【第16回】It’s a small Kawaii world~刺繍イラストレーター・Marronさん編~

前回はジビエレザー作家の久津さんに、クール&ロックなライターケースを作っていただきました♪

毎回、最高に面白&可愛いライターケースができあがる、この企画!

さまざまな道のプロが個性を発揮し、趣向を凝らしてくださるのが魅力です♡

今回デコってくださるのは、刺繍イラストレーターのMarronさん!

Marron

刺繍イラストレーター、東京在住。
布に糸で絵を描くように刺繍します。

古今東西のファンタジー子供向けのかわいい動物リアルな生き物など、「きれい・かわいい・何だかこわい」を描きます。
泳げないけど海の中のテーマが好き。


海の生き物も動物も、鮮やかでKawaii!!♡刺繍って、こんなにリアルに作れるんだ!!

ライターケースも繊細できれいなものができあがりそうで、とっても楽しみ〜♡

このライターケースが、どう変身するのか!?

ライター「クレーターネオ」にぴったり合うサイズのABS製デコ用ライターケースを、今回もケムール編集部が特別にご用意♪

このどこにでもありそうな真っ白いケースが、どんな作品に仕上がるのか……!?

デコスタート!型紙作り~下地付け!

まずはケースに紙を巻き、ケースのラインを書いたらラインに沿って紙を切り、型紙を作ります。

そこからケースに刺繍布をきれいに貼り付けるための素材選びへ!

はじめは樹脂が吹き付けてある布「接着芯」にしようとしていたところ、刺繍布に接着剤が染みたので、見た目に影響が出てしまう可能性を考えて「接着フェルト」に変更!

素材選びとサイズ調整などの作業で合計2時間ほどかけました。

片面は普通のフェルト、もう片面が強力な粘着面になっている接着フェルトのフェルト面に強力な接着剤を塗ってケースに貼り付け!

粘着面が表を向いたことにより、刺繍布をきれいに貼り付けることができるようになりました!頭が良い!

布にケースの線とイラストを下書き!

今度は、狐とタバコを持っている手のイラストを紙に描きます!

丸い刺繍枠に、黒い布をセット。

シャーペンで黒い布にケースのラインを引き、イラストを見ながらフリーハンドで下書き
布を傷つけないように、シャーペンは柔らかい2Bの7mmの芯で書き書き。

布にケースの線とイラストを下書き!

狐の部分は、布を貼ったり縫い付けたりして盛り上がって見えるようにする「アップリケ」を付けようと思ったけれど、ケースが小さ過ぎて難しかったとのこと。

そのため、白い布に絵を描いてから狐の形にカットして、黒い布の上に置き、その上からコットンの白い糸で刺繍!!

白い布を埋め込むことで、狐の部分に立体感が出せるのだとか!

刺繍って糸を縫うだけではなくて、こんなやり方もあるんですね♪

最初に白い糸で狐の形の布を縫い留めてから、シワ、ひげなどを黒い糸で刺繍します!

お面のぬめっとしている感じを出すために、ひたすら白い糸で狐全体をチクチク!
白い布の部分が見えなくなってきたら、口、耳、目の縁は赤い糸で刺繍

狐がぷっくりしてきてKawaii!!♡

タバコを持っている手も刺繍!

狐は目の部分を黄色い糸で埋めて、9割ほどできたところで、今度は手を刺繍!

男の人の手らしい色の糸を選び、縫い進めていきます!!

白い糸と赤い糸で、小さなタバコもチクチク。

手とタバコを縫うところは、大体30分ほどで完成しました。

タバコの煙を縫って、よりリアルに!

細い糸を使うために、もともと3重のやや太い糸をほどき、1本だけ引き抜きます!

イラストを見ながら、ブロンドで硬めの細い糸でタバコの煙を刺繍。

白い糸も考えたけれど、タバコとは違う色にしたかったのと、この色がしっくりきたのだとか。

針が太いと、繊細な布だと穴が空いてしまう可能性があるので、今回はやや細くて、かつ使いやすい針を使ったそうです。

10分もかからずに、煙の部分が完成!!
イラストチックな線でちゃんと煙が出ているように見えますね♪

黒い糸をさらに上から縫って、狐が完成!!

狐の鼻の穴を黒い糸で縫ってから、ひげや目などの黒い糸が埋もれてきたところを、上から縫い直します!

縫い終えたら玉留めして糸を切り、糸がほどけないように裏側を布用ボンドで少し固めたら、狐が完成しました!!

