の「芸能界勢力図」において大きな変容を目の当たりにしているのかもしれません。そんなことすら感じてしまう、この一連の炎上だったのでした。