狐の部分が完成するまでに、約1.5時間かかりました。

布をカットしてケースに貼り貼り!

周りの黒い布を切ってから、ケースに沿わせ、カットする位置をチェック。

接着フェルトの粘着面のフィルムをはがし、しわができないように刺繍した黒い布を上から丁寧に貼っていきます!

布をフェルトに貼りながら、切れ味がよくて先が細いはさみを使い、慎重にカット。

布は一度切ったら戻せませんし、緊張感が伝わってきます……!

端がはがれないように、ほつれ止めで留める

布を貼り終わったら、はがれやすい端の部分をほつれ止めを使ってそっと留めます。

串とつまようじを使い分けて、塗り塗り。

塗り終えたらケースを手でぎゅっと握り、布を念入りにくっつけます。

黒い布を切ってフェルトに貼り付けてから端を整えるところまでで、約20分。

この時点ですでに出来上がりと言われてもおかしくない!

闇のような黒い布に浮かび上がっている狐Kawaii♡

完成が見えてきたところで、Marronさんについてもっと詳しくお伺いすることに!

Marronさんについてもっと知りたい!

─物作りをする上で、大切にしていることはありますか?

作りたいものを作ることと、完成度を満足するまで高めるというところです。

また、活動の理念としては、子供の頃から幻想的なお話が好きだったのですが、大人になるとだんだん不思議なことが減ってきてしまうと感じています。

それでも、自分や誰かの子どもの頃の夢見る気持ちに火を灯したくて、温もりが残る手刺繍で絵を描いています。

─どんな作品を得意としているのでしょうか?

海の中のリアルな生き物と、ファンタジーな海の中の世界と、絵本に出てくるような擬人化したうさぎです。

刺繍は可愛い印象がありますが、それだけではないので、王道の可愛いをあえて外してリアルにしています。うさぎは目が笑っていなかったり、表情がモナリザのようだったり。

『いるかの目の人魚』という作品など、たまに他の人から見ると「こわい」「気持ち悪い」と言われるものもあるようです。

─どういったお客さんが多いですか?

SNSで見てくださっている方や、作品を買ってくださる方は、圧倒的に女性が多くて。8割くらいは女性です。

刺繍が可愛いから好き、という方もいらっしゃいますが、それよりも海の生き物が好き幻想的な人魚の世界が好きという方が多いです。

ファンタジー過ぎず、可愛過ぎない魚たちなど、海のリアルな生き物の作品は、男性に好評です。

─この企画について、どう思いましたか?

今までの企画では、きちんとした技術を持っている人たちが参加していて、大人の夏休みの宿題みたいで豪華だなと。

工芸家やアーティスト、いろんな分野のすごい技術を持っている人たちがライターケースを作っていて、情熱を注ぎ込んでいるところが、見応えがあって面白いなと思いました。

─刺繍の作品を作り始めたきっかけは?

母が刺繍教室に通うことを決めた時、一緒に習い始めたのがきっかけです。手芸はもともと好きだったので。

刺繍教室では課題の図案が出てきますが、図案通りに刺すのは苦痛で、10年ほど習っていたけれど先生の言う通りに完成させたのは3回だけです。

自分の好きなように、刺繍で絵を描きたいと思ったので、自分で描いた絵を持って行き、どう刺繍で表現したらよいかを先生に相談していました。

ちょうど好き勝手に水彩などで絵を描くことが楽しくなくなった時期と重なり、そこから刺繍で絵を描くことが楽しくなって、今に至ります。

Marronさんが今のような刺繍をするようになった経緯を聞けてときめいたところで、ライターケースの制作はラストスパートへ!

ケースの縁を赤い糸で縁取り!

ケースの縁に、強力な接着剤で赤い糸をビシーッと貼り付け!

黒のままでもシンプルで素敵でしたが、赤い糸で布の切りっぱなしを隠せて、かつアクセントにもなるので、いい感じですね♡

赤と白の鈴緒を付けたら……

ケースの表面から見て右側に、鈴緒をつけます!

つまようじを使い、接着剤で鈴緒を半分ほどつけると……!?

まるで神社!?こわくてKawaiiライターケース完成!!!

狐とタバコを持った手が、刺繍で忠実に再現されていてKawaii〜〜〜!!!♡
黒と赤の組み合わせや、鈴緒が実際に揺れるのもおしゃれ!!!

刺繍って可愛いイメージが強かったけれど、こんなにも絵に描いたようにリアルで、どこかこわいものができるなんて……!!

可愛いのに、暑い日でも背筋が凍りそう今の時期にぴったりですね♡

このケースを持って神社に行きたいし、友達とこわい話をしながらケースを眺めたい!!

お守り代わりとして大事にするのもいいし、神社に行かなくても鈴緒をリンリン鳴らすだけで、稲荷神社に参拝した気分になれそう!!!

Marronさん、素敵なライターケースをありがとうございます♡

ケースのイメージと、デコった感想は?

最後にMarronさんに、ライターケースをデコった感想を聞いてみました♪

─完成したライターケースのイメージを教えてください!

「お稲荷さまと怪談」です。ケムールのサイトに掲載されている、お稲荷さまの怪談をイメージしています。

タバコの吸い殻をポイ捨てしたことから化かされた(?)けれど、タバコを一服したから元に戻れたのかもというお話を刺繍で表現してみました。

面白いので、ぜひ読んでみていただきたいです。
『吉田悠軌の「怪談一服」〜【メビウス】の一服〜』

─作ってみてどうでしたか?大変だったところはありますか?

普段は基本的に平面なので、ケースのカーブに沿わせて、布をきれいに貼り付けるのが難しかったです。

普段は刺繍で絵を描く活動をしていて、使うことをメインにしていないので、できるだけ丈夫になるように、気を遣いながら作りました。

どうやったらきれいに作れるか考えて、ボンドが布に染みないようにしたり、実用的なものなので、強度を持たせないといけなかったりしたのも難しかったです。

─こだわりポイントを教えてください!

お稲荷さまのお面が前面に出ていることです。

インパクトを出したかったので、数mm程度の厚みを持たせて、ぽってりさせました。

─今回の出来は何%くらいですか?

100%です!

─デコったライターケースは、誰に使っていただきたいですか?

こわい話が好きな人や、お稲荷さまが好きな人に使っていただきたいです。

また、耐性がどれだけあるかわからないので、あまり引っ掛けないように使っていただきたいのと、飾るくらいがちょうどいいかもしれません。

何度も出し入れすると、糸が毛羽立ってツヤがなくなってしまうので、使う時はできるだけ擦れないようにしていただきたいです。

デコったライターケースを抽選で1名さまにプレゼント♪

ちょっぴりこわくてKawaiiライターケースを、抽選で1名さまにプレゼント!

※今回のケースですが、ライターを入れた際に、ライターの着火レバー部分が下ろせないことがわかりました。
そのため、観賞用として楽しんでいただけましたら幸いです。

Marronさんより「このケースのイメージのもととなった怪談話が『タバコの吸い殻をポイ捨てしたら、不思議な出来事に巻き込まれた』というお話なので、このケースを見ながらマナーを守って喫煙していただきたいです」とのことでした。

この機会にぜひ応募してくださいね♡

プレゼント応募方法

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期間は1週間なので、ご応募はお早めに!

↓該当ツイートはこちら!

Marronさんの活動が気になる方は、展示やSNSもチェック!

Marronさんの活動や作品が気になる方は、展示サイトSNSもチェックしてみてくださいね♪

直近の展示はこちら!↓

TOKYO ILLUSTRATORS SOCIETY PRESENTS
91人のイラストレーターが描く みんなだいすき和田誠
開催日 – 2022年10月6日(木)〜10月11日(火) 11:00〜18:00
※会期中無休
※最終日10月11日(火)は16:00まで
会場- – ブックハウスカフェ ギャラリーひふみ(東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
入場料- – 無料

2023年7月に銀座の伊東屋にて個展を予定。
テーマは「海の魔法」で、人魚をたくさん描きます。
※個展までの道のりをnoteのメンバーシップで公開しています。
こちらもよろしければご覧ください。
https://note.com/marronbroidery/membership

Marronさんはファンタジーな作風で、幻想・怪奇小説の装画もしたいそうです。

お仕事のご依頼などは、Gmailのアドレスへ!

公式サイト:https://www.marron-shishu.com
Twitter:https://twitter.com/MarronShishu
Instagram:https://www.instagram.com/marron_embroidery/
Gmail:marron.shishu@gmail.com

*クレーターネオのライターケースアートをしてくださる方を大募集!*

好きなようにライターケースをデコりたい!
自分の世界観をケースにぶちまけたい!
とにかく宣伝になることをしたい!

という“熱意”ある方はぜひ、下記までご連絡ください!

【クレーターネオケースアート企画部】
電話番号:03-5577-5153
メールアドレス:info@b-rock.jp

